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受験生の子どもに「勉強しなさい」「このままだと落ちるよ」と言って、後悔したことはありませんか?
親は心配して伝えたつもりでも、言葉によっては子どもの負担になる場合があります。
大切なのは、責める言葉を本人の予定や困りごとを尋ねる言葉に変えることです。
この記事では、受験生に言ってはいけない言葉10選と理由、適切な言い換え、「頑張って」の使い方や場面別の声かけを解説します。
記事のポイント
- 受験生に避けたいNGワード10選
- 親の言葉をやさしい問いかけに変える方法
- 励ますか見守るかの判断ポイント
- 言いすぎたときの謝り方と接し方
受験生に言ってはいけない言葉10選|NGワード・理由・言い換え一覧

受験生へのNGワードは、単に使わないようにするだけでは解決しません。
親が何を心配しているのかを整理し、子どもを責めずに同じ気持ちを伝えることが大切です。
代表的な10個のNGワードについて、避けたい理由と言い換え例を一覧にしました。
| NGワード | 避けたい理由 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| ① 勉強しなさい | 命令と受け取られやすい | 何時から始める予定? |
| ② まだ勉強していないの? | 勉強不足を決めつけるように聞こえる | 何か始めにくいことがある? |
| ③ このままだと落ちるよ | 不合格への不安を強める場合がある | 今、一番苦手な単元はどこ? |
| ④ 落ちたらどうするの? | 合否へのプレッシャーになりやすい | 今、何か心配していることはある? |
| ⑤ こんな成績じゃダメ | 努力まで否定されたと感じやすい | 今回、どこが難しかった? |
| ⑥ こんな問題も解けないの? | 能力を否定されたと感じやすい | どこから分からなくなった? |
| ⑦ ○○さんはできている | 他人との比較が負担になる場合がある | 前よりできるようになったところは? |
| ⑧ 兄弟はもっと勉強した | 本人の状況を無視した比較になる | 今の勉強で困っていることはある? |
| ⑨ その志望校は無理 | 本人の希望を否定する言葉になる | 志望校に向けて何が必要か確認しようか? |
| ⑩ 塾にいくら払ったと思っているの | 費用を理由に責め、負担を感じさせる | 塾で困っていることはない? |
この表は、すべての家庭で同じ言葉を使うためのものではありません。
本人が話したくないときには質問を控えるなど、そのときの状態に合わせて使い分けてください。
株式会社明光ネットワークジャパンが2025年11月28日〜12月2日に実施した「受験生を支える保護者のサポート実態調査」では、高校進学を希望する中学3年生の保護者1,000人を対象に調査しています。
言わないように心がけているセリフについて回答した344人では、「勉強を強いる言葉」が31.6%で最多でした。
「励ます・応援する言葉」は27.3%、「合否を脅かす言葉」は10.1%となっています。
これらは保護者が避けようとしている言葉の傾向を示すものであり、受験生本人が負担を感じる割合ではありません。
保護者も、励ますべきか、勉強を促すべきか、言葉選びに迷っていることがうかがえます。
出典:明光ネットワークジャパン「受験生を支える保護者のサポート実態調査」
「勉強しなさい」「まだ勉強していないの?」と勉強を強要する言葉
「勉強しなさい」は、親が受験生に言いたくなる言葉の一つです。
子どもがスマートフォンを見ていたり、机に向かっていなかったりすると、「受験まで時間がないのに」と焦ることもあるでしょう。
本人も勉強の必要性を理解している場合、繰り返し指示されることで「分かっているのに責められている」と感じることがあります。
