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○ばかりの通知表を見て、それが平均的なのか少ないのか判断できず、検索窓に「平均」と打ち込んでしまった。
そんな保護者の方に、私が塾の現場で実際に伝えている判断軸をお伝えします。
個数や割合だけでは、お子さんの状態は分かりません。
記事のポイント
- よくできるの平均個数は決まっていません
- まるばかりの通知表でも心配しなくて大丈夫です
- 観点別の内訳や前学期からの変化を見ましょう
- 担任への上手な確認方法が分かります
小学校通知表「よくできる」に全国共通の平均はない

「平均は何個?」という疑問に、まず結論からお答えします。
- 全国共通で「○個なら平均」という基準は定められていません
- 3段階評価の人数割合も全国一律ではありません
- 10個・15個・20個だけでは学年内の順位は分かりません
- 「できる」が多いだけで学力不振とは判断できません
- 前学期との変化・観点別評価・低評価の継続・所見欄を確認することが大切
「よくできる」が何個なら平均かは一律に決められない
小学校の通知表は、クラス内で上位何%に「よくできる」を付けるという仕組みではありません。
文部科学省が示す「目標に準拠した評価」に基づいて、あらかじめ決められた学習目標にどこまで到達したかで評価が決まります。
これは、集団の中での相対的な位置を測る評価とは異なる仕組みです。
そのため、「よくできるが○個なら全国平均」という共通基準そのものが定められていません。
私の指導現場でも、保護者の方から「平均は何個ですか」とご質問をいただくたびに、まずこの前提からお話ししています。

3段階評価の割合も全国一律には決まっていない
「よくできる1〜2割」「20項目なら4個程度」といった数値をネットで見かけた、という声もよくいただきます。
ですが、目標に準拠した評価では、クラス全員が目標を十分に達成すれば、理論上は全員に「よくできる」が付く可能性もあります。
「○評価は上位○%まで」というような事前の配分枠は設定されていません。
つまり「よくできるは1〜2割」という数字は、全国共通の基準としてお伝えできるものではないということです。

○ばかりでも必要以上に心配しなくていい
「できる」ばかりの通知表を見て、不安になる保護者の方は少なくありません。
学校によって通知表の表記や具体的な基準は異なりますが、「できる」は一般に、学習目標への到達状況を示す中間の評価として使われています。
そのため、「よくできる」が少なく「できる」が多いという理由だけで、学力不振と判断することはできません。
「できるが多いのは問題でしょうか」というご相談は、私の現場でも毎学期のようにお受けします。
そのたびに、この点をまずお伝えしています。

平均より「どこに評価が付いたか」を見る
「よくできる」の個数を全国平均と比べること自体に、あまり意味がありません。
私が保護者の方に必ずお伝えしているのは、個数ではなく「どの教科の、どの観点に評価が付いているか」を見てくださいということです。
この視点を持てるかどうかが、次の学期の家庭学習の方向性を決める分かれ目になります。
「よくできる」10個・15個・20個はどう見る?

「うちの子は10個だった」「15個もらえた」という個数そのものについて、それぞれどう受け止めればよいかを見ていきます。
「よくできる」10個でも平均以上とは断定できない
通知表の評価項目数や様式は、学校や学年によって異なります。
そのため「10個」という数字だけを見ても、それが評価項目全体に占める割合まで同じとは限らず、多いのか少ないのか単純には比較できません。
「10個だったのですが普通でしょうか」というご相談を受けたときは、まず総項目数を確認していただくようお伝えしています。
10個という数字そのものより、どの教科に付いているかを一緒に確認する方が、次の学習に役立ちます。

「よくできる」15個は内訳と前学期を確認する
15個という総数も、それだけで学年上位かどうかは判断できません。
私が実際に見るのは、15個のうちどの教科・どの観点に偏っているか、そして前学期と比べて増えたのか減ったのかという2点です。
得意な教科に集中しているのか、複数教科にバランスよく付いているのかで、次に伸ばすべき方向は変わってきます。
総数を眺めるより、この2つの視点で見ていただく方が、家庭学習の計画を立てやすくなります。

