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「勉強しなさい」と言えば反発されそうで、かといって口を出さずにいると、何もしていない気がしてしまう。
模試の判定や点数を前に、そんな行き詰まりを感じて「高校受験 親ができること」を調べ直している方もいるかもしれません。
先に結論をお伝えします。
親にできるのは、勉強の中身に入ることではありません。
食事・睡眠・手続きといった生活と環境の実務を担い、子どもの状態を見て「声をかける・見守る・預ける」を選ぶことです。
受験メンタルトレーナーの篠原恵理が、保護者の方の相談を受ける中でお伝えしてきた内容をもとに、7つの具体策と判断基準、塾や学校に任せる範囲を整理しました。
結果を保証する方法ではありませんが、今日やることとやらないことを絞る材料になればと思います。
記事のポイント
- 高校受験で親ができる7つのサポート
- 声をかけるとき・見守るときの判断基準
- 親がやらなくていいことと役割分担
- 出願準備から入試当日まで親ができること
結論|高校受験で親ができることは生活の支えと役割分担

親にできるのは、勉強を教えることではなく、子どもが勉強に向かえる状態を家庭から支えることです。
この章で、その範囲と7つの全体像を先に示します。
高校受験で親ができることの定義と7つの一覧
本記事でいう「親ができること」とは、子どもが勉強に向かえる状態を、家庭から支える行動を指します。
勉強の中身を教えることや、進捗を管理することは含みません。
「親がやること」「親がすべきこと」と言い換えても、範囲は変わりません。
具体的には、次の7つです。
- 食事と睡眠を守り、家を休める場所にする
- 机に向かわない間は、勉強の話をいったん休む
- 落ち着いて勉強できる場所と時間を整える
- 夜食・体調管理・入試情報と出願期限を担当する
- 休憩後の初動で、きっかけになる声をかける
- 弱音が出たら、助言せず気持ちを受け止める
- 勉強の中身や教科の悩みは、塾や学校に任せる
7つは実施する順番ではありません。
子どもが疲れているときと、出願期限が迫っているときでは、優先するものが変わります。
今の子どもの様子に合うものから選んでください。
親の役割は監視ではなく、生活・環境・手続きの実務
親の役割は、「勉強の監視」から切り離して考えます。
親が担当するのは、夜食、出願スケジュールの管理、体調管理です。
勉強の中身は、塾などに預けてかまいません。
親がすべてを背負い、監督のように管理してしまうと、親子とも息が詰まります。
勉強の話をしないことは、何もしないことではありません。
子どもが休める場所と、手続きを任せられる安心感をつくること。それが家庭の役割です。
学習状況を一切聞いてはいけない、という意味でもありません。
本人が助けを求めていることと、自分で進めたいことを分けて考えてください。
高校受験で親ができること7選|生活・環境・手続き・声かけ・連携

では、具体的に何をすればよいのでしょうか。
生活・環境・手続き・声かけ・連携の順に、7つを説明します。
① 食事と睡眠を守り、家を休める場所にする
話もせず机にも向かわない子には、まず温かい食事と睡眠を整えるよう、保護者の方にお伝えしています。
この状態では、勉強環境より先に、生活の土台を整えることを優先します。
睡眠について、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、中高生の推奨睡眠時間を8〜10時間としています。
遅くまで机に向かっていても、睡眠が削られている日が続くなら、見直す余地があります。
朝食や夜食で生活リズムを保ち、家を休める場所にしておく。
親にできる最初の支えです。
② 机に向かわない間は、勉強の話をいったん休む
机に向かわない子の前で、親が数字を見て焦るほど、口から出る言葉は強くなりがちです。