株式会社A.ver(武田塾運営)が2024年5月に実施した「親のサポートに関する受験生の本音調査」では、第一志望に合格した大学生173人のうち、22.0%が、受験中に親から言われて嫌だった言葉として「勉強を催促する言葉」を挙げています。
これは第一志望に合格した大学生を対象とする回想調査です。
中学生や高校受験生にも同じ傾向があるとは限りません。
出典:株式会社A.ver「親のサポートに関する受験生の本音調査」
親が本当に確認したいのは、勉強を始める予定なのか、何か困っていて始められないのかという点ではないでしょうか。
「まだ勉強していないの?」と責めるより、「今日は何時ごろから始める予定?」と尋ねる方が、本人の考えを聞きやすくなります。
返事がない場合は、同じ質問を重ねず、少し時間を置くことも必要です。
「このままだと落ちるよ」「落ちたらどうするの?」と不安をあおる言葉
「このままだと落ちるよ」という言葉の背景には、親の「受験に間に合わないのでは」という心配があるかもしれません。
不合格への不安を強調するだけでは、子どもが今何に取り組めばよいのかは分かりません。
先ほどの株式会社A.verの調査では、親から嫌な言葉を言われた理由について回答した87人のうち、55.2%が「過度なプレッシャーを感じるため」、24.1%が「受験に対する不安を煽られるように感じるため」を挙げています。
この結果は、回答者が言葉をどう受け止めたかを示しています。特定の発言が必ず不安を強めると証明したものではありません。
親が知りたいのは、合格できるかどうかだけではなく、現在の勉強で何が課題になっているかでしょう。
「一番苦手な単元はどこ?」「塾の先生に質問したいことはある?」と、具体的な困りごとを尋ねる方法があります。
模試の結果が悪く、本人が落ち込んでいる直後に質問を重ねるのは避けたいところです。
その場で答えが出なくても、本人が落ち着いてから話せれば十分な場合があります。
「こんな成績じゃダメ」「こんな問題も解けないの?」と能力を否定する言葉
模試の点数が下がったとき、親は今後の受験対策を心配するでしょう。
「こんな成績じゃダメ」と結果だけを否定しても、改善すべき部分は具体的になりません。
「こんな問題も解けないの?」という言い方も、子どもによっては、自分の能力そのものを否定されたように感じる場合があります。
模試の結果を見るときは、点数や判定だけではなく、失点の原因を分けて考えることが大切です。
| 失点の原因 | 具体的な状況 |
|---|---|
| 知識不足 | 必要な用語や公式を覚えていなかった |
| 理解不足 | 問題の意味や解き方が分からなかった |
| 時間不足 | 解き方は分かっていたが、時間内に解けなかった |
同じ失点でも、原因によって次に必要な勉強は異なります。
「今回、どこが難しかった?」「解き方は分かっていたけれど、時間が足りなかった?」など、本人が説明できる内容を尋ねる方法があります。
成績について話し合うこと自体が悪いわけではありません。
問題なのは、結果を確認するつもりが、子どもの能力や努力を責める話になってしまうことです。
厚生労働省の「避けたいこと」でも、子どもの話を聞く際には、否定や説教、決めつけを避けることが示されています。
模試の結果について話す場合も、本人の能力を責めるのではなく、どの問題でつまずいたのかを確認することが大切です。
「○○さんはできている」「兄弟はもっと勉強した」と他人と比較する言葉
同じ学校の友人や兄弟姉妹の成績が気になることはあるでしょう。
「○○さんはできているのに」「お兄ちゃんはもっと勉強していた」といった比較は、本人の努力や事情を十分に見ていない言葉として受け取られる可能性があります。
学力、志望校、得意科目、苦手科目、勉強に使える時間は、人によって異なります。
