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高校受験期に親がしんどくなるのは、性格や関わり方の失敗というより、いくつもの負担が短い期間に重なるためだと考えています。
成績や内申のように親が動かせない結果、子どもとの衝突、出願や費用の手続き、相談相手の少なさが、同じ時期に押し寄せるからです。
この記事では、負担の中心を整理し、家庭・学校や塾・健康面に振り分け、相談の目安を持つ流れをお伝えします。
私は個別指導塾で教室長を3年間務め、受験期の保護者の方から、ご自身のしんどさについて相談を受けてきました。
記事のポイント
- 高校受験で親がしんどくなる4つの原因
- 親のストレスを減らす具体的な方法
- 家庭・学校・塾への相談先の選び方
- 眠れないほどつらいときの相談の目安
高校受験で親がしんどいときは、まず負担を整理する

しんどさの正体が分かると、減らせるものと減らせないものを分けて考えられます。
ここでは先に結論を示し、この記事で使う3つの基準と、今日の最初の一歩をお伝えします。
受験生の親がしんどいと感じるのは負担が重なるため
結論から言うと、親のしんどさは「関わり方が悪いから」ではなく、負担が重なって起きることが多いと考えています。
志望校の合否や子どもの将来のように、親が直接コントロールできないことに向き合う時期です。
不安や緊張が強くなるのは、自然な反応といえます。
塾選ジャーナルの調査(保護者100名)でも、高校受験期にストレスを感じた保護者は81%でした。
調査の詳細は、このあとの「塾選ジャーナル調査で見る保護者のストレスの時期と原因」で紹介します。
気をつけたいのは、「受験が終われば楽になる」と考えて、つらさを先送りにすることです。
眠れない、食べられないといった状態が続くときは、受験とは別に、休息や相談が必要になる場合があります。
目安は、「睡眠・食欲・気分の変化が続くときの相談の目安」の項でお伝えします。
3つの判断基準と今日の最初の一歩
この記事では、次の3つの基準で考えていきます。
| 判断基準 | 確認すること | 次に取る行動 |
|---|---|---|
| ① 整理する | 成績や内申への不安、子どもとの衝突、出願・費用などの手続き、相談相手がいないことのうち、何が最も負担になっているか。 | 当てはまる負担を書き出し、今いちばん重いものを1つ選ぶ。 |
| ② 振り分ける | 家庭で対応できることか、学校や塾に相談することか、健康面について専門家に相談することか。 | 出願準備は家族で分担し、成績や進路は学校・塾へ相談する。心身の不調は医療機関などに相談する。 |
| ③ 相談の目安を持つ | 眠れない、食欲がない、気分が落ち込むなどの変化が続いていないか。日常生活に支障が出ていないか。 | 一人で抱えず、公的相談窓口や医療機関に相談する。不調が強い場合は、日数にかかわらず早めに相談する。 |
※3つを一度に実行する必要はありません。まずは最も重い負担を1つ選ぶことから始めましょう。心身の不調が強い場合は、負担の整理よりも相談を優先してください。
今日の最初の一歩は、「自分の負担の中心を見つける4項目チェックリスト」で、いちばん当てはまる負担を1つ選ぶことです。
この記事は、成績・子どもの態度・出願準備が重なり、自分のしんどさが普通なのか、どこまで耐えてよいのか迷っている保護者の方に向けて書いています。
強い不眠や気分の落ち込みで日常生活に支障が出ている場合は、先に「親が眠れない・食べられないほどつらいときの相談の目安と相談先」の章をご覧ください。
高校受験で親がしんどい原因|4つの負担で状況を確認

しんどさは、ひとつの原因だけで生じるとは限りません。
負担を4つに分けて、自分の場合はどこが重いのかを見ていきます。負担の種類によって、次に取る行動も変わります。
成績・模試・内申に気持ちが振り回される負担
一つ目は、自分では動かせない評価に気持ちが左右される負担です。