「よくできる」20個でも学年上位とは限らない
「20個ももらえた」という結果は、素直に前向きに受け止めていただいて大丈夫です。
ただし、それが「クラスで何番目か」という相対的な順位を意味するわけではありません。
評価の総数と相対順位は、切り分けて考える必要があります。
20個という結果に満足しつつ、次に何を目標にすればよいか分からないというご相談を受けたときは、評価総数ではなく、担任の所見欄に書かれた内容から次の目標を一緒に探すようにしています。

「よくできる」が3割でも割合だけでは判断できない
「3割ぐらいが『よくできる』で、残り7割が『できる』でした。
喜んでいいのか分かりません」というご相談は、私の現場でも本当によくいただきます。
この割合だけを見て、多い・少ないを全国基準で判定することはできません。
評価項目数や前学期の割合、観点別の内訳まで確認して初めて、状況が見えてきます。
以下の早見表で、個数・割合ごとに「判断できること」と「判断できないこと」を整理しました。
| よくできるの数・割合 | 判断できること | 判断できないこと | 次に見る場所 |
|---|---|---|---|
| 10個 | 高評価の項目が複数ある | 全国平均以上か | 観点・前学期 |
| 15個 | 得意な項目が多い可能性 | 学年上位か | 教科別内訳 |
| 20個 | 高評価項目が多い | クラス順位 | 評価総数・所見 |
| 約3割 | 一定数の最高評価がある | 多い・少ないの全国判定 | 前学期・観点 |
この表で共通しているのは、どの個数・割合であっても「次に見る場所」が用意されているという点です。
数字から順位を推定するのではなく、次の章でご紹介する4つの判断基準に戻って確認していただくのが、私が現場でお伝えしている方法です。
塾現場で通知表を見るときの4つの判断基準

私が実際の指導現場で通知表を確認するときに使っている、具体的な4つのステップをご紹介します。
面談で多かったのが、初めて通知表を受け取る小学1・2年生の保護者の方からのご相談、そして「二重丸(◎)が前より減った」という中・高学年の保護者の方からのご相談、テストで90点以上を取っているのに「よくできる」が少ないというご相談です。
これらのご相談の多くは、「何個か」そのものより、「前より減った=学力が落ちたのではないか」という比較への不安から来ています。
この不安を解消するために、通知表を手元に置いて、次の4点だけ順番に確認してみてください。
- 前学期から変わった教科・観点はどこか
- 得意・苦手はどの観点に表れているか
- 同じ低評価が複数学期続いていないか
- 所見欄に強み・課題として何が書かれているか
基準1|前学期から変わった評価を確認する
まず見ていただきたいのは、◎の個数が何個増えた・減ったかではありません。
大切なのは、どの教科の、どの観点の評価が変わったのかという中身です。
前学期の通知表と並べて、次の点を確認してみてください。
- 評価が上がった・下がった教科はどこか
- どの観点の評価が変わったのか
- 複数の教科で同じような変化が起きていないか
- 前学期から同じ低い評価が続いていないか
「二重丸が2個減ったので、成績が落ちたのでしょうか」という相談を受けたときも、私は二重丸の総数ではなく、まずどの教科・観点が変わったのかを確認していました。
例えば、1つの教科の1つの観点だけ評価が変わったのであれば、それだけで「学力が下がった」と判断することはできません。
◎の増減だけを見るのではなく、「どこが変わったのか」まで確認することが、通知表を読み取る最初のポイントです。

