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受験がつらそうなお子さんを前にしたとき、最初に見るのは勉強量・睡眠・いつもとの違いです。
不安から勉強を増やすより、今週やらない課題を決めて負担を軽くしたほうが合う場合があります。
課題を減らすことは、受験を諦めることではありません。
この記事は、高校受験を控えた中学生の保護者と、つらさを感じている中学生本人に向けて書いています。
教室長として生徒の学習計画を見直してきた私の経験と、公的な情報をもとに、勉強量の減らし方と休ませる目安を整理します。
お子さんの状態に合わせて、勉強量の調整・休息・相談のうち、何を優先すればよいか確認していきましょう。
記事のポイント
- 受験がつらい子どもに親ができること
- 今週やらない課題と勉強量の減らし方
- 勉強を休ませる目安と休息の取り方
- つらさが続くときの相談先と対応
受験勉強の負担を減らす方法|今週やらない課題を決める

負担を減らす第一歩は、勉強を足すことではなく、今週やらない課題を決めることです。
無理なく続けられる勉強量に見直すことであり、受験を諦めることではありません。
5教科の過去問を減らし、必要な課題に絞った教室長の事例
私が教室長をしていたころ、受験勉強がつらいと訴える生徒の学習計画を「引き算式」に変えたことがあります。
変更の前後は次のとおりです。
- 変更前:5教科すべての過去問演習を予定に入れ、取り組む課題が多い状態
- 変更後:5教科の過去問演習を一時中断し、数学の大問1の計算と英語の基礎単語に絞った
数学と英語に絞ったのは、その生徒の状況に合わせた判断です。
全員に同じ絞り方が合うとは限りません。
志望校、入試までの日数、いまの得点によって、残す課題は変わります。
過去問演習が消化しきれなくなっているときは、課題を一時的に基礎へ絞る方法があります。
課題量の調整を検討したい状態には、次のようなものがあります。
- 睡眠を削っている:塾の宿題や学校の課題に追われ、深夜まで勉強している
- 難しさで手が止まる:過去問や応用問題集に苦戦し、焦りばかりが強くなっている
- 優先順位がつけられない:「全部やらなければ」という思いで、何から手をつけるか決められない
勉強時間ではなく、終わりが分かる課題で区切る
勉強時間の目標が重荷になっているなら、時間ではなく「ここまで終えたら終わり」という課題で区切る方法があります。
私は、長時間の学習目標をやめ、約15分のプリント1枚を終えたら学習を終える設定に変えたことがあります。
勉強の終わりを分かりやすくし、机に向かうときの負担を減らすための工夫です。
15分や1枚という分量は、その生徒に合わせたものです。
集中が続く長さや課題の難しさによって、適した量は変わります。
課題を区切るときの条件は、次の3点です。
- 完了が見える:プリント1枚、大問1つなど、終わりが分かる単位にする
- 1回で終えられる分量:持ち越しが前提になる量にしない
- 終えたら終わり:終了後に課題を足さない
問題が難しいときは基礎に戻って負担を調整する
難しい問題の前で手が止まる日が続くなら、課題の難度と量を見直す段階です。
成績への焦りが強い生徒には、質問が急に増える、参考書を頻繁に変えたがる、難問に時間を使って基礎問題を落とす、といった様子が見られました。
私はこうした生徒に、得点状況を整理して優先課題を絞る対応をとってきました。
表情や答案は、状態を見立てる手がかりの一つで、診断の代わりにはなりません。
調整の前に、志望校の過去問で、基礎的な問題をどれだけ得点できているかを見る方法があります。
配点や出題は都道府県、学校、年度によって異なります。
学習計画の見直しは塾や学校の先生にも相談する
塾の宿題や学校の提出物を、保護者が相談なく止める進め方は避けたいところです。
課題量の調整は、塾や学校の先生と話したうえで決めたほうが、お子さんも安心しやすくなります。
対応の幅は塾や学校によって異なるため、まず相談の窓口を確かめます。
先生に伝える内容として、次のようなものがあります。
- 睡眠や生活の様子:寝る時間、朝の様子、疲れの出方
- 課題が終わらない状況:どの課題に、どれくらい時間がかかっているか
- 残したい課題:志望校に向けて続けたいもの
- 一時的に減らしたい課題:減らす期間の希望
- お子さん本人の意向:減らすことへの気持ち
決まった内容はお子さんにも伝え、本人も納得したうえで進めます。
今の勉強量や学習計画を見直したい場合は、トライのオンライン個別指導塾も選択肢の一つです。
無料の学習面談で、お子さんの状況に合った勉強の進め方を相談できます。
受験勉強を休ませる目安と休息の取り方