内申点(調査書)は中学校が付ける評価で、模試の判定は外部の試験の結果です。
どちらも、親が直接書き換えることはできません。
それでも結果が届くたびに、「もっと何かできたのでは」と責任を感じやすいものです。
自分では手を出せない数字を前に、進路の判断だけは求められる。
この立場の苦しさが、一つ目の負担です。
動かせない指標(判定や内申の数字)と、動かせる実務(出願準備や生活の土台)を分けて考えると、気持ちの整理と行動の整理を別々に進めやすくなります。
子どもの態度や衝突で家庭の空気が重くなる負担
二つ目は、子どもとのすれ違いが続いて、家庭の空気が重くなる負担です。
Yahoo!知恵袋の「高校受験」カテゴリには、受験勉強を長時間している受験生本人が、休憩中に親から勉強の話をされるのをストレスに感じている、という投稿があります。
中三の受験生です。親の勉強しろっていう言葉がつらいです。
Yahoo!知恵袋
1件の声なので、すべての受験生に当てはまるとは言えません。
親には休んでいるように見える時間が、子どもには必要な休憩かもしれません。
塾選ジャーナルの調査(回答者は保護者)では、約6割(58%)の家庭が、受験期に親子げんかを経験していました。
同じ調査で、子どものストレスの原因として最も多く挙がったのは「合否への不安」(73.1%)です。
親の悪気のない確認が、子どもの不安に触れてしまう場面もあると考えられます。
出願・費用・送迎が母親など一人に集中する負担
三つ目は、出願の手続きや費用の管理が、母親など特定の一人に偏る負担です。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では、公立中学校の学習費総額(学校教育費・給食費・学校外活動費の合計)は、1人あたり年間54万2,450円でした。
学校外活動費だけを学年別に見ると、公立では中学3年生の約44万6千円が最も多くなっています。金額はご家庭によって異なります。
出願の時期には、次のような作業が重なります。
| 負担の種類 | 主な内容 | 確認・対応すること |
|---|---|---|
| ① 費用の管理 | 塾や模試の費用、受験料、入学時に必要となる費用など、受験に関わる支出の見通しを立てる。 | 受験校ごとの費用を一覧にし、支払う時期と必要な金額を整理する。 |
| ② 出願の手続き | Web出願の登録、必要書類の準備、複数校の出願期間や提出期限の確認などを行う。 | 各校の募集要項で出願方法・必要書類・締切を確認し、学校別の予定表にまとめる。 |
| ③ 支払いの期日 | 入学検定料の納付や、合格後の入学手続きに必要な納付金など、期限のある支払いに対応する。 | 金額・納付方法・期限を各校の募集要項や入学手続き案内で確認し、支払い漏れを防ぐ。 |
※出願方法、必要書類、納付金、手続きの期限は、自治体・学校・入試方式によって異なります。必ず志望校の最新の募集要項や公式案内を確認してください。
「母親ばかりが苦しい」と感じる背景には、気持ちの問題だけでなく、こうした実務の偏りがある場合があります。
相談相手がおらず一人で抱え込んでしまう負担
四つ目は、悩みを話せる相手がいないまま、一人で抱え込む負担です。
誰に話せばよいのか思い浮かばない状態が続きます。子どもの前では弱音を見せにくく、パートナーとも温度差があれば話しにくくなります。
成績や志望校の話題は気軽に出しにくいものです。
話す場所がないまま、気持ちを自分の中で回し続けるほど、負担は大きく感じられやすくなります。
私は、保護者の方の不安を「考えすぎ」と片づけず、何が負担になっているのかを一緒に整理することが出発点になると考えています。
次のチェックリストは、その整理に使えるものです。
自分の負担の中心を見つける4項目チェックリスト
ここまでの内容を振り返り、当てはまる項目に印をつけてみてください。
| 確認 | 負担の種類 | 当てはまる状態 |
|---|---|---|
