
※この記事には一部PRが含まれます。
中学生への勉強の声かけが、知らないうちにプレッシャーになっていませんか?
親の心配や期待も、伝え方によっては子どもの負担になることがあります。
大切なのは、子どもが何をつらいと感じているかを確かめ、関わり方を見直すことです。
この記事では、親のプレッシャーに気づくポイントや声かけの見直し方、親子で話し合えない場合の相談方法を解説します。
個別指導塾で教室長を3年間務めた篠原恵理が、実際の生徒・保護者への対応経験を交えて紹介します。
記事のポイント
- 親の言葉がプレッシャーになる理由
- 子どもの負担に気づくための確認ポイント
- 勉強の声かけを見直す方法
- 親子で話せないときの相談方法
中学生への親のプレッシャーは無意識の声かけや期待から生まれる

親のプレッシャーは、強く叱ったときだけでなく、心配や期待を込めた普段の一言からも生まれます。
親の意図と子どもの受け止め方が違うことがある点から、整理します。
子どものための言葉でもプレッシャーになる場合がある
「勉強は大丈夫?」「次のテストはどうするの?」。
こうした言葉の多くは、子どもの将来を思う気持ちから出ています。
親が込めた意図は「心配」や「応援」でも、子どもには「評価されている」「期待されている」と聞こえることがあります。
同じ言葉でも、毎日繰り返されるのか、疲れて帰った直後なのか、ため息や表情が添えられているのかで、受け止め方は変わります。
親の言い方が悪いとも、子どもが敏感すぎるとも言い切れません。
立場が違うため、同じ場面が違って見えているのです。
「子どものためと思っていたのに」と戸惑ったときは、自分の言葉が正しかったかを裁くより、子どもにどう届いていたかを確かめる方向へ視点を移してみてください。
勉強の声かけを見直す前に子どもの負担を確かめる
声かけを減らしたり変えたりする前に、子どもが何を負担に感じているのかを確かめます。
先に言葉だけを変えても、負担の中心が別のところにあれば、的外れになるおそれがあるからです。
教室長として生徒と向き合っていたとき、私は勉強の必要性を説明する前に、本人が何を負担に感じているかを聞き取ることから始めていました。
勉強の話をする前に、まず本人の側の状況を知る。この順番が、その後の関わり方を決める土台になると考えています。
負担の原因が、親の言動だけとは限りません。
学校生活の疲れや友人関係が重なっている場合もあります。
確かめ方は、このあとの章で具体的に説明します。
親のプレッシャーが負担になっているか確かめる判断基準

負担の有無は、子どもの反応から確かめます。
ここで挙げるのは診断ではなく、子どもの話を聞くきっかけを見つけるための、観察の視点です。
成績や勉強の話になると子どもが黙る・避ける場合
勉強の話題になると、返事が短くなる、話題を変える、部屋に戻る。
こうした様子は、確かめるきっかけにはなりますが、プレッシャーの証拠とは言えません。
思春期には、勉強以外の話でも親と話さなくなる時期があるからです。
見分けの目安は、次の2点です。
- 勉強以外の話題:普段の雑談は普通にできているか
- 反応が出る場面:成績や勉強の話に限って黙る、避けるといった変化が出ているか
勉強の話に限って反応が変わるなら、その話題に何らかの負担がある可能性があります。
問い詰めずに「最近、勉強のことで話しにくいことある?」のように、責めない形で一度だけ聞いてみてください。
答えが返ってこなくても、聞いたという事実が、次に話せるきっかけになります。
テスト結果を見せることや帰宅を怖がっている場合
教室長のとき、定期テストが返ってきた後や三者面談の前に、親の顔色を気にしたり、点数が悪いと帰宅を怖がったりする中学生から相談を受けたことがあります。
こうした不安は、親の目には見えにくいものです。
家庭で見られる様子の例として、結果をなかなか見せない、返却日の様子が普段と違う、親の反応を気にしている、といったものがあります。これらは一般的な観察の例です。
大切なのは、結果への反応よりも先に、本人の不安を受け止めることです。
強く問い詰めると、見せることそのものが怖くなってしまいます。
「見せたくないくらい不安なんだな」と受け止めたうえで、結果の話は少し置いておく。
自分の反応が強くなりそうだと感じたら、一度間を置くのも一つの方法です。
勉強していないように見えても本人を責めない
「勉強している様子が見えない」ことと「勉強していない」ことは、同じではありません。
見えないところで取り組んでいることもあれば、逆に机に向かっていても手が動いていないこともあります。
私が教室長として出会った生徒の中には、テキストを開いたままペンが動かない生徒がいました。
やる気がないように見えても、動けない理由が別にあることがあります。
そのため、「やる気がない」と決めつける前に、次の二つを分けて考えてください。
- 見えている様子:机に向かう時間、提出物、声をかけたときの反応
- 本人が感じている負担:何が難しいのか、何がしんどいのか
責める言葉の代わりに、「困っていることはある?」と一度聞いてみる。
受験が近づくほど焦りが強くなりますが、焦りで確認を重ねると、負担を増やすことがあります。
中学生が親の言動をプレッシャーに感じる代表的な場面