休ませるかどうかは、睡眠・疲れ方・生活への影響で切り分けられます。
お子さんの様子を、次の4つの目安に当てはめて整理します。
| 状態の目安 | 見られやすい様子 | 優先したい対応 |
|---|---|---|
| 課題が多く、終わらない | 予定した課題が多く、睡眠を削らないと終わらない | 今週やらない課題を決め、課題を引き算する |
| 焦りが強い | 質問が増える、参考書を頻繁に変えたがる、難問に時間を使って基礎問題を落とす | 得点状況を整理し、優先課題を絞る |
| 疲れが強い | 自習中にぼんやりする、ペンが止まる、反応が鈍い、計算ミスや読み飛ばしが増える | 課題を減らし、休息を優先する |
| 不調が続いている | 眠れない、涙が止まらない、朝に体調が悪い日が続く、食欲が落ちている | 学習より体調を優先し、学校や医療機関に相談する |
この表は、私が生徒を見てきた経験にもとづく判断の目安で、医学的な診断ではありません。
複数の状態が重なることもあります。
睡眠を削って勉強していないか確認する
睡眠は、日中の集中を支える土台です。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、中学生・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。
必要な睡眠時間には個人差があるため、日中の眠気や朝の目覚めの状態もあわせて見ながら、睡眠を削る学習計画になっていないかを見直します。
私が担当した生徒に、模試の成績への焦りから深夜まで勉強し、授業中の反応や集中力が落ちた生徒がいました。
生徒と保護者の方とで就寝時間と睡眠の確保を約束し、自習室での学習時間を減らして、休憩を含む学習方法に切り替えました。
その後、集中力や過去問の正答状況に改善が見られました。
同じ対応で全員が同じ結果になるとは限りません。
勉強しない日や時間をあらかじめ予定に入れる
休息を確保するには、勉強しない日や時間をあらかじめ学習計画に入れる方法があります。
私は、学習計画に週1日の休みと、勉強をしない夜の時間を組み込んでいました。
休みを予定として書いておくと、「休んでいいのか」という迷いを毎回抱えずに済みます。
休みの日に、遅れを取り戻すための課題を足してしまうと、休息になりにくくなります。
その日に何をして過ごすかは、お子さん本人が選べる形にしておくと、気持ちを切り替えやすくなります。
休みの頻度や、勉強をしない時間の長さは、疲れ方や入試までの日数によって変わります。
週1日という設定は、一人ひとりの様子に合わせて決めたものです。
計画に休みを入れたあとも、睡眠と疲れの様子を見て、必要に応じて見直します。
休んでも疲れが取れないときは、再開を急がない
休んだあとも疲れが残っているときは、勉強の再開を急がない判断があります。
睡眠ガイドでは、睡眠時間だけでなく、眠って休養がとれた感覚(睡眠休養感)も大切にされています。
数日休んでも、朝のだるさや意欲の落ち込みが変わらない場合は、勉強の進め方の問題を超えている可能性があります。
課題を戻すより先に、学校や医療機関への相談を考える段階です。
状態の見立ては医師などの専門家に任せ、この記事は相談に踏み出すきっかけとして使ってください。
受験ストレスが強いときは家庭だけで抱え込まない

眠れない、涙が止まらないといった様子が続くなら、勉強の調整だけでは足りない状態かもしれません。
ここでは、相談を優先する目安と、相談できる窓口を整理します。
眠れない・涙が出る・朝の体調不良が続くとき
次のような様子が続くときは、勉強の工夫より、体調と周囲への相談を優先します。
- 眠れない日が続く:布団に入っても眠れない、夜中に目が覚める
- 涙が止まらない・頻繁に泣く:理由がはっきりしないまま涙が出る
- 朝に体調が悪い日が続く:起きるのがつらい、体の不調を訴える
- 食欲が落ちている:以前より食べる量が減っている
面談中に涙が止まらない生徒や、不眠・朝の体調不良が見られる生徒については、私から保護者の方に状況をお伝えしました。
必要な情報を保護者の方から学校へ共有していただけるよう支援し、医療機関への相談も提案しています。
勉強の指示を減らし、結果だけでなく本人の取り組みを認める関わり方もお伝えしました。
塾・学校・スクールカウンセラーなどへの相談方法
相談先は、困りごとの内容によって選びます。
学習の調整は塾、学校での様子は担任、気持ちの面はスクールカウンセラー、体の不調は医療機関、という分け方が目安です。
- 塾:課題量や学習計画の調整
- 学校(担任):学校での様子、提出物の相談
- スクールカウンセラー(SC):学校に配置される、心の相談を担当する専門職。文部科学省の用語解説 でも、児童生徒へのカウンセリングや保護者への助言・援助を行う専門家と説明されています。
- 医療機関:眠れない、朝の体調不良などが続く場合
- 24時間子供SOSダイヤル:文部科学省が案内する相談窓口。全国共通番号0120-0-78310で、夜間や休日を含め24時間対応しています。
相談するときは、いつごろから様子が変わったか、睡眠・食欲・朝の様子、課題の量、お子さん本人の言葉をメモにまとめておくと伝えやすくなります。
家庭・塾・学校で同じ情報を共有しておくと、対応がそろいやすくなります。
お子さんが「消えたい」と話したり、自分を傷つけたりしている場合は、その言葉や行動を軽く扱わず、早急に医療機関などへ相談してください。
差し迫った危険がある場合は、一人にせず、安全を確保したうえで119番などの緊急サービスに連絡してください。
【Q&A】受験がつらい中学生の保護者によくある疑問