| 成績・模試・内申 | 結果が届くたびに気持ちが沈む。数字が頭から離れない。 | |
| 子どもの態度・衝突 | 話しかけるたびに言い合いになる。顔を合わせるのが苦しい。 | |
| 出願・費用・送迎 | 期日や金額の管理が自分に集中している。抜けがないか不安。 | |
| 孤立・抱え込み | 本音を話せる相手がいない。家族とも共有できていない。 |
複数に当てはまるのは自然なことです。そのうえで、いま最も手放したい負担を1つ決めてください。
成績なら学校や塾への相談、手続きなら役割分担など、負担の種類によって次の行動が変わります。
高校受験のストレスを減らす方法|疲れた親が今日からできること

負担の中心が決まったら、家庭の中でできることから整えます。
すべての不安をなくそうとせず、今日できることを小さく決めるほうが続きます。ここでは、家庭内で実行できる範囲に絞ってお伝えします。
負担の中心を1つ選んで整える3つの手順
手順は3つです。生活全体を変えず、1つの負担だけに絞ります。
| 手順 | 具体的な行動 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| ① 負担の中心を1つ選ぶ | 前章のチェックリストを使い、成績への不安、親子の衝突、出願準備、孤立のうち、今最も重く感じる負担を1つ選ぶ。 | すべてを一度に解決しようとしていないか。 |
| ② 今日できる行動を1つ決める | 出願の期日を紙1枚に書き出す、模試の結果を確認する日を週末に決めるなど、10分程度でできる小さな行動を選ぶ。 | 新しい負担を増やさず、無理なく取り組めるか。 |
| ③ 1〜2週間後に見直す | 選んだ行動によって家庭内の負担が軽くなったかを振り返り、変化がなければ別の方法に替える。 | 気持ちや作業の負担が減ったか。かえって負担が増えていないか。 |
大切なのは、行動を増やすことではなく、扱う範囲を狭めることです。
手順を実行してやることが増え、かえって苦しくなったなら、使い方が逆になっています。
その場合は、行動を減らす方向で見直します。
この手順は、家庭内の負担を整理するための提案です。
心身の不調について、様子を見る期間を定めるものではありません。
眠れない、食べられないなどの不調が強いときは、見直しを待たずに相談してください。
母親など一人に負担が偏るときの役割分担
実務が一人に偏っているときは、気持ちの共有を求める前に、作業を具体的に分けるほうが進みます。
「協力してほしい」と伝えるだけでは、何を頼まれているのかが相手に伝わりにくいためです。
分担の例は次のとおりです。
| 分類 | 作業 | 具体的な内容 | 負担を減らす工夫 |
|---|---|---|---|
| 家族で分担 | 出願書類の準備と提出 | 必要書類の準備状況を確認し、郵送やオンライン提出など、指定された方法で手続きを進める。 | 書類の確認役と提出担当を決める。 |
| 家族で分担 | 入試当日の移動・送迎 | 試験会場までの経路や所要時間を確認し、必要に応じて送迎や付き添いを手配する。 | 経路確認と当日の対応を分担する。 |
| 家族で分担 | 費用の支払い | 入学検定料や入学手続き時の納付金について、金額・支払い方法・期限を確認する。 | 支払い担当と期限の確認役を決める。 |
| 見直して手放す | 過度な成績確認・勉強の監視 | 模試の結果を繰り返し細かく見返すことや、子どもの勉強時間を常に確認すること。 | 結果を確認する機会や、学習状況を話し合う時間を決める。 |
最後の「手放す作業」も、割り振りと同じくらい意味があります。
「自分はやらない」と決める作業があると、抱え込みが減ります。
相手が協力しにくい場合の考え方は、Q&Aでも触れています。
受験の話をしない時間をつくる休み方の具体例
休むことも、負担を減らす手順のひとつです。
塾選ジャーナルの記事では、親の息抜き法として、体を動かす、好きなものを楽しむ、一人の時間をつくる、といった例が紹介されています。