勉強の話題をいったん休めば、体調と気持ちを立て直す時間がとれます。
すべての子に当てはまる方法ではありません。
合う子の状態や、休む期間の考え方、早めに相談したほうがよい場合は、次の判断基準の章で扱います。
勉強の話を休んでも、出願など期限のある準備まで止める必要はありません。
③ 落ち着いて勉強できる場所と時間を整える
勉強する場所と時間は、親が決めるより、本人に聞いて整えるほうが現実的です。
リビングのほうが落ち着く子もいれば、自室でないと集中できない子もいます。
家庭では、次の点を確認してみてください。
- 机の上に勉強の邪魔になる物が多くないか
- スマートフォンの置き場所を決めているか
- 家族の生活音が気になる時間帯はないか
- 自宅以外に利用できる自習室などがあるか
どこなら続けられそうかは、本人に尋ねて決めてください。
環境づくりの目的は、勉強を強いることではなく、始めやすい条件を揃えることです。
スマホやゲームの使い方が気になるときは、親子で話し合って決める方法があります。
進め方は、中学生のスマホルールで紹介しています。
④ 夜食・体調管理・入試情報と出願期限を担当する
夜食、体調管理、入試情報の収集、出願期限の管理は、親の担当として切り分けやすい実務です。
入試の日程や出願方法は、都道府県の教育委員会が出す入学者選抜の実施要綱や、志望校の募集要項に載っています。
保護者が確認したいのは、次の項目です。
- 出願情報の入力期間と必要書類の提出期限
- Web出願システムの利用方法
- 顔写真のデータ規格など必要な準備
- 検定料・入学手続き費用と納付期限
- 試験日・合格発表日・入学手続きの日程
公立・私立とも、Web出願システム(miraicompassなど)を使う学校があります。
東京都の場合を例にします。
東京都教育委員会は、2026年9月17日に令和9年度(2027年度)の都立高校入学者選抜実施要綱を公表しました。
推薦に基づく選抜などでは、インターネット上の専用サイトへの入力が必要です。
入力は、各選抜の願書受付期間の最終日までに行います。
その他の出願書類は、期間内に必着するよう郵送します。
参考:東京都教育委員会|令和9年度都立高校入学者選抜実施要綱
制度は都道府県によって異なります。お住まいの地域の最新情報は、教育委員会と志望校の募集要項で確認してください。
検定料や入学手続きの費用も、自治体や学校で異なります。
金額と納付期限は、募集要項で個別に調べておくのが確実です。
⑤ 休憩後の初動で、きっかけになる声をかける
声をかける場面のひとつが、休憩から勉強へ切り替える初動です。
「勉強しなさい」と指示するのではなく、動き出すきっかけになる言葉を選びます。
目的は、言葉を言い換えることより、動き出す手前の一歩を軽くすることです。
具体的な言葉の例は、次の判断基準の章で紹介します。
本人が自分で決めた時間に取り組めているなら、何度も声をかける必要はありません。
⑥ 弱音が出たら、助言せず気持ちを受け止める
本人が自分から弱音を出したときは、助言や説教をせず、感情をそのまま受け止めるよう、保護者の方に伝えています。
「どうすればいいか」を答えようとすると、子どもは話すのをやめてしまうことがあります。
聞くことを優先して、解決は急がないでください。
話を受け止めたあとで、本人が具体的な助けを求めたら、一緒に必要な支援を考えられます。
勉強の悩みの解決は、次の⑦のとおり、塾や学校に任せられます。
⑦ 勉強の中身や教科の悩みは、塾や学校に任せる
教科の苦手や学習計画、過去問の使い方といった勉強の中身は、学校や塾のプロに預けてかまいません。
丸投げではなく、役割を切り分けることです。
教科の悩みを子どもから聞いたときは、「塾の先生や学校の先生に聞いてみる?」と橋渡しをする程度で十分です。
塾に通っていなくても、中学校の教科担当や進路指導担当に相談できます。
親が答えを出そうとしなくても、子どもを支えることはできます。