プレッシャーとして受け止められやすいのは、確認の回数、成績への関心、比較、そして心配が強い言葉に変わる場面です。
ここでは代表例にとどめます。
勉強したか何度も確認されると監視に感じる場合がある
「宿題は終わった?」「勉強したの?」。
一度なら心配の確認でも、何度も重なると、見張られている感覚につながることがあります。
起こりうる流れとして、確認が増える、子どもの返事が短くなる、親はさらに心配になって確認が増える、という悪循環があります。
すべての家庭でこうなるとは限りませんが、心当たりがあるなら見直す価値があります。
見直しの手がかりは、確認の目的です。「状況を知りたい」のか、「やらせたい」のか。
後者の気持ちが強いときほど、子どもには指示として届きやすくなります。
確認する回数を決めて伝えるなど、見通しを共有するだけでも、見張られている感覚は変わることがあります。
テストの点数や順位ばかり聞かれると負担になる
結果を聞くこと自体は、自然なことです。
点数や順位ばかり聞かれると、子どもは「結果で評価されている」と感じやすくなります。
国立成育医療研究センターが2020年11〜12月に実施した「コロナ×こどもアンケート」第4回調査では、回答した子ども全体の50%が「勉強のこと」に悩んだ、または悩んでいると答えました。
これは親からのプレッシャーを感じる割合ではなく、コロナ禍の当時の調査結果です。
親の質問が原因だと示すものではありませんが、勉強が多くの子どもにとって大きな関心事であることは、うかがえます。
結果を聞く前に、「テスト、どうだった?」と本人の感想から始めてみてください。
点数より先に、本人が手応えをどう感じたかを聞くと、結果の話にも入りやすくなります。
兄弟や友達と比較されると期待が重荷になる
「お兄ちゃんはこの時期にもっとやっていた」「○○さんは点が上がったらしいよ」。
励ますつもりの言葉でも、比べられた側は、今の自分の頑張りが見えていないと感じることがあります。
比較は、結果だけを並べて、そこに至る過程を見えなくします。
本人なりに工夫したことや、前回より進んだ点も、一緒に消えてしまいがちです。
比べるなら、他の人ではなく、前回の本人との比較にします。
ここで書いたのは一般的な整理で、特定の生徒の事例ではありません。
比べる言葉をやめるだけでなく、本人が取り組んだことを見る習慣が、負担を軽くしていきます。
親の心配が強い言葉に変わることもある
保護者面談で、「心配のあまり、つい強く言ってしまう」という相談を受けたことがあります。
そのとき私は、次の3点を助言しました。
- 学習管理を減らす:家庭での確認や管理を少し手放す
- 結果より実際の行動を認める:点数よりも、取り組んだことに目を向ける
- 命令から確認へ:「やりなさい」ではなく、本人の予定や考えを聞く声かけに変える
心配することが悪いのではありません。心配の伝え方を見直すことで、子どもへの届き方が変わる可能性があります。
助言の効果は家庭によって異なります。
具体的な言葉の言い換えは、受験生に言ってはいけない言葉と理由|親のNGワードを問いかけに変換で扱っています。
親の期待がプレッシャーになると勉強や親子関係にどう影響する?