具体例としては、次のようなものがあります。
- 家から離れる:10〜15分の散歩や、入浴の時間を一人で確保する
- 好きなものを味わう:好物のスイーツやコーヒーを、ゆっくり楽しむ
- 会話のルールを決める:夕食の最後の20分は、受験の話をしない
時間の長さは目安で、ご家庭に合わせて変えて構いません。
受験から意識的に離れる時間は、サボりではなく、続けるための休憩です。
疲れている日は、何もせずに休む選択もあります。
受験に必要な連絡や手続きを放置するという意味ではありません。
声かけは「必要な確認」と「不安の繰り返し」に分ける
子どもへの声かけは、「必要な確認」と「不安の繰り返し」に分けると、迷いが減ります。
必要な確認は、言わないと手続きに支障が出るものです。提出期限、出願書類の押印、入試当日の集合時間などが当たります。
不安の繰り返しは、親の気持ちを落ち着けるために、つい口にしてしまう確認です。
「勉強は?」「大丈夫なの?」を一日に何度も聞く場面が、その例です。
声をかける前に、「これは手続きに必要か」と自分に問う方法があります。
必要でなければ、一度飲み込んで、前の項の休み方で気持ちを落ち着けます。
急がない内容なら、子どもの休憩が終わってから、落ち着いて話すこともできます。
声をかけないことが、すべての家庭で正解になるわけではありません。
家庭・学校や塾・健康面の振り分け表|誰に何を相談するか

すべての問題を、家庭の中で解決しようとしなくて構いません。
相談先によって対応できる内容が違うため、困りごとに合う相手を選びます。
ここでは、負担別の振り分けと、面談での切り出し方、家族への共有の範囲を整理します。
負担別の振り分け比較表|家庭・学校・塾・健康面
負担の種類ごとに、どこへ持ち込むかを一覧にしました。
「—」は、主な相談先ではないという意味です。
| 負担の種類 | 家庭で対応すること | 学校に相談すること | 塾に相談すること | 健康面で相談すること |
|---|---|---|---|---|
| 成績・模試・内申 | 成績を確認する頻度や、親子で話し合う時間を決める。 | 現時点の内申の状況や、志望校の出願条件を確認する。 | 模試の判定・苦手分野の分析や、併願校の検討について相談する。 | 成績への不安で心身に不調が出ている場合は相談する。 |
| 子どもの態度・衝突 | 受験の話をする場所と時間を決め、言い合いが続くときは会話をいったん区切る。 | 学校での様子や、家庭との違いについて相談する。 | 塾での学習状況や、本人の様子について確認する。 | 眠れない、食欲がないなどの不調がある場合は、程度に応じて相談する。 |
| 出願・費用・送迎 | 出願・支払い・送迎の担当者を決め、期日を一覧にまとめる。 | 学校が扱う出願書類の準備状況や、提出手順を確認する。 | 受験校の組み合わせや、試験日程の考え方について相談する。 | 原則として家庭・学校などで対応。心身の不調があれば別途相談する。 |
| 孤立・抱え込み | 家族に共有する負担を1つ選び、具体的に手伝ってほしいことを伝える。 | 担任や、利用できる場合はスクールカウンセラーに相談する。 | 保護者面談などで、受験に関する悩みや負担を共有する。 | こころの健康に関する公的相談窓口などを利用する。 |
| 眠れない・食べられない | 休息を優先し、家事や受験関連の作業を家族に分担してもらう。 | 利用できる場合はスクールカウンセラーなどに相談する。 | 受験関連の連絡や面談の負担を調整できるか相談する。 | 医療機関や公的相談窓口に相談する。不調が強い場合は早めに相談する。 |
※学校や塾で相談できる範囲は、それぞれの体制によって異なります。
同じ負担でも、家庭で整えることと、外に相談することは両立します。
一つの窓口で解決しようとせず、役割ごとに使い分けるのが、抱え込みを減らす考え方です。