担当を分けた全体像は、後半の比較表にまとめています。
判断基準|子どもの状態で、声をかける・見守る・任せるを選ぶ

同じ声かけでも、助けになる場合と負担になる場合があります。
見分ける手がかりは、子どもの行動の状態です。
場面ごとに、声をかける・見守る・任せるのどれが合うかを整理します。
見守る場面:机で手が止まる・成績表を見て黙る・仮眠中
私は、声をかけるか見守るかを考える際、子どもが机に向かって考えているのか、勉強を始めようとしているのか、疲れて休んでいるのかといった行動の状態を手がかりにしています。
次の3つの場面では、見守ることを保護者の方に勧めています。
- 机に向かってテキストを開いているとき。手が止まっていても、口を挟みません。
- 模試の成績表を見つめて、黙り込んでいるとき。
- 疲れてぼんやりしているとき、または仮眠をとっているとき。
どの場面でも、本人が状況を受け止めようとしている最中かもしれません。
親が口を出すと、気持ちの整理を邪魔してしまうことがあります。
黙っていることや眠っていることだけで、本人の健康状態は判断できません。
強い落ち込みや、普段と明らかに違う様子があるときは、見守ることにこだわらず、必要な対応を考えてください。
声をかける場面:初動・食事と就寝・弱音を出したとき
声をかけるのは、次の3つの場面です。
- 休憩から勉強へ切り替える初動のとき
- 食事や就寝など、生活リズムに関わる場面
- 子どもが自分から弱音や相談を口にしたとき
初動では、「○時になったら声かけようか?」「お茶を淹れようか?」のように、行動のきっかけを作ります。
弱音が出たときは、助言や説教をせず、感情をそのまま受け止めます。
言葉選びの具体例は、別記事の受験生に言ってはいけない言葉に譲ります。
この記事では、どの場面で声をかけ、どの場面で黙るかの判断までを扱います。
動かない子は、サボりではなく動けない状態かもしれない
やる気がないように見える子について、保護者の方からは「受験のタイムリミットが迫っているのに、本人に危機感が伝わらない」という焦りや苛立ちについて相談を受けることがあります。
親は模試の判定や点数を見て焦ります。
子どもはスマートフォンやゲームをしていて、平然として見えます。
そのギャップから強い言葉をぶつけてしまうパターンは、相談でも非常に多く挙がります。
話もせず机にも向かわない状態について、私は「反抗やサボりと決めつけず、プレッシャーや疲労で、自分でもどうしていいか分からなくなっている可能性も考えてください」という趣旨でお伝えしています。
疲労やプレッシャーが背景にある可能性を考えると、親の対応は変わってきます。
やる気が出ない原因や、放置してよいかの議論は、別記事の勉強しない中学生への対処法やほっとくのは正解かで扱っています。
勉強の話を3日間休む|条件と、早めに相談すべき場合
動けない状態の子に対して、私は「3日間は勉強の話題を封印して、体調の回復を最優先に」と保護者の方に伝えています。
対象は、話もせず机にも向かわない状態の子です。
机に向かえている子や、自分から勉強を始められる子に、勉強の話をやめるよう勧めるものではありません。
この間、親がやることは、温かい食事と睡眠を整えることです。
3日間は目安で、すべての家庭に当てはまる決まりではありません。
勉強の話を休んでも、期限のある準備は止められません。
出願や学校との連絡は、親子の会話とは別に進めてください。
休養だけで様子を見る範囲にも、限りがあります。
体調や気持ちの落ち込みが強い、学校を休みがちになるなど、いつもと明らかに違う様子が続くときは、家庭だけで抱えないでください。
担任の先生、スクールカウンセラー、自治体の教育相談センターなどに相談してください。
自傷行為や差し迫った危険がうかがえる場合は、勉強への対応より安全の確保を優先します。
すぐに学校や医療機関、公的な相談窓口につないでください。