▶文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」
基準2|観点別評価で得意・苦手を見る
私が実際に通知表を確認するとき、◎の合計数よりも重視しているのが観点別評価です。
通知表を見ながら、主に次の3つの観点を確認してみてください。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 知識・技能 | 学習した内容を理解し、必要な知識や技能が身についているか |
| 思考・判断・表現 | 学んだ知識を使って考えたり、自分の考えを表現したりできているか |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 粘り強く学習に取り組み、自分の学習を振り返りながら調整しようとしているか |
例えば、「知識・技能」は高く評価されている一方で、「思考・判断・表現」の評価が低ければ、◎の総数だけを見ていては分からない課題が見えてきます。
塾で復習内容を考える際も、私はこうした観点別の内訳を材料の一つとして確認してきました。
「よくできる」が何個あるかだけでなく、どの観点が得意で、どの観点に課題があるのかを見ることが、次の学習内容を考える手がかりになります。
観点別評価や通知表の項目を通じて、国語の読解力や語彙などに根本的なつまずきが見つかった場合は、「小学生の国語勉強法と苦手の原因を見つけて伸ばす方法」も参考に家庭での学習アプローチを確認してみましょう。
基準3|低い評価が続く項目を確認する
一度だけの低い評価と、複数学期にわたって続いている低い評価は、分けて考える必要があります。
「『もう少し』が1つ付いただけで心配になった」というご相談もありますが、まずは次の点を確認してみてください。
- どの教科・観点に低い評価が付いているか
- 前学期にも同じ教科・観点で低い評価が付いていたか
- 複数の教科で低い評価が続いていないか
- 所見欄に関連する課題が書かれていないか
一度だけ低い評価が付いたからといって、それだけで大きな問題があるとは判断できません。
同じ教科・観点で低い評価が複数学期続いている場合は、継続的な課題がないか確認する手がかりになります。
私が塾で復習内容を考える際も、こうした「低い評価がどこに付き、どのくらい続いているか」を確認し、家庭学習や復習で優先する内容を考える材料の一つにしてきました。

基準4|担任の所見欄まで確認する
記号だけでは分からない、お子さんの学習の様子や強み・課題を確認するために、担任の所見欄まで目を通すことが大切です。
所見欄では、次のような内容に注目してみてください。
- 授業や学習で評価されている強みは何か
- 努力や成長が書かれている教科・活動はあるか
- 今後の課題や伸ばしたい点が書かれていないか
- 観点別評価と関連する記述がないか
例えば、◎の数が前学期より減っていても、所見欄に具体的な成長や努力が書かれていれば、個数だけでは分からなかったお子さんの変化を確認できます。
反対に、同じ低い評価が続いている場合は、所見欄にその背景を考えるヒントがないか確認してみましょう。
「評価の記号を見る → 所見欄を読む」までをセットにすることで、次の学期に家庭で何を意識すればよいかを考えやすくなります。
小学校の3段階評価の割合と3つの観点

「小学校の通知表の3段階評価は、どのくらいの割合でついているものなのか」という疑問に、制度の面からお答えします。
「よくできる・できる・もう少し」の割合は固定されていない
繰り返しになりますが、3段階評価の人数割合は、全国一律に定められているものではありません。
「○評価は上位○%」というような説明を見かけることがありますが、これは制度上の根拠がある数値ではないということを、改めてお伝えしておきます。
学校や学年、担当の先生によって、実際の分布が変わることは十分にあり得ます。

「よくできる・できる・もう少し」の違い
「◎・○・△」「A・B・C」など表記は学校によって異なります。
まずは学校から示された説明を確認したうえで、次のように読み分けます。
| 学校での表記例 | 学校から示された意味 | 人数割合の全国共通枠 | 家庭で確認する点 |
|---|---|---|---|
| よくできる(◎・A) | 目標に対して高い到達状況 | 固定されていない | どの観点に付いたか |
| できる(○・B) | 目標への到達状況を確認 | 固定されていない | ○ばかりでも即問題視しない |
| もう少し(△・C) | 今後の確認が必要な項目 | 固定されていない | 継続しているか |
実際の名称・評価基準は学校の説明資料や通知表本体で確認してください。
指導要録の記載は学校教育法施行規則に基づく法定事項ですが、保護者へ配布する通知表そのものの様式や運用は、学校の裁量に委ねられています。
「知識・技能」は理解や習得の状況を見る
テストの点数は、この観点の大きな判断材料の1つになります。
ですが、テストだけで評価がすべて決まるわけではありません。
学んだ内容をどれだけ理解し、身につけられているかを、テストを含む複数の材料から見ていく観点です。