健康面は、「親が眠れない・食べられないほどつらいときの相談の目安と相談先」の章で詳しく扱います。
担任や塾の面談で相談できる内容と切り出し方
学校と塾では、頼れる内容の軸が違います。
学校は、内申や出願のルール、学校での様子を知っている立場です。
塾は、学習の現在地や、受験校ごとの対策を見ている立場です。何を聞きたいかを先に決めておくと、面談が進みます。
切り出し方の例は次のとおりです。感情を前に出さず、事実を聞く形にすると、やり取りが落ち着きます。
| 相談先 | 相談したい内容 | そのまま使える質問例 |
|---|---|---|
| 学校 | 学校での様子・提出物 | 「学校での授業中の様子や提出物の状況について、分かる範囲で教えていただけますか。家庭での接し方を考える参考にしたいです」 |
| 塾 | 模試結果・学習の優先順位 | 「直近の模試結果を踏まえて、入試までに優先して復習・対策したい単元を一緒に整理していただけますか」 |
| 塾 | 子どもへの関わり方 | 「家庭では勉強の話をすると言い合いになりやすく、関わり方に迷っています。塾での本人の様子や学習への取り組み方を、分かる範囲で教えていただけますか」 |
学習の現在地は塾に、家庭の運営は家庭で、と分けておくと、頼りすぎも抱え込みすぎも避けやすくなります。
相談先を増やすことより、今必要な情報をくれる相手を選ぶことが大切です。
子どもの勉強を親だけで見守ることが負担になっているなら、オンライン家庭教師に学習面のサポートを任せる方法もあります。
トウコベも、家庭以外の学習サポートを検討するときの選択肢の一つです。
家族に共有しておきたいことの範囲と順番
家族への共有は、範囲を絞るほうがうまくいきます。
日々の学習状況や模試の結果を細かく伝えると、感情の摩擦が起きやすいためです。
共有する内容は、次の3点に絞ります。
- 出願・受験のスケジュール:いつ、何を提出するか
- 費用と期日:いくらを、いつまでに用意するか
- 本人の希望する志望校:本人がどう考えているか
順番は、決まっていることから伝えます。
スケジュールと費用は事実なので、意見が分かれにくい部分です。
志望校の話は、そのあとに、本人の考えを中心に聞きます。
家族の間で受験への考え方がそろわないこともあります。
その場合は、考え方を合わせることを最初の目標にせず、期限のある手続きなど、実務から協力を考えます。
協力が得にくいときは、Q&Aでも触れています。
高校受験で親のストレスが強まりやすい時期|中3の2学期を中心に

負担が強まる時期を知っていると、「いつまで続くのか」の見通しを持てます。
調査の数字と、入試までの一般的な流れを分けて整理します。
塾選ジャーナル調査で見る保護者のストレスの時期と原因
塾選ジャーナル(株式会社DeltaXが運営する「塾選」のメディア)が、2025年7月に実施し、同年8月27日に公表した調査があります。
対象は高校受験を経験した保護者100名で、インターネットでの任意回答です。
小規模な調査なので、すべての家庭に当てはまる数字ではありません。
- ストレスを感じた割合:保護者81%
- ストレスを感じた時期(複数回答):「中学3年生の2学期」を挙げた保護者は76.5%
- 保護者のストレスの原因(複数回答):1位「子どもの成績」51.9%、2位「子どもの態度」45.7%、3位「進路選択の迷い」44.4%
- 親子げんか:58%の家庭が経験
2学期は、内申の見通しが固まり、志望校や併願校の検討が具体的になる時期です。
そのため、負担が高まりやすいと考えられます。お住まいの地域や受験方式によって、時期は変わる場合があります。
出典:塾選ジャーナル調べ「高校受験のストレスと息抜き法」についての調査(2025年8月27日公開)
出願や入試直前に負担が集中しやすい場面と見通し
入試までの流れを、一般的な例で整理します。
統計ではなく、一般的な流れの整理です。
日程は、自治体や学校によって異なります。