勉強の話を休むことは、子どもを放置することではありません。
相談方法については、厚生労働省「ご家族と学校の連携、相談の仕方」で確認できます。
状態別早見表|子どもの状態・親の行動・やらないこと
ここまでの内容を、子どもの状態別に整理します。
迷ったときに、様子から親の動きを選ぶ表として使ってください。
| 子どもの状態 | 親の行動 | 避けたい行動 |
|---|---|---|
| 話もせず、机にも向かわない | 体調や気持ちの状態を確かめ、食事と睡眠を支える。状況に応じて勉強の話題をいったん休む。 | サボりと決めつけること、進捗を問い詰めること。 |
| 机に向かい、手が止まっている | 考えている途中かもしれないため、まずは見守る。本人が助けを求めたら応じる。 | すぐに進捗を尋ねたり、考えを遮ったりすること。 |
| 模試の成績表を見て黙っている | 結果を受け止める時間を尊重する。落ち込みが強い場合は、様子を確かめて話を聞く。 | 点数や判定を責めること、すぐに感想や助言を求めること。 |
| 疲れてぼんやりしている、または仮眠中 | 休息を優先し、睡眠不足や体調の変化を確認する。普段と違う様子が続く場合は相談する。 | 無理に起こして勉強を促すこと、不調を見過ごすこと。 |
| 休憩から勉強へ切り替えるとき | 本人の希望を確かめ、必要なら勉強を始めるきっかけになる言葉をかける。 | 「勉強しなさい」と繰り返し指示すること。 |
| 食事・就寝の時間 | 食事や就寝の時間を穏やかに知らせ、生活リズムを整える。 | 食卓で成績を責めること、睡眠を削るよう促すこと。 |
| 自分から弱音や相談を口にした | まず気持ちを受け止め、最後まで話を聞く。本人が助けを求めたら一緒に考える。 | 説教すること、求められていない助言で話を終わらせること。 |
| 強い心身の不調や普段と違う様子が続く | 担任やスクールカウンセラー、医療機関などに早めに相談する。差し迫った危険があれば安全確保を優先する。 | 受験を優先し、家庭だけで様子見を続けること。 |
表の「見守る」「声をかける」「話もせず机にも向かわない」の行は、私が保護者の方に伝えている内容に基づいています。
「やらないこと」の列と最終行は、その考え方から整理した例です。
迷ったら、「今の子どもは、動き出す手前か、考え中か、疲れているか」を見るところから始めてください。
高校受験で親がやらなくていいこと|監視・口出し・抱え込み

進捗の確認や「早くやりなさい」の連呼が、かえって親子を追い詰めることがあります。
手放してよい役目と、親自身が苦しいときの頼り先を整理します。
問題集の進捗を細かくチェックする役目は、親から外してよい
進捗チェックが裏目に出る流れを、個人を特定しない一般化した典型例として紹介します。
模試の判定が伸び悩み、親が不安から問題集の進捗を細かく確認するようになります。
「早くやりなさい」が増え、子どもは部屋に閉じこもります。
子どもが部屋に閉じこもると、会話が途絶え、親も追い詰められていきます。
進捗を見る役目は、塾の担当講師など、勉強の中身を扱う人に預けられます。
親が点数や進み具合を毎日追わなくても、子どもを支える方法はあります。
毎日確認するか、まったく確認しないかの二択ではありません。
本人との合意があり、負担にならない範囲で情報を共有する形もあります。
勉強の中身や入試戦略を、親が一人で背負わなくてよい理由
勉強の中身や入試戦略を、家庭だけで抱える必要はありません。
親世代が受けた入試と出題の傾向が異なる場合もあり、教え方の違いが親子の衝突につながることもあります。
教科の悩みや入試戦略は、学校や塾の先生に相談できる内容です。
親が一人で抱え込まず、専門家に預けることも、子どもを支える選択のひとつだと私は考えています。
預けるといっても、関心を手放すわけではありません。
親は食事や出願の実務を受け持ち、勉強の中身は学校や塾の先生に任せます。