ほかの受験生と比べるだけでは、本人が今何を改善すべきかは分かりません。
株式会社A.verの2024年の調査でも、第一志望に合格した大学生173人の15.6%が、受験期に親から言われて嫌だった言葉として「他の受験生と比較する言葉」を挙げています。
他人との比較ではなく、本人の過去の取り組みと現在の変化を見る方が、具体的な話につながります。
例えば、以前は難しかった問題が解けるようになったなら、その変化を認めることができます。
「前よりできるようになったところはある?」と本人に尋ねてもよいでしょう。
成長を無理に探して褒める必要はありません。
できるようになったことと、まだ課題になっていることを分けて見れば、次に話す内容も具体的になります。
「その志望校は無理」「塾にいくら払ったと思っているの」と責める言葉
志望校や塾代への不安から、子どもに強い言葉をかけてしまう場合もあります。
「その志望校は無理」という言葉は、本人が希望している進路そのものを否定されたように感じさせる可能性があります。
志望校について現実的な話し合いが必要なときも、最初から否定する必要はありません。
「今の成績と志望校の条件を一緒に整理しようか」「学校や塾の先生にも相談してみようか」と、必要な情報を確認する話し方が考えられます。
「塾にいくら払ったと思っているの」という言葉には、家庭の費用負担を子どもに背負わせてしまう問題があります。
親が教育費を心配すること自体は自然ですが、支払った金額を理由に責めても、勉強上の困りごとが解決するとは限りません。
塾での学習が心配なら、「授業で分かりにくいところはない?」「先生には質問できている?」と、実際の利用状況を尋ねる方法があります。
進路や費用について話し合う必要がある場合も、子どもを責める言葉とは切り離して考えましょう。
親のNGワードを問いかけに変える方法|命令・否定・比較を避ける判断基準

NGワードを言い換えるときは、言葉を丁寧にするだけでなく、親が何を確認したいのか整理することが大切です。
勉強への命令を予定の確認へ、合否への不安を具体的な課題の確認へ変える方法を紹介します。
「勉強しなさい」を「何時から始める予定?」に言い換える
「勉強しなさい」と言いたくなったときは、子どもがいつ勉強するつもりなのかを尋ねる方法があります。
本人が疲れていたり、問題が難しくて手をつけられなかったりする場合は、開始時刻だけを尋ねても解決しません。
子どもの状態に合わせて、次のように問いかけを変えることもできます。
| 子どもの状況 | 声かけの例 |
|---|---|
| 勉強開始の予定を知りたい | 何時から始める予定? |
| 勉強を始められない様子 | 何か始めにくいことがある? |
| 何から始めるか迷っている | どこから手をつけるか迷っている? |
ここで区別したいのは、本人の予定を聞いているのか、親が決めた予定を守らせようとしているのかという点です。
「何時から始めるの?」と尋ねながら、親が期待する時間以外の返答を認めなければ、子どもには命令と変わらない言葉に聞こえるかもしれません。
一度尋ねた後に「まだ始めないの?」「何時になったらやるの?」と繰り返せば、新たな催促になります。
返答を聞いたら、その場で必要以上に問い詰めないことも考えてください。
本人が「今は話したくない」と伝えてきた場合は、会話をいったん終える選択もあります。
厚生労働省の「話を聞くときのポイント」でも、答えを迫る質問を避け、本人が自分の言葉で答えやすい質問をすることが紹介されています。
勉強の予定を尋ねる場合も、親の希望を押し付けるのではなく、子どもの考えを聞く姿勢が大切です。
「落ちるよ」を「一番苦手な単元はどこ?」に言い換える
「このままだと落ちるよ」という言葉は、親が感じている合否への不安を、そのまま子どもへ伝える表現です。
子どもが今必要としているのは、不合格の可能性を繰り返し聞くことではなく、何を改善できるか整理することかもしれません。