| 時期の目安 | 主な手続き・出来事 | 保護者が確認すること |
|---|---|---|
| 秋〜冬 | 内申の状況確認、三者面談、志望校・併願校の検討や決定。 | 志望校の出願条件、学校との相談内容、家庭で決める必要があることを整理する。 |
| 冬〜年明け | 出願手続き、入学検定料の納付、複数校の試験日程の調整。 | 学校ごとの出願方法、必要書類、提出期限、支払い期限を一覧にする。 |
| 入試・合格発表 | 入学試験の受験、合格発表、合否結果の確認。 | 試験会場への移動方法、集合時間、合格発表の日時と確認方法を把握する。 |
| 合格後 | 入学手続き、必要書類の提出、入学時の納付金の支払い。 | 入学手続きの期限、納付金額、支払い方法、必要書類を確認する。 |
出願から合否の連絡までは、期日のある判断や手続きが短い間に重なります。
入試が終わると、出願などの実務は一区切りします。
いまの負担には終わりがあると知っておくことは、先の見通しにつながります。
入学手続きや費用の支払いは、合格後も続きます。
親が眠れない・食べられないほどつらいときの相談の目安と相談先

つらさが続くときは、家庭の工夫だけで対処しようとしなくて構いません。
相談を考える目安と、相談先の選び方、公的窓口の使い方を説明します。
睡眠・食欲・気分の変化が続くときの相談の目安
「子どもの受験が終わるまで」と我慢を先送りにすると、回復までに時間がかかる場合があります。
つらさが続くなら、受験とは別に相談を考えてよい状態です。
私は医療の専門家ではないため、診断はできません。ここで挙げるのは、相談を考えるための目安です。
厚生労働省の「こころの耳」のQ&Aでは、眠れない、食欲がないなどの心身の不調が続くときは、休むことや専門医の受診を検討するよう案内しています(こころの耳Q&A)。
厚生労働省(職業安定局)などが作成したチェックシートには、「疲れているのに、2週間以上眠れない日が続いている」という項目があり、いくつか当てはまる場合は、休養や相談機関への相談を勧めています。
日数だけで状態が決まるわけではないので、次の3つを合わせて考えます。
| 確認する項目 | 当てはまる状態 | 相談を考える目安 |
|---|---|---|
| ① 不調の期間 | 寝つけない、夜中に何度も目が覚める、食欲がわかないなどの状態が続いている。 | 不調が続く場合は医療機関などに相談する。症状が強ければ、短期間でも早めに相談する。 |
| ② 生活への影響 | 家事や仕事、子どもの送迎など、普段できていたことに支障が出ている。 | 日常生活への影響が出ている場合は、一人で抱えず医療機関や公的相談窓口に相談する。 |
| ③ 休息後の変化 | 受験の話題から離れて休んでも、気分の落ち込みや動悸などが改善しない。 | 改善しない場合は医療機関に相談する。動悸に胸の痛み、強い息苦しさ、失神などを伴う場合は緊急の受診を検討する。 |
2週間は、相談せずに待つための期間ではありません。
不調が強いときや、日常生活に大きな支障が出ているときは、期間に関係なく、早めに医療機関などへ相談してください。
次のような場合は、家庭の工夫だけでは足りない状態です。
- ほとんど眠れない・食べられない状態が続き、日常が回らない
- 「消えたい」「いなくなりたい」という気持ちが出ている
後者の場合は、この記事を読み進めるより先に、「厚生労働省「まもろうよ こころ」など公的窓口の使い方」の窓口へ連絡してください。
命に関わる緊急時は119番です。
「ノイローゼ・うつかも」と不安なときの相談先
「ノイローゼかもしれない」「うつではないか」と不安になることもあるでしょう。
イライラや疲れがあるという理由だけで、特定の病気と判断することはできません。
症状の判定は、専門家が行うものです。
教室長として、保護者の方の負担が大きいと感じたときに、相談先をお勧めした経験があります。
学習塾でできることには限りがあり、医療的な診断は医療機関の役割です。