この線引きは、次の比較表で整理しています。
親が苦しいときの相談先:塾の先生・第三者・スクールカウンセラー
親自身が苦しいときは、塾の先生・第三者・スクールカウンセラーに、正直に弱音を話して役割を分担するよう、保護者の方に勧めています。
学校に配置されているスクールカウンセラーは、児童生徒だけでなく、保護者の相談にも応じる役割があります。
利用の可否や予約の方法は、学校や自治体によって異なります。
身近な第三者として、塾の先生に話す方法もあります。
親自身の心身の不調が強いときは、医療機関への相談も検討してください。
親の気持ちの整理そのものは、別記事の「親がしんどい」と感じてしまうで扱っています。
この記事では、頼る先を具体的に持っておくところまでにとどめます。
勉強の進め方や苦手教科への対応を、親だけで抱える必要はありません。
家庭教師の銀河は、高校受験対策に対応し、家庭学習の習慣づくりも支援しています。
学校や塾以外の相談先を探している方は、無料体験で指導方法を確認してみてください。
役割分担の比較表|親が担当すること・塾や学校に任せること

親が受け持つことと、塾や学校に任せることを、項目ごとに並べました。
迷ったときに、自分の担当かどうかを照らし合わせる材料にしてください。
食事・出願手続き・教科の悩み・勉強の中身を担当別に比較
次の表で、4つの項目について、親(家庭)と塾・学校の担当を比べます。
塾や学校の対応範囲は、通っている先によって異なります。
| 項目 | 親(家庭)が担当すること | 学校・塾に相談・依頼できること |
|---|---|---|
| 食事・睡眠・体調管理 | 食事と休息の環境を整え、睡眠時間を確保しやすくする。入試前日・当日の体調や持ち物を確認する。 | 体調不良時の欠席連絡や学習計画の調整について相談する。強い不調がある場合は医療機関にも相談する。 |
| 入試情報・出願手続き | 募集要項を確認し、本人と相談しながら出願日程を管理する。必要に応じてWeb出願、顔写真、検定料の支払いなどを支援する。 | 中学校は調査書など必要書類の作成・提出手続きを担当する。志望校や併願について学校・塾に相談できる。 |
| 勉強の中身・教科の悩み | 教科の指導や細かな進捗管理を一人で背負わない。本人が望む場合は、学習状況を共有し、相談先につなぐ。 | 苦手単元や勉強方法の相談に応じる。必要に応じて学習計画や過去問対策について助言する。 |
| 気持ちの支え・相談 | 家を安心して休める場所に整え、子どもの弱音を受け止める。親自身が苦しいときも一人で抱え込まない。 | 担任や塾の担当者に学習・進路の悩みを相談できる。学校のスクールカウンセラーには心理面の相談もできる。 |
※役割分担は一般的な目安です。出願手続きは自治体・学校・選抜方式によって異なります。塾の学習管理や相談対応の範囲も各塾によって異なるため、個別に確認してください。
表のとおり、親の担当は生活と手続きに集まります。
学習の判断は、塾や学校の側で受け持てます。
担当を分けることは、親が関わらなくなることを意味しません。
志望校の選択や学習への取り組みは、本人の意思が中心です。
役割を分けた家庭の一例:自習室に行く・塾で質問する
個人を特定しない一般化した例として、役割を分けた家庭の流れを紹介します。
進捗を細かく確認していた家庭で、親の担当を夜食、出願スケジュールの管理、体調管理に限定しました。
勉強の相談は、塾の担当講師に任せる体制にしています。
家庭内の緊張が緩み、子どもが自習室に行ったり、過去問について塾で質問したりと、自分から動き出すようになりました。
変化が、親の対応だけで起きたとは言い切れません。
塾の指導や本人の気持ちなど、複数の要因が重なっている可能性があります。
役割を分ける方法を試す価値はあっても、結果を保証するものではありません。
志望校・出願・当日|親が受け持つ範囲を最低限だけ整理する