「今、一番苦手な単元はどこ?」「次に塾の先生へ聞いてみたい問題はある?」という問いかけが考えられます。
例えば、数学の模試で点数が下がった場合でも、計算問題で失点したのか、図形問題の解法が分からなかったのかによって、必要な勉強は異なります。
親がすべての問題を教える必要はありません。
本人が困っている内容を整理し、学校や塾の先生へ質問する内容を考えることも、具体的な支援になります。
私なら、合否への心配を伝える前に、本人が今困っていることを話せる状態かどうかを見ます。
模試の結果を見た直後に強く落ち込んでいるなら、課題を尋ねること自体が負担になるかもしれません。
その場で解決しようとせず、「落ち着いたら一緒に確認しようか」と伝えるだけでも、次の会話につながります。
声をかける前に命令・否定・比較・不安をあおる表現を確認する
受験生への言葉を選ぶときは、発言する前に、その言葉が何を伝えるものなのか整理してみてください。
私は、親の心配を伝える言葉について、次の4つの観点で考えるのがよいと思います。
| 確認するポイント | 声をかける前に考えたいこと |
|---|---|
| 命令になっていないか | 本人の考えを聞かず、勉強や行動を強制していないか。 |
| 否定になっていないか | 成績や失敗を指摘するつもりが、能力や人格まで否定していないか。 |
| 比較になっていないか | 友人や兄弟姉妹の成績を基準にしていないか。 |
| 不安をあおっていないか | 合否への心配だけを伝え、今できることが分からない話になっていないか。 |
この4つに加えて、本人が話を聞ける状態かどうかも見ておきたいところです。
例えば、親が落ち着いた口調で質問していても、子どもが疲れていたり、同じ話を何度もしていたりすると、負担に感じることがあります。
言葉を変える目的は、子どもを思いどおりに動かすことではありません。
本人の考えや困りごとを知り、必要な話をしやすくすることです。
問いかけても返事がないときは、別の質問を続けるのではなく、いったん会話を終えて構いません。
「頑張って」「大丈夫?」もNG?受験生の反応に合わせた言葉の選び方

「頑張って」「大丈夫?」は、受験生に必ず言ってはいけない言葉ではありません。
励ましを求めている人には支えになる一方、すでに不安が強い人には負担になることもあります。
本人の反応を見ながら判断することが必要です。
「頑張って」が負担になる場合と励ましになる場合の違い
「頑張って」は、相手を応援する気持ちから自然に出てくる言葉です。
受験生がすでに十分努力していると感じている場合は、「これ以上頑張らなければいけない」と受け取ることもあります。
励ましてほしいと思っている受験生にとっては、同じ「頑張って」が支えになる場合もあります。
株式会社明光ネットワークジャパンが2023年11月30日〜12月5日に実施した調査では、中学3年生の保護者880人のうち、子どもによく言うセリフとして「頑張れ」を挙げた人が28.2%いました。
子どもにストレスを与えたことがある、または与えたと思うセリフについて回答した保護者735人では、「頑張れ」が11.6%でした。
この2つの割合は、質問内容と回答者数が異なるため、単純には比較できません。
後者は保護者の認識を示すものであり、受験生本人が回答したストレスの割合ではありません。
出典:明光ネットワークジャパン「中3受験生への保護者のサポートに関する実態調査」
「頑張って」と声をかけるか迷ったら、本人の反応を参考にします。
| 受験生の状態 | 適切な声かけ・対応の例 |
|---|---|
| 励ましを求めている | 「頑張って」と応援する |
| すでに努力している | 取り組んできたことを具体的に認める |
| 励ましを負担に感じている | 無理に声をかけず、本人の様子を見守る |