テストでは高得点を取れるものの「知識・技能」や「思考・判断・表現」の評価で伸び悩む要因になりやすい算数の文章問題については、「算数の文章問題を解くコツとつまずき原因の見分け方」もあわせて参考にしてみてください。
「思考・判断・表現」は考え方や表現を見る
知識を使ってどう考えるか、どう説明するか、どう表現するかを見る観点です。
レポートや発表、話し合いの様子なども評価材料に含まれます。
「テストの点数は良いのに、この観点の評価が伸びない」というご相談を受けることもありますが、この観点はテスト以外の材料も重視されるということをお伝えしています。

「主体的な態度」は挙手回数だけでは決まらない
「手を挙げれば評価が上がる」「ノートがきれいなら高評価になる」といった単純な理解は、実は誤解につながりやすいポイントです。
この観点では、「粘り強く取り組もうとする側面」と「自らの学習を調整しようとする側面」の2つが見られます。
つまり、うまくいかなかったときにどう工夫し直したか、次にどう取り組もうとしたかという姿勢が評価の材料になるということです。
90点・100点でも「よくできる」にならないのはなぜ?

テストで高得点なのに「よくできる」にならない、という戸惑いに、具体的な理由からお答えします。
テスト点だけで通知表全体は決まらない
「90点、100点を取っているのに、なぜ◎が少ないのでしょうか」というご相談は、私の現場でも繰り返しお受けしてきました。
決して珍しいケースではありません。
テストは評価材料の1つではありますが、それだけで総合評価が決まるわけではないということを、まずお伝えしています。

観点別評価のどこに差があるか確認する
テストは「知識・技能」を確認する評価材料の一つですが、通知表の評価がテストの点数だけで決まるわけではありません。
特に「主体的に学習に取り組む態度」では、文部科学省が示す「粘り強く学習に取り組もうとする側面」と「自らの学習を調整しようとする側面」も踏まえて評価されます。
そのため、テストで90点・100点を取っていても、「90点以上なら必ずよくできる」とは判断できません。
まずは通知表の観点別評価を確認し、どこに評価の違いがあるのかを見ることが大切です。

「90点なら◎」という全国共通基準はない
指導要録は学校教育法施行規則に基づいて作成されますが、保護者に渡される通知表の記載内容や様式は全国で一つに統一されているわけではありません。
そのため、「90点以上ならよくできる」といった全国共通の点数基準があるわけではなく、実際の評価規準や評価方法については、学校から配布される資料や通知表の説明を確認する必要があります。
テストの点数と通知表の評価に疑問がある場合も、「先生によって評価が違う」と決めつけるのではなく、まずどの観点でどのように評価されたのかを確認するとよいでしょう。

納得できない場合は担任に評価根拠を聞く
評価に納得がいかないとき、お勧めしているのは、抗議のような形ではなく、確認と相談を目的とした聞き方です。
私自身が保護者の方にお伝えしている聞き方の一例をご紹介します。
「今回の通知表を拝見し、家庭でも子どもの学びをしっかりサポートしたいと考えております。次の学期に向けて、特に家庭で意識して声かけや確認をするとよいポイントがあれば、ぜひ教えていただけないでしょうか」
このような聞き方であれば、担任の先生も具体的な評価の視点を答えやすくなります。
「よくできる」が少ない・ないときはどう見る?