志望校選びから当日まで、親の出番は多くありません。
情報の整理と出願の段取り、残り期間が短いときの考え方、当日の範囲を扱います。
志望校は本人が決め、情報整理と出願の段取りを親が担う
志望校を決めるのは本人です。
親は、判断に必要な情報の整理と、出願までの段取りを引き受けます。
偏差値だけでなく、通学時間、学科・コース、学校の雰囲気、卒業後の進路など、比べる材料はいくつもあります。
説明会の日程を調べたり、通学条件を整理したりするのは、親が手を貸せる部分です。
親が気に入った学校でも、本人の希望を聞かずに決めることは避けたいところです。
志望校と現在の学力に差があるときは、中学校の進路指導担当や塾の先生に相談してください。
情報の出どころは、都道府県の教育委員会が出す入試情報と、志望校の募集要項です。
親が担当しやすい実務は、次のとおりです。
- 募集要項で、出願期間と方法を調べる
- Web出願の場合は、システムの登録と顔写真の用意を進める
- 検定料の額と納付期限を調べる(金額は自治体や学校で異なります)
- 中学校に、調査書の発行を依頼する時期を尋ねる
出願情報の入力と支払いの締切は、別々に設けられている場合があります。
日程表にまとめて、家族で共有しておくと見落としを防げます。
残り期間が短いときは、続けられる行動から選ぶ
受験まで残り2か月ほどで、成績にも不安があるとき、焦って全部をやろうとする必要はありません。
7選の中から、今の子どもの状態で続けられるものを選びます。
7選のうち、睡眠と食事の土台と、出願や持ち物といった手続きの抜けを防ぐことは、時間が限られていても親が受け持てる範囲です。
勉強の優先順位は、塾や学校の先生に相談して決めてもらえます。
前日・当日に親が受け持つ範囲:体調・持ち物・送り出し
前日・当日に親が受け持つのは、体調、持ち物、送り出しの3つです。
持ち物は、教育委員会や学校が出す受検者心得で定められています。
Web出願をした場合は、受検票を自宅で印刷する学校もあります。
時計はスマートフォンが使えないため、通信機能のない時計を指定されることがあります。
上履きの要否や、交通機関の遅延時の連絡先も、前日までに調べておくと安心です。
送り出しの声かけは、体調と持ち物の確認にとどめるほうが無難です。
当日の朝に勉強の話を持ち出すと、本人の緊張を高めるかもしれません。
付き添いや送迎が必要かどうかは、本人の希望や交通事情を踏まえて決めてください。
高校受験生の親の心得|安心して休める家庭をつくる

合否で、親の価値や子育ての良し悪しは決まりません。
この考え方と、日々の関わり方を見直す5つの項目を紹介します。
合否は子育ての通信簿ではない
親が追い詰められているとき、私は保護者の方に、まず気持ちに共感したうえで、次のようにお伝えしています。
「合否は子育ての通信簿ではない」ということです。
合格しても、不合格でも、親の価値や子育ての良し悪しを決めるものではありません。
もうひとつ、「家庭は子どもが休める港」という考え方もお伝えしています。
親の役割は、子どもを管理することではなく、安心して休める場所をつくることです。
何もしていないと感じる日があっても、食事を用意し、家庭を落ち着いた場所に保つことは、れっきとした支えです。
今日の関わり方を見直すチェックリスト
今日1日の関わり方を、次の5項目で振り返ってみてください。
当てはまらない日があっても、自分を責める必要はありません。
- 勉強の進み具合を、子どもに細かく尋ねなかった
- 食事や睡眠を、子どもが休める形で用意できた
- 子どもが弱音を出したとき、説教せずに聞けた
- 出願の予定や持ち物など、親の担当分を進められた
- 自分自身が苦しいとき、誰かに話せた、または話す先を思い浮かべられた
「できなかった」が多い日は、明日どれか1つだけ選んで試す、くらいで十分です。
【Q&A】高校受験で親ができることのよくある質問