Q. 勉強量を減らすと高校受験に遅れませんか?
A. 遅れるかどうかは、何をどう減らすかで変わります。
入試の配点や出題は都道府県や学校ごとに異なるため、志望校の過去問で、基礎的な問題をどれだけ得点できているかを見る方法があります。
睡眠を削って課題を増やすより、基礎を残して休息を確保する選択肢もあります。
Q. 子どもが「大丈夫」と言う場合はどうすればよいですか?
A. 言葉だけで決めず、睡眠、朝の様子、答案のミスの出方など、普段の様子もあわせて見る方法があります。
自習中にぼんやりする、計算ミスや読み飛ばしが増えるといった変化は、疲れが強まっている手がかりになります。
「大丈夫」と答える背景に、心配をかけたくない気持ちや、遅れることへの怖さがある場合もあります。
気がかりな変化が続くときは、塾や学校にも相談してください。
Q. 減らした課題はいつ元に戻せばよいですか?
A. 決まった日数はなく、睡眠、朝の様子、ミスの減り方、お子さん本人の負担感を見ながら、少しずつ増やす方法があります。
いきなり元の量に戻さず、負担の小さい課題から段階的に進めます。課題を増やす途中で疲れや不調が目立つ場合は、いったん負担の少ない学習量に戻しましょう。
不調が続くときは、無理に再開せず、学校や医療機関などへの相談も検討してください。
Q. 親と子どもで勉強量の考えが違うときは?
A. 保護者が決めて伝える前に、お子さん本人の意向を聞くところから始めます。
そのうえで、塾や学校の先生にも加わってもらい、課題量や休みの取り方を一緒に整理する方法があります。
第三者が入ると、論点が整理しやすくなる場合があります。
保護者の側は、勉強の催促を減らし、結果だけでなく日々の取り組みを認める姿勢を示すと、家庭内の緊張が和らぐきっかけになります。
経過は家庭ごとに異なります。
まとめ|受験がつらい中学生には勉強量と休息の見直しを

受験がつらそうなお子さんには、勉強を足す前に、負担と休息を見直す選択肢があります。
状態に合わせて、課題を減らす、休ませる、相談する、のどれを先にするかを決めます。
記事の重要ポイント
- 減らすことは諦めではない:続けられる量に整える調整で、受験をやめる判断とは別
- 足すより先に、引く:今週やらない課題を決め、残す課題を絞る
- 時間より、終わりが分かる課題:完了が見える単位で区切る
- 睡眠を削らない:8〜10時間は参考の目安で、個人差と日中の様子もあわせて見る
- 休息は予定に入れる:休みを先に計画へ置く
- 家庭だけで抱えない:眠れない、涙が止まらない、朝の体調不良が続くときは、学校や医療機関にも相談する
迷ったときの判断基準と次の行動
迷ったときは、次の順で状態を切り分けます。
- 眠れない・涙が止まらない・朝の体調不良が続く:学習より体調を優先し、学校や医療機関に相談する
- 疲れが強く、反応が鈍い・ミスが増えている:課題を減らし、休息を先に確保する
- 課題が多く、焦りが強い:今週やらない課題を決め、優先課題を絞る
まずはお子さんの話を聞き、睡眠の状況を確認しましょう。
課題が多い場合は、今週減らせるものを整理し、塾や学校の先生と相談しながら学習計画を見直してください。
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執筆者プロフィール

※この記事は、個別指導塾で3年間の教室長経験があり、受験メンタルトレーナー資格を保有する篠原恵理が執筆しています。小学生・中学生の学習面や精神面のサポート、保護者対応に携わってきた経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
篠原恵理は、勉強への不安や意欲の低下、テスト前の焦り、受験期のストレスなど、生徒が抱える心理的な悩みへの対応を得意としています。保護者の声かけや接し方についても、親子が安心して受験に向き合えるよう、具体的で実践しやすい方法を紹介しています。
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