影響の出方は一通りではありません。
期待に応えたい気持ちが強いほど、怖さも大きくなることがあります。
断定は避け、現場で見てきたことを中心に説明します。
親を喜ばせたいのに期待に応えられないことが怖い
教室長のとき、勉強をサボりたいのではなく、親の期待に応えられないことを怖がっている生徒がいました。
親の顔色を気にしたり、点数が悪いと帰宅を怖がったりしていた生徒です。
私は、「親を喜ばせたい」と「期待に応えられないのが怖い」は、同時に存在すると考えています。
やる気がないから動けないのではなく、親を大切に思うからこそ、失望させることが怖い。
そう見ると、反発や沈黙に見える行動の意味が変わってきます。
親から見ると、子どもが勉強から目をそらしているように映るかもしれません。
その裏側に、期待に応えたい気持ちがあるかもしれない。この視点を持つだけでも、声のかけ方は変わります。
勉強の必要性を理解していても手が止まることがある
勉強の必要性は分かっているのに、手が動かない。
教室長として、テキストを開いたままペンが動かない生徒や、何をしても怒られると投げやりになる生徒から相談を受けました。
私が行ったのは、まず本人の負担を聞き取ること、そのうえで小さな学習目標を本人自身が決める支援です。
「やる気がない」と決めつけないことが、出発点でした。
なぜ手が止まるのかについては、私の見方として、叱られないための行動が先に立つと、自分から取り組む気持ちが動きにくくなるのではないかと考えています。
これは個々の生徒を見てきた中での解釈で、すべての子どもに当てはまるとは限りません。
保護者の立場でできるのは、手が止まっている様子を見たとき、理由を決めつけずに、本人に困りごとを聞いてみることです。
親への反発や沈黙だけでは本当の気持ちは分からない
反発や沈黙は、子どもの気持ちの表面にすぎません。
同じ「黙る」でも、疲れている、部活や友人関係で悩んでいる、親に話しても分かってもらえないと感じている、など理由はさまざまです。
前の章で挙げた観察は、確かめるきっかけを見つけるためのものでした。
ここで強調したいのは、内側の気持ちは、聞いてみなければ分からないという点です。行動だけを見て「反抗している」「やる気がない」と判断すると、実際の負担を見落とすことがあります。
聞いても話してくれない場合もあります。
そのときの対応は、後の章で説明します。
勉強のプレッシャーを減らすために親が見直すこと

見直しの順番は、聞く、行動を見る、確認の量を考える、必要なら支援を選ぶ、の4つです。
一律の正解ではなく、子どもの反応に合わせて進めます。
勉強の指示を増やす前に何が負担なのかを聞く
勉強が進まないとき、指示を増やしたくなるのは自然なことです。
負担の中身が分からないまま指示を増やすと、負担を上乗せすることになりかねません。
私が教室長として生徒と向き合うときも、本人の負担の聞き取りから始めていました。
聞くときの要点は、次の3つです。
- タイミング:勉強の話題から離れた、落ち着いた時間を選ぶ
- 聞き方:「何がしんどい?」のように、責めずに本人の言葉を待つ
- 受け止め方:話した内容を評価したり、すぐ解決しようとしたりしない
話してくれたら、まず「そう感じていたんだね」と受け止めます。
話さなければ、無理に聞き出さない。その場合の進め方は、次の章で扱います。
テストの点数だけでなく本人が取り組んだ行動を見る
保護者面談で私が助言した視点の一つが、結果より実際の行動を認めることです。
点数は、本人の努力のすべてを表すわけではありません。
例えば、ワークを開いた、提出物を出した、苦手な教科に向き合った。こうした取り組みを、結果とは別に見ていきます。
行動を認められた子どもは、「結果が悪くても自分は見てもらえている」と感じやすくなると、私は考えています。
大げさにほめれば解決する、という話ではありません。
本人が自分でも分かっている事実を、淡々と認める程度で十分です。
行動を見ることは、期待を下げることとも違います。
勉強の確認を減らすかどうかは子どもの反応で考える
勉強の確認を減らすべきか、続けるべきか。一律の答えはありません。子どもの反応を手がかりにします。
確認すると避ける、返事が短くなる、表情が硬くなるといった反応が続くなら、確認の量や形を見直す余地があります。
逆に、本人が困っていて助けを求めているなら、関わりを増やす場面もあります。
私が心配から強く言ってしまう保護者に学習管理を減らすことを助言したのは、その家庭の状況を踏まえたものでした。すべての家庭に当てはまる助言ではありません。
子どもの負担に応じて声かけ・対話・第三者相談を選ぶ
選択肢は、声かけの見直し、本人との対話、第三者への相談の3つです。
次の表は、子どもの負担に応じて選ぶときの目安で、診断ではなく私の判断です。
| 選択肢 | 向いている状況 | 注意が必要な状況 | 対応するときのポイント |
|---|---|---|---|
| 声かけを見直す | 勉強の話になると返事が短くなるなど、負担を感じている可能性があり、普段の会話はできている | 不眠や強い不安などが続いており、声かけの変更だけでは十分でない場合 | 確認や指示を減らし、本人が何を負担に感じているかを確かめる |
| 本人と話す | 子どもが落ち着いていて、話すことを受け入れられる | 話すたびに口論になる、本人が話すことを強く嫌がっている | 責めずに気持ちを聞く。話したがらないときは無理強いしない |
| 第三者に相談する | 親子だけでは話が進まない、本人が親には気持ちを伝えにくい、不調が続いている | 本人に知らせず相談内容を広く共有しようとしている場合。ただし、安全確保に必要な相談は別に判断する | 学校・塾・医療機関など適切な相談先を選び、情報共有の範囲を確認する |
表の選択肢は、順番に試すものではありません。
親が勉強を教えたり管理したりすることが、子どもの負担になる場合もあります。
家庭での学習サポートに悩んでいるなら、東大生講師によるオンライン個別指導「トウコベ」も選択肢の一つです。
学習計画や家庭学習のサポートについて、無料の勉強相談で確認できます。
子どもが親に本音を話さないときの対応と第三者への相談