本文で触れきれなかった補足や、判断に迷いやすい点に答えます。
Q. 親が子どもと一緒に勉強するのは、効果がありますか?
A. 本人が望み、親子とも負担にならないなら選択肢になります。
一緒に勉強する必要はありません。
高校入試では、親世代の入試と出題の傾向が異なる場合があります。
教え方の違いから、感情的な衝突につながることもあります。
近くで親が自分の作業をしているほうが落ち着く子もいれば、一人で集中したい子もいます。
大切なのは、一緒に勉強することではなく、本人が取り組みやすい状態になっているかどうかです。
教科の質問は、塾や学校の先生に預けるほうが、親子ともに楽になります。
Q. 声をかけても反応がない状態が続くとき、誰に相談しますか?
A. まず、学校の担任の先生、通っている塾の担当者、学校のスクールカウンセラーに相談してください。
自治体の教育相談センターも窓口になります。
文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)は、24時間受け付けている相談窓口です。
保護者からの相談も受け付けています。
学習の悩みなら学校や塾、強い心身の不調があるときはスクールカウンセラーや医療機関、と相手を分ける方法もあります。
Q. 成績が低く受験まで時間がなくても、親にできることは?
A. あります。
食事と睡眠の土台を守り、出願や持ち物といった手続きの抜けを防ぐことは、今からでも続けられます。
教科の優先順位や、残りの期間の勉強の組み立ては、塾や学校の先生に相談してください。
この記事の内容で、結果が保証されるわけではありません。
親が担当を絞ることで、子どもが勉強に向かう余裕を残しやすくなります。
Q. 親が勉強に口を出すと、失敗しますか?
A. 口を出すこと自体が、すぐ失敗につながるとは言い切れません。
子どもが勉強方法について相談してきたなら、一緒に考えられます。
机に向かっている最中や、模試の結果を受け止めている場面での口出しは、負担になりやすいと考えられます。
声をかけるなら、勉強を始める初動や食事・就寝の節目に絞るのが目安です。
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まとめ:高校受験で親ができること

最後に、要点と迷ったときの判断基準、今日の行動を整理します。
記事の重要ポイント
高校受験で親ができることは、子どもが勉強に向かえる状態を、家庭から支える行動です。
食事と睡眠、勉強する場所と時間、夜食・体調・出願の実務、初動の声かけ、弱音の受け止め、塾や学校との役割分担の7つに整理できます。
勉強の中身や進捗の管理は、親から外してかまいません。
動けないように見える子は、疲れやプレッシャーで動けない状態かもしれません。
親が苦しいときは、塾の先生や第三者に預けることも、役割分担のひとつです。
迷ったときの判断基準と次の行動
迷ったときは、今の子どもの状態を、次の3つに当てはめてみてください。
- 動き出す手前の初動、食事や就寝の場面、弱音を出した場面なら、声をかける
- 机で手が止まっている、成績表を見て黙っている、疲れて休んでいる場面なら、見守る
- 教科の悩みや入試戦略なら、塾や学校に預ける
強い心身の不調が続くときは、勉強より先に、学校や専門機関への相談を考えてください。
今日の行動は、1つで十分です。
温かい食事を用意する、勉強の進み具合を尋ねるのをやめる、出願日程を調べる。子どもの状態に合うものを選んでください。
自分を責めすぎず、一人で抱え込まないことも、この受験期を乗り切るための大事な準備です。
執筆者プロフィール

※この記事は、個別指導塾で3年間の教室長経験があり、受験メンタルトレーナー資格を保有する篠原恵理が執筆しています。小学生・中学生の学習面や精神面のサポート、保護者対応に携わってきた経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
篠原恵理は、勉強への不安や意欲の低下、テスト前の焦り、受験期のストレスなど、生徒が抱える心理的な悩みへの対応を得意としています。保護者の声かけや接し方についても、親子が安心して受験に向き合えるよう、具体的で実践しやすい方法を紹介しています。
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