同じ言葉でも受け取り方は異なるため、一律に禁止する必要はありません。
受験生の性格だけで決めつけず、そのときの反応を基準にしてください。
「大丈夫?」と繰り返すより本人の不安や困りごとを確認する
受験が近づくと、親は子どもの様子が気になり、「勉強は大丈夫?」「志望校は大丈夫?」と確認したくなるものです。
何度も「大丈夫?」と聞かれると、本人も不安な気持ちを強めたり、答えに困ったりすることがあります。
特に、模試の判定が下がった直後や、苦手科目の勉強が思うように進んでいないときには、言葉を選びたいところです。
心配なときは、繰り返し「大丈夫?」と尋ねる代わりに、次の言葉も考えられます。
| 子どもの様子 | 声かけ・対応の例 |
|---|---|
| 困りごとを知りたい | 「何か困っていることはある?」 |
| 不安そうにしている | 「話したいことがあれば聞くよ」 |
| 話したくなさそう | 無理に質問を続けず、時間を置く |
このような言い方なら、本人が話すかどうかを選べます。
もっとも、普段から「大丈夫?」という言葉で安心できている子どもに対してまで、使うことを避ける必要はありません。
ここで見るべきなのは、言葉そのものよりも本人の反応です。
「大丈夫」と短く返事をして会話を終えたがっているなら、それ以上質問を重ねない方がよい場合もあります。
「絶対受かるよ」より具体的な努力を認める言葉を選ぶ
受験直前に不安そうな子どもを見ると、「絶対受かるよ」と安心させたくなるかもしれません。
合否は試験を受ける前に確定できるものではありません。
本人によっては、根拠のない合格の保証よりも、自分が積み重ねてきた努力を認めてもらう方が安心できることもあります。
株式会社A.verの2024年の調査では、第一志望に合格した大学生173人のうち、親から言われて嬉しかった言葉として「結果に関わらず、努力を褒める言葉」を挙げた人が38.7%で最多でした。
この割合は大学受験を経験した第一志望合格者の回答であり、すべての受験生に同じ言葉が適するという意味ではありません。
合格を保証する代わりに、実際に取り組んできた努力を伝える方法があります。
| これまでの取り組み | 努力を認める声かけ例 |
|---|---|
| 英単語を復習していた | 「毎日、英単語を復習していたね」 |
| 過去問に取り組んでいた | 「何度も過去問を解いてきたね」 |
| 勉強を継続していた | 「ここまで勉強を続けてきたね」 |
大切なのは、実際に確認できる取り組みを認めることです。
親が見ていない努力を無理に褒めたり、「ここまで頑張ったから必ず受かる」と結論づけたりする必要はありません。
本人が積み重ねてきた事実を伝えることも、励ましの一つの選択肢になります。
励ましを求めていない受験生には無理に声をかけない
受験生が落ち込んでいるとき、親は何か励ましの言葉をかけなければいけないと思うかもしれません。
本人が話したくないと感じている場合は、無理に励まさないことも一つの対応です。
例えば、模試の結果を見た直後に自分の部屋へ戻った場合、気持ちを整理する時間が必要なのかもしれません。
声をかけるか迷ったら、次のように考えます。
| 受験生の様子 | 声かけ・対応の例 |
|---|---|
| 本人が話したがっている | 話を聞く |
| 一人で考えたがっている | 少し時間を置く |
| 具体的な助けを求めている | 困りごとを確認する |
見守ることと、本人の困りごとをすべて放置することは異なります。
本人が助けを求めている場合や、困りごとを話し始めた場合は、話を聞ける状態でいることが必要です。
声をかけるか迷ったときは、親が何か言いたいかどうかより、今、本人が何を求めているかを優先して考えてください。
必要なときには声をかけ、本人が一人で考えたいときには少し距離を置く。その時々で対応を変えて構いません。