話さないことが、親子の問題だとは限りません。
気持ちを聞き出そうとするより、子どもが話せる条件と相手を整えるほうが、近道になることがあります。
話したがらない子どもから無理に気持ちを聞き出さない
話したがらない子どもに、「何を考えているの」と迫っても、かえって口を閉ざすことがあります。
聞き出そうとするほど、防衛的になるのは自然な反応です。
代わりに、話せる条件を整えます。責めない、結論を急がない、話さない自由も認める。
例えば、「話したくなったら、いつでも聞くよ」と一度伝えて、あとは待つ。問い詰める場を作らないことが、結果として話しやすさにつながることがあります。
話してくれないときは、親が子どもの気持ちを知る手段を、親だけに限らなくて構いません。
学校や塾など、信頼できる第三者に力を借りる方法があります。
学校や塾の先生に相談するときは本人の意向を確かめる
先生に相談するなら、先に本人の意向を確かめてください。
本人の知らないところで話が進むと、子どもが「裏切られた」と感じ、信頼を損なうおそれがあります。
相談の前に、次の3点を整理します。
- 相談の目的:何を知りたいのか、何を手助けしてほしいのか
- 本人の意向:先生に話すことを、本人がどう感じているか
- 共有する範囲:何を先生に伝え、何を伝えないか
スクールカウンセラーには、相談内容や個人情報を慎重に扱うことが求められます。
子どもの支援や安全のために、必要な情報が学校内で共有される場合があります。
相談する前に「誰に、どのような場合に情報が伝わるのか」を聞いておくと安心です。
実際の運用は学校の体制や相談内容によって異なります。
本人の了承を得て教室長が保護者との橋渡しをした事例
教室長として、親に直接気持ちを伝えられない生徒について、保護者に生徒の気持ちを伝えたことがあります。
伝える前に、本人と情報共有の範囲を確認しました。
本人が伝えてよいと決めた範囲だけを、保護者に届けるという進め方です。
この橋渡しは、親を説得するための手段ではありません。
本人が直接言えない気持ちを、大人が整理して届けるための選択肢だと、私は捉えています。
これは私が教室長として行った経験で、学校のスクールカウンセラーの制度上の運用とは別のものです。
保護者の立場で、第三者から子どもの気持ちを聞く場面が来たときは、驚いても、その場で子どもを問い詰めないでください。
受け止めて、一度間を置くほうが、子どもの安心につながると、私は考えています。
安全に関わる状況では、別の支援につなぐ判断が優先されます。
不眠や強い不安が続く場合は学習より相談を優先する
眠れない、頭痛や腹痛が続く、食欲が落ちているなど、心や体のつらさが続くときは、勉強よりも相談を優先します。
勉強の話は、いったん置いて構いません。
こうした症状は、親のプレッシャーだけが原因とは限りません。
起立性調節障害など、別の理由が重なることもあります。
診断は、この記事の役割ではありません。
保健室の先生や、小児科などの医療機関に、早めに相談してください。
次の表は、中学生や保護者が利用できる相談窓口です。
| 相談窓口 | 電話番号 | 受付時間 | 通話料 | 特徴・相談内容 |
|---|---|---|---|---|
| 24時間子供SOSダイヤル 文部科学省 | 0120-0-78310 | 24時間・年中無休 | 無料 | いじめや学校・家庭などの悩みを、子どもや保護者が相談できる。原則として発信地の教育委員会の相談機関につながる。 |
| こどもの人権110番 法務省 | 0120-007-110 | 平日 8:30〜17:15 | 無料 | いじめや家庭内での困りごとなど、人権に関する相談を受け付ける。法務局の職員や人権擁護委員が対応する。 |
| チャイルドライン 18歳までの子ども向け | 0120-99-7777 |
電話 毎日 16:00〜21:00 チャット 月〜土 16:00〜21:00 第4日曜 16:00〜18:30 年末年始は休止 |
無料 | 18歳までの子どもが匿名で気持ちを話せる窓口。電話とオンラインチャットに対応。 チャット相談はこちら |
表の相談窓口名から、各機関の公式案内ページを確認できます。受付時間などは変更される場合があるため、利用前に最新情報を確認してください。
番号や受付時間は変わることがあるため、かける前に、各サイト内の相談窓口のページで最新の情報を確認してください。
相談内容がどう扱われるかは窓口ごとに異なるため、話し始める前に聞いておきましょう。
今まさに身の危険があるときは、窓口より先に110番や119番に連絡してください。
受験期のメンタルについては、受験でメンタルが限界なとき|家庭対応で足りるかを見極める判断基準で詳しく扱っています。
親の声かけを見直した後は成績以外の変化も確かめる