私は、ご自身で判断しようとせず、相談先を選ぶことをおすすめします。
相談先は、主に3つあります。
| 相談先 | 相談できる内容 | 利用するときの確認事項 |
|---|---|---|
| 学校の相談窓口 | スクールカウンセラーには、子どもへの接し方や親子関係などについて相談できる場合がある。スクールソーシャルワーカーには、家庭の困りごとや外部の支援機関との連携について相談できる場合がある。 | 担任などを通じて、保護者が利用できるか、予約方法や相談できる日時を確認する。 |
| 地域の公的窓口 | 保健所、保健センター、精神保健福祉センターなどで、こころの健康に関する相談を受け付けている。必要に応じて、医療機関や支援機関の案内を受けられる場合がある。 | 自治体の公式サイトなどで、対象者、電話・面談などの相談方法、受付時間を確認する。 |
| 医療機関 | 眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続くなど、心身の不調について診察や必要な支援を受ける。精神科・心療内科のほか、症状に応じてかかりつけ医や内科にも相談できる。 | 診療内容や予約方法を確認する。動悸などの身体症状がある場合は、ストレスだけが原因と決めつけず、医師に相談する。 |
受診先が分からないときは、かかりつけ医や、地域の公的窓口に相談する方法もあります。
厚生労働省「まもろうよ こころ」など公的窓口の使い方
夜間や休日、近くに相談先がないときは、電話やSNSで相談できる窓口があります。
厚生労働省「まもろうよ こころ」が、相談方法に応じた窓口を案内しています。
運営は、厚生労働省が案内する団体・機関です。以下は、2026年10月15日時点の公式ページに基づきます。
| 相談窓口 | 連絡先・相談方法 | 受付時間 |
|---|---|---|
|
#いのちSOS
「死にたい」「消えたい」などの気持ちについて相談
|
0120-061-338 通話無料 |
24時間365日 |
|
よりそいホットライン
さまざまな悩みに対応。外国語相談も選択可能
|
0120-279-338(無料) 福島県から:0120-279-226(無料) 050のIP電話から:050-3655-0279 |
24時間対応 |
| いのちの電話 |
0120-783-556(無料) 0570-783-556(通話料あり) |
無料電話:毎日16:00〜21:00 毎月10日は8:00〜翌8:00 有料電話:毎日10:00〜22:00 |
| こころの健康相談統一ダイヤル |
0570-064-556 通話料あり |
都道府県・政令指定都市の窓口によって異なる |
|
あなたのいばしょ
無料・匿名のチャット相談
|
チャット相談ページ | 24時間365日 |
|
こころのほっとチャット
LINE・Webチャットなど
|
LINE ID:@kokorohotchat 公式相談案内 |
毎日7:00〜23:50 受付は23:00まで |
|
生きづらびっと
LINE・Web相談
|
LINE ID:@yorisoi-chat 公式相談案内 |
月・金:6:00〜22:30 日・火・水・木・土:8:00〜22:30 受付はいずれも22:00まで |
※こころの健康相談統一ダイヤルは、通話料がかかります。050で始まるIP電話からは接続できません。
受付時間や運営の状況は変わることがあります。
利用の前に、厚生労働省の電話相談・SNS相談のページで、最新の案内をご覧ください。
話すことが苦手なときは、チャットやLINEのほうが始めやすい場合があります。
状況を上手に説明する必要はありません。
「子どもの受験が続いていて、最近眠れない」といった、自分の困りごとから話せます。
つらさが強く、安全を保てないと感じるときは、一人で抱えず、すぐに周囲の人や緊急の医療機関へ助けを求めてください。
緊急時は119番です。
【Q&A】高校受験で親がしんどいときによくある質問