厚生労働省の「まず話を聞いてみる」では、子どもが話してくれないときは無理強いせず、話せるタイミングを待つことが勧められています。
受験生への声かけでも、本人が話したくない様子なら質問を重ねず、必要なときに話を聞ける姿勢を示す方法があります。
【場面別】模試・勉強不足・受験直前に避けたい言葉と適切な声かけ

受験生への声かけは、模試の結果が悪かったとき、勉強を始めていないとき、受験直前で不安が強いときなど、場面によって変わります。
ここでは、家庭で使える短い会話例を紹介します。
模試の判定が下がったときは成績を責めず答案の課題を確認する
模試の判定が下がったとき、親が「このままだと合格できない」と心配になるのは自然なことです。
不安をすぐに子どもへ伝えると、本人がすでに感じている悔しさや焦りを強める場合があります。
模試の結果が悪かったときは、成績への評価と本人の気持ちを分けて考えることが必要です。
例えば、次のような言い換えが考えられます。
| 声かけの種類 | 具体的な言葉 |
|---|---|
| 避けたい例 | 「こんな判定じゃ合格できないよ」 |
| 言い換え例 | 「悔しいよね。落ち着いたら、どこが難しかったか一緒に確認しようか」 |
本人が話せる状態になったら、答案を見ながら改善できる部分を整理します。
同じ失点でも、知識不足なのか、解き方の理解不足なのか、時間配分の問題なのかで対応は異なります。
模試の結果を見た直後に本人が泣いていたり、話をしたがらなかったりする場合は、その場で分析を始める必要はありません。
「今は話したくない」と伝えられたら、結果についての会話はいったん終わりにします。
後日、本人が落ち着いてから必要なことを確認すればよいでしょう。
勉強していないときは叱る前に開始予定や困りごとを尋ねる
子どもが勉強せずにスマートフォンを見ていると、つい強い口調になってしまうこともあるでしょう。
机に向かっていないという事実だけでは、本人が何も考えていないとは判断できません。
休憩中なのか、勉強の始め方に迷っているのか、疲れているのかによって、必要な対応は異なります。
| 声かけの種類 | 具体的な言葉 |
|---|---|
| 避けたい例 | 「いつまでスマホを見ているの?勉強しなさい」 |
| 言い換え例 | 「今日は何時ごろから始める予定?」 |
本人が「少し休んでから」と答えた場合は、その予定を聞いてから対応を考えます。
勉強に取りかかれない理由があるなら、「何か困っていることはある?」と尋ねる方法もあります。
一度聞いても返事がなかったり、予定どおりに始められなかったりする日もあるでしょう。
同じ質問を繰り返すと催促と受け取られる場合もあるため、本人の反応に合わせて、いったん時間を置くことも大切です。
勉強の進め方が分からず、親子だけで解決するのが難しい場合は、プロ講師の力を借りる方法もあります。
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受験直前に不安が強いときは合格を保証せず努力を認める
受験直前は、勉強してきたことが十分なのか、試験当日に実力を発揮できるのか、不安になる受験生もいます。
親は「絶対受かるから大丈夫」と励ましたくなるかもしれません。
本人が不安を抱えている場合、気持ちを打ち消すような励ましよりも、これまでの取り組みを認める言葉が合うこともあります。
| 声かけの種類 | 具体的な言葉 |
|---|---|
| 避けたい例 | 「絶対受かるから心配しないで」 |
| 言い換え例 | 「ここまで準備してきたことを、当日も一つずつやっていこう」 |
本人が不安を口にしたときは、「そんなことを考えなくていい」と否定する必要はありません。
「緊張するよね」と受け止め、本人が話したい場合に耳を傾ける方法もあります。