見直しの結果が、点数にすぐ表れるとは限りません。
成績以外の変化にも目を向けることで、取り組みの手応えを確かめられます。私が現場で確認した範囲で説明します。
生徒が自分から学習目標を話すようになった現場事例
声かけや学習管理を見直した後、生徒が自分の学習目標を話すようになったことを、私が確認した経験があります。
私が直接見たことです。
こうした変化が、見直しだけによるものかは分かりません。
生徒自身の成長や、学校での出来事など、ほかの要因も重なっていた可能性があります。
点数が動く前に、本人の話し方や取り組み方が変わることがある。その一例として受け止めてください。
家庭内の会話が増えたという保護者からの報告
保護者から、家庭内の会話が増えたという報告を受けたことがあります。
私が直接見たことではなく、保護者から聞いた内容です。直接の観察と報告は、区別して受け止める必要があります。
会話が増えたことが、声かけの見直しの成果かどうかも、断定はできません。
成績以外に目を向けるきっかけになります。
保護者の側でも、会話の量、表情、食卓の様子など、点数以外の変化を見てみてください。
変化を探すこと自体が、子どもを評価する視線にならないよう、気づいたことを心の中にとどめるくらいで十分です。
変化が見られなくても対応の効果を急いで判断しない
見直してもすぐには変化が見えないことがあります。変化がないことは、失敗を意味しません。
負担の原因が別のところにあるのかもしれませんし、子どもの中で整理が進んでいる途中なのかもしれません。
結果を急ぐと、「まだ変わらない」という焦りから、また確認や指示が増えてしまいます。
見直したことが元に戻ってしまいます。
変化が見えないときは、負担の原因を、もう一度子どもに聞いてみる、あるいは第三者の力を借りることを考えます。
保護者自身が一人で抱え込む必要もありません。
見直しの効果は、期間を決めて判断するものではなく、子どもの様子を見ながら続けていくものです。
【Q&A】中学生への親のプレッシャーに関するよくある質問

本文では扱いきれなかった例外や、本人側の不安を、4つの質問で補います。
後半の2問は、本人が読んでいる場合にも使えるよう、子ども向けの言葉で答えています。
Q. 中学生が親からの勉強のプレッシャーを感じるのは普通ですか?
A. 珍しいことではないと考えられますが、感じ方には個人差があります。
普通かどうかより、本人がつらいと感じているかどうかが大切です。
勉強に悩む子どもが多いことを示す調査はあります(第3章で紹介しています)。
親のプレッシャーを感じる割合を示すものではありません。
頻度で正常か異常かを決めず、本人の様子を見て、必要なら本文の確かめ方を使ってください。
Q. 勉強しない中学生には何も言わずに見守るべきですか?
A. 一律に「何も言わない」が正解とは言えません。
見守るか、声をかけるかは、子どもの負担や困りごとで変わります。
判断の目安として、避ける、黙る、不調が出るなど負担が強いときは、確認を減らして本人の話を聞くことを優先します。
本人が困っていて手助けを求めているときは、関わりを増やす場面もあります。
Q. 親からのプレッシャーで精神的につらいときはどうすればよいですか?
A. 一人で抱え込まなくて大丈夫です。
親には話しにくくても、話さなければいけないということはありません。
学校の先生やスクールカウンセラーなど、信頼できる大人に「家での勉強のことで、つらくて相談したい」と伝えてみてください。
夜間や休日に相談したいときは、24時間対応の子供SOSダイヤル(0120-0-78310)を利用できます。
チャイルドライン(0120-99-7777)は、毎日16:00〜21:00に電話で相談できます(年末年始を除く)。
眠れない日が続くなど体の不調があるときは、保健室の先生や医療機関に相談してください。
相談の内容がどう扱われるかは、話し始める前に聞いておきましょう。
Q. 親と同じ空間にいたくないほどストレスがある場合は?
A. その気持ちは、おかしいと決めつけなくて大丈夫です。
思春期には、親と距離を取りたくなることがあり、自立に向かう過程の一部として説明されることもあります。
自分の部屋や、安心できる場所で、気持ちを休める時間を持ってください。親と話すことを無理に求められているわけではありません。
家にいること自体が怖い、安心できない状態が続いているときは別です。
先生や、本文で紹介した相談窓口に、一人で抱えず相談してください。
身の危険があるときは、110番や119番に連絡してください。
まとめ:中学生に親がかけるプレッシャーとは?無意識の言動と接し方を解説