「よくできる」が少ない、あるいはゼロだったときに、どう受け止めればよいかをお伝えします。
「よくできる」が少なくても学力低下とは限らない
◎の総数が少ないというだけで、学力が低下していると判断するのは早計です。
観点別の内訳や前学期との比較、所見欄の内容まで確認していただくことで、初めて状況が分かってきます。

小学1・2年生で「よくできる」がない場合
初めて通知表を受け取る小学1・2年生の保護者の方から、「二重丸が1つもない」というご相談を毎学期のようにお受けします。
このようなときは、まず「できる」がどの教科に付いているかを確認していただきます。
そのうえで、低い評価があるかどうか、所見欄にどんなことが書かれているかを、順番に見ていただくようお願いしています。
初めての通知表だからこそ、個数の少なさよりも、この3点を落ち着いて確認することが大切だと感じています。

「もう少し」が続く項目は優先して確認する
◎を増やすことを目標にするより、「もう少し」が同じ教科・同じ観点で繰り返されていないかを確認する方が、実は家庭学習の役に立ちます。
複数学期にわたって同じ項目に低い評価が続いている場合は、優先して復習単元に組み込むようにしています。
一度だけの低評価であれば、様子を見るという判断も十分にあり得ます。

オール「よくできる」でも順位までは分からない
私が塾で見てきた範囲では、すべての項目が「よくできる」になる通知表を目にする機会は多くありませんでした。
ただし、これは私が見てきた範囲の話であり、全国でどの程度いるかを示すデータではありません。
もしオール◎という結果であれば、それは非常に良い結果として受け止めていただいて構いません。
ただし、それが全国順位や学年順位を示すものではないという点は、変わらずお伝えしています。
○ばかりでも心配しすぎなくていい3つの理由

「できる」が多くても、それだけで学力不振と判断する必要はありません。
まず、次の3点を押さえておきましょう。
- 「できる」は、単純に「悪い評価」という意味ではない
- 二重丸(◎)の総数だけでは、学力や順位は判断できない
- 確認したいのは、低い評価が続いていないか、所見欄に何が書かれているか
この3点を知っておくだけでも、「○ばかりだった」と必要以上に不安になるのを避けやすくなります。
理由1|「できる」は単純な低評価ではない
保護者の方ご自身が小学生だった頃は、5段階の相対評価で「3」が普通、というイメージをお持ちの方が多いと思います。
そのイメージのまま「○=普通=あまり良くない」と捉えてしまうのは、実は誤解です。
学校によって表記や具体的な評価基準は異なりますが、「できる」は一般に学習目標への到達状況を示す評価として使われています。
「よくできる」ではないからといって、「できる=成績が悪い」と考える必要はありません。

理由2|二重丸の総数だけでは成績を判断できない
◎の総数だけを見て一喜一憂する必要はありません。
大切なのは、総数という数字ではなく、どの観点に評価が付いているか、前学期からどう変化したかという中身です。
この視点に切り替えていただくと、保護者の方の不安が具体的な行動へと変わっていく様子を、私は現場でよく見てきました。

理由3|見るべきは低評価の継続と所見欄
◎が少ないこと自体を心配するより、「もう少し」が同じ場所で繰り返されていないか、所見欄に何が書かれているかを見ていただく方が、実際の家庭学習には役立ちます。
私が保護者の方に一貫してお伝えしているのは、この2点への切り替えです。
通知表を見た保護者が避けたい4つの判断ミス

通知表を受け取った直後は、「よくできる」の数やテストの点数だけを見て判断してしまいがちです。
私の現場で実際によく見てきたのは、次の4つの判断ミスです。
- 二重丸の数だけで、ほかの子と比較する
- 前学期より減っただけで、学力が下がったと判断する
- テストの点数だけで、先生の評価を疑う
- 「なんで○ばかり?」と結果だけを責める
通知表は一つの数字だけで判断せず、評価の内訳や前学期からの変化まで確認することが大切です。
二重丸の数だけでほかの子と比較しない
「お友達は20個だったみたいです」というような他のお子さんとの比較