普段どおりに過ごしたい受験生に対して、何度も励ましの言葉をかける必要はありません。
実際に取り組んできたことを認めるか、いつもどおりに接するか。本人の様子に合う方を選んでください。
※この章の会話例は編集上の提案例であり、特定の生徒・保護者の実際の発言を引用したものではありません。
受験生にNGワードを言ってしまったら?親が謝るときの言葉と対応

すでに子どもへ強い言葉をかけてしまった場合は、その発言をなかったことにするより、言いすぎたことを認める対応が考えられます。
謝罪するときは言い訳を重ねず、本人の気持ちや反応を尊重することが必要です。
感情的に責めたときは言い訳せず短く謝る
「勉強しなさい」「そのままだと落ちるよ」と強く言ってしまい、子どもと気まずくなることもあるでしょう。
そのようなときは、何事もなかったように振る舞うより、自分の言葉を振り返って謝る方法があります。
例えば、次のような短い言葉です。
- 「さっきは言いすぎてごめんね」
- 「心配だったけれど、あの言い方はよくなかったと思う」
ここで注意したいのは、謝罪の後に子どもを責める言葉を付け加えないことです。
「言いすぎてごめん。でも、あなたが勉強しないから」という言い方では、本人が謝罪として受け取りにくくなる可能性があります。
子どもにも改善してほしいことがある場合は、まず言いすぎた事実を認め、別のタイミングで必要な話をする方がよいでしょう。
謝罪したからといって、すぐに子どもの気持ちが切り替わるとは限りません。
親ができるのは、言いすぎたことを認め、同じ責め方を繰り返さないようにすることです。
親自身の不安を伝えるときは子どもに責任を押し付けない
受験生への強い言葉の背景には、親自身の焦りや不安がある場合があります。
「勉強が間に合わないのではないか」「志望校に合格できるだろうか」と心配すること自体は、特別なことではありません。
その不安を説明するときに、子どものせいにすることは避けたいところです。
親の気持ちを説明するときは、次のように言い方を変える方法があります。
| 声かけの種類 | 具体的な言葉 |
|---|---|
| 避けたい言葉 | 「あなたが勉強しないから、私も不安になる」 |
| 言い換え例 | 「私も受験のことが心配で、言い方が強くなってしまった」 |
前者は、親の不安まで子どもに背負わせる言い方として受け取られる可能性があります。
後者なら、親自身の感情と発言への責任を分けて説明できます。
謝罪をきっかけに「だから明日からちゃんと勉強してね」と約束を取り付けようとすると、子どもが新たな圧力を感じるかもしれません。
謝ることと、勉強について話し合うことは分けて考えます。
必要な相談がある場合は、親子ともに落ち着いて話せる時間に改めて伝える方がよいでしょう。
謝っても返事がないときは無理に話さず時間を置く
親が謝ったとき、子どもがすぐに返事をしてくれるとは限りません。
強い言葉をかけられて傷ついていたり、まだ気持ちが整理できていなかったりする場合もあります。
そのようなときに「謝ったんだから返事をして」「もう怒っていないよね」と確認すると、返答を求められること自体が負担になるかもしれません。
謝罪した後は、子どもの反応に合わせて対応します。
| 子どもの反応 | 親の対応 |
|---|---|
| 返事がない | 無理に返答を求めない |
| 話したくなさそう | 気持ちが落ち着くまで時間を置く |
| 本人から話し始めた | 言い返さず、まず気持ちを聞く |
時間を置くことは、子どもとの会話を避け続けることではありません。
落ち着いた様子が見られたら、普段どおりの会話から少しずつ関わることも考えられます。
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【Q&A】受験生に言ってはいけない言葉に関するよくある質問