本文で扱った内容に加えて、読んだあとに残りやすい疑問をまとめました。
家庭の状況によって適切な対応は変わるため、今の自分に近い考え方を選んでください。
Q. 他の親の体験談はどこまで参考にしてよい?
A. 出願の流れや持ち物、併願校の考え方など、手続きに関する情報を得る目的なら参考になります。
他の家庭の経験を、そのまま自分の家庭の判断基準にする必要はありません。
Yahoo!知恵袋やSNSで、同じように悩む親の声を読むと、自分だけではないと思えることがあります。
成績や志望校、家庭の環境は家庭ごとに違います。
合格体験談や失敗談を読み続けるほど、比べて焦りが強まる場合もあります。
読んだあとに気持ちが落ち着くのか、焦るのかを目安に、見る時間を区切ってください。
例えば、夜は見ないという決め方もあります。
Q. 親がしんどいことを子どもに伝えてもよい?
A. 事実ベースの相談としてなら、伝えてもよいと考えています。
避けたいのは、「あなたのために苦労している」といった、罪悪感を与える伝え方です。
子どもが受け止めきれず、受験への不安に上乗せされるおそれがあります。
「お母さんも初めてのWeb出願で、締切が心配です。スケジュールを一緒に見てもらえますか」のように、手続きの相談として伝えれば、子どもを当事者として尊重することになります。
親の不安や疲れそのものは、家族や信頼できる人、相談窓口にも話せます。
Q. パートナーの協力がない・ひとり親のときは?
A. 家庭の中だけで分担しようとせず、家庭の外の支えを分担相手にする考え方が現実的です。
協力的でない相手を説得し続けると、かえって消耗しやすくなります。
学習の相談は学校や塾の面談で済ませる、期日の管理は一覧にして一人で回せる形にする、自治体の相談窓口を使うなど、外部の資源を組み込みます。
何を自分がやらないかを決めることも、負担を軽くする方法のひとつです。
ひとり親の場合は、すべてを一人で抱えない仕組みを、早めにつくっておくことが助けになります。
Q. 受験が終わってもしんどさが続くときは?
A. 受験が終わってもしんどさや不調が続くときは、受験疲れだけと決めつけず、医療機関や公的窓口に相談してください。
受験の直後は、緊張が解けて、燃え尽きたような脱力感が出ることがあります。
数日から数週間で、少しずつ日常のリズムが戻る場合もあります。
合格発表のあとも、眠れない、何も手につかない、涙が出る、強い不安が消えないといった状態が数週間続くときは、疲れだけでは説明しにくいこともあります。
受験が終わったことを理由に、自分の不調への対応を後回しにしないでください。

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まとめ|高校受験で親がしんどいときは負担を一人で抱えない

親のしんどさは、負担が重なって起きることが多く、整理して振り分ければ軽くできる部分があります。
最後に、要点と次の行動をまとめます。
記事の重要ポイント
この記事のポイントは、次の3つです。
- 負担の中心を特定する:成績・衝突・出願などの手続き・孤立のうち、いちばん重いものを1つ選ぶ
- 家庭・学校・塾・健康面に振り分ける:すべてを家庭で背負わず、相談先ごとの役割を使い分ける
- 不調が続くなら外部へ相談する:眠れない、食べられない状態が続くときは、受験の時期に関係なく相談する
しんどさは、親としての力不足を示すものではありません。重なった負担を分けて扱うことが、軽くする出発点です。
迷ったときの判断基準と次の行動
迷ったときは、次の2点で考えます。
- 動かせることか、動かせないことか:動かせないこと(判定・内申・合否)は、気持ちの整理にとどめる
- 家庭で整えられるか、相談が必要か:学習や進路は学校・塾へ、眠れない・食べられない状態は健康面の窓口へ
このページを閉じたあとの最初の行動は、次のうち1つで十分です。
- チェックリストで負担を1つ選ぶ
- 出願の期日を、紙に1枚書き出す
- 睡眠や食欲の変化が続いているなら、公的窓口の連絡先を控える
自分を責める気持ちが出てきたときは、「いまは、負担が重なっている時期だ」と受け止めてください。親が一人で抱え込む必要はありません。
この記事の数字や窓口の情報は、2026年10月時点の公式情報や調査に基づいています。
制度や受付時間は変わることがあるため、利用の前に最新の案内をご確認ください。
執筆者プロフィール

※この記事は、個別指導塾で3年間の教室長経験があり、受験メンタルトレーナー資格を保有する篠原恵理が執筆しています。小学生・中学生の学習面や精神面のサポート、保護者対応に携わってきた経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
篠原恵理は、勉強への不安や意欲の低下、テスト前の焦り、受験期のストレスなど、生徒が抱える心理的な悩みへの対応を得意としています。保護者の声かけや接し方についても、親子が安心して受験に向き合えるよう、具体的で実践しやすい方法を紹介しています。
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