親の期待や声かけは、意図と違う形で子どもに届くことがあります。
重要ポイントと、迷ったときの判断の順番を整理します。
関係や成績が変わることは約束できませんが、見直しの手がかりにはなります。
親の期待が中学生のプレッシャーになる場合の重要ポイント
押さえておきたいのは、次の5点です。
| 重要ポイント | 親が知っておきたいこと |
|---|---|
| 親の言葉の届き方 | 心配や期待からかけた言葉でも、子どもにはプレッシャーとして伝わる場合がある。 |
| 子どもの負担の確認 | 沈黙や反発だけで原因を決めつけず、本人が何を負担に感じているかを確かめる。 |
| 見直したい親の言動 | 勉強の確認を繰り返す、点数や順位ばかり聞く、兄弟や友達と比較する、強い言葉で指示する。 |
| 期待に応えたい気持ちと不安 | 親を喜ばせたい気持ちと、期待に応えられないことへの怖さが、同時に存在する場合がある。 |
| 親子で話せないときの対応 | 無理に聞き出さず、学校や塾などの第三者への相談を考える。情報共有では本人の意向を尊重し、安全確保が必要な場合は適切な支援を優先する。 |
この5点は、次の行動を考える材料として使ってください。
迷ったときの判断基準と次に親が取るべき行動
迷ったときは、子どもの負担の強さを基準に、次の順で考えてください。
- 眠れない、頭痛や腹痛が続くなどの不調はないか。あるなら、勉強より先に、保健室や医療機関、相談窓口に相談する
- 子どもは、勉強の話題で避けたり黙ったりしていないか。そうなら、確認の回数や形を見直す
- 落ち着いて話せる時間があるか。あるなら、責めずに「何がしんどい?」と一度だけ聞く
- 話してくれない、話すと口論になるか。そうなら、無理に聞き出さず、本人の意向を尊重しながら、学校や塾の先生などに相談する
読み終えたあとの最初の一歩は、小さくて構いません。
- 最近の自分の声かけを、一つだけ思い出してみる
- 勉強の話題ではない時間に、子どもの様子を一度見てみる
- 24時間子供SOSダイヤルなどの番号を、家族のスマホにも保存しておく
この記事では、親子関係や成績が変わることは約束できません。
お伝えできるのは、子どもの負担を確かめる視点と、一人で抱え込まなくてよい選択肢があることです。

\トウコベの資料をダウンロード/
↓↓↓
執筆者プロフィール

※この記事は、個別指導塾で3年間の教室長経験があり、受験メンタルトレーナー資格を保有する篠原恵理が執筆しています。小学生・中学生の学習面や精神面のサポート、保護者対応に携わってきた経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
篠原恵理は、勉強への不安や意欲の低下、テスト前の焦り、受験期のストレスなど、生徒が抱える心理的な悩みへの対応を得意としています。保護者の声かけや接し方についても、親子が安心して受験に向き合えるよう、具体的で実践しやすい方法を紹介しています。
塾オンラインドットコム:公式サイト、公式Instagram
姉妹サイト
高校受験のその先、大学受験を見据えた学習環境をお探しの方には、姉妹サイトの「予備校オンラインドットコム」が役立ちます。
高校生向けの勉強法や志望校選びのポイントなど、役立つ情報を幅広く発信しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
▶大学受験対策なら!予備校オンラインドットコム