「落ちる」「滑る」は避けるべきなのか、どんな言葉なら嬉しいのかなど、受験生への言葉選びには細かな疑問もあります。
ここでは、本文で扱った判断基準を踏まえて、よくある4つの質問に答えます。
Q. 受験生に「落ちる」「滑る」と言うのは縁起が悪い?
A. 「落ちる」「滑る」は、受験の不合格を連想させる言葉として、縁起を気にする人もいます。
言葉を使っただけで試験結果が変わるという根拠はありません。
本人が縁起を気にしていたり、不合格を連想する言葉で不安を感じたりする場合は、あえて使う必要はないでしょう。
例えば、受験直前の会話では「滑らないように頑張って」よりも、「落ち着いて受けられるといいね」と伝える方法があります。
大切なのは、縁起の良し悪しだけではなく、相手がその言葉をどう受け取るかです。
Q. 受験生が親から言われて嬉しい言葉には何がある?
A. 本人が取り組んできた努力を認める言葉や、体調を気遣う言葉などが考えられます。
株式会社A.verの2024年の調査では、第一志望に合格した大学生173人のうち、「結果に関わらず、努力を褒める言葉」を挙げた人が38.7%、「受験中の健康を気遣う言葉」を挙げた人が32.9%でした。
大学受験を経験した第一志望合格者の回答であり、すべての受験生に同じ言葉が当てはまるという意味ではありません。
例えば、「毎日復習を続けていたね」「体調はどう?」といった言葉が考えられます。
調査回答者の実際の発言を引用したものではなく、家庭で使える提案例です。
本人がどのような言葉を喜ぶかは、普段の関係性やそのときの状況によって異なります。
Q. 受験生が嫌がっていなければ、その言葉を使ってもいい?
A. 本人が負担に感じていない言葉まで、一律に禁止する必要はありません。
例えば、「頑張って」と励まされることを喜ぶ受験生もいるでしょう。
子どもが嫌がっていないように見えても、必ずしも気持ちをすべて表しているとは限りません。
言葉の内容だけでなく、発言の回数、タイミング、本人の反応も判断材料になります。
親が迷う場合は、「こういう声かけは負担にならない?」と、本人に直接確認する方法もあります。
一度は喜んでいた言葉でも、受験直前や模試の結果が悪かった日には受け取り方が変わるかもしれません。
過去の反応だけで決めず、そのときの様子を見て言葉を選んでください。
Q. 友達や恋人が受験生にかけてはいけない言葉は?
A. 友達や恋人であっても、合否への不安をあおる言葉や、勉強の状況を責める言葉は避けた方がよい場合があります。
例えば、「絶対受かるよね?」「まだ勉強が終わっていないの?」などは、相手にプレッシャーを与えるかもしれません。
受験生が勉強に集中したいときに、長時間の返信や通話を強く求めることにも配慮が必要です。
応援したいなら、「応援しているよ」「返信は落ち着いたときで大丈夫だよ」など、相手の状況を尊重する言葉が考えられます。
相手が話したいときには耳を傾け、集中したいときには無理に連絡を続けないことも、身近な人ができる配慮です。
まとめ|受験生に言ってはいけない言葉は理由と適切な言い換えで判断する

受験生に言ってはいけない言葉として注意したいのは、勉強の強要、成績や能力の否定、他人との比較、不合格への不安をあおる表現です。
「勉強しなさい」と言いたくなったら「何時から始める予定?」、「このままだと落ちるよ」と言いたくなったら「今、一番苦手な単元はどこ?」と、本人の予定や困りごとを確認する言葉へ変える方法があります。
問いかけに変えれば必ず適切になるわけではありません。
親が声をかける前に意識したいのは、次の3点です。
| 判断基準 | 確認したいこと |
|---|---|
| ① 言葉の内容 | 命令・否定・比較・不安をあおる表現になっていないか。 |
| ② 本人の状態 | 励ましや助けを求めているのか、今は話したくないのか。 |
| ③ 伝えるタイミング | 今すぐ声をかける必要があるのか、時間を置いた方がよいのか。 |
子どもの勉強や受験結果を心配すること自体は自然です。
その心配を強い言葉にする前に、「私は今、何を確認したいのだろう」と考えてみてください。
勉強を始める予定なのか、苦手な単元なのか、それとも本人の不安なのか。
確認したいことが整理できれば、責める言葉ではなく、相手が答えやすい言葉を選ぶきっかけになります。
本人が話したがらなければ、無理に会話を続ける必要はありません。
受験生への声かけで大切なのは、正しい言葉を暗記することではなく、子どもの状態に合わせて伝え方を調整することです。
執筆者プロフィール

※この記事は、個別指導塾で3年間の教室長経験があり、受験メンタルトレーナー資格を保有する篠原恵理が執筆しています。小学生・中学生の学習面や精神面のサポート、保護者対応に携わってきた経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
篠原恵理は、勉強への不安や意欲の低下、テスト前の焦り、受験期のストレスなど、生徒が抱える心理的な悩みへの対応を得意としています。保護者の声かけや接し方についても、親子が安心して受験に向き合えるよう、具体的で実践しやすい方法を紹介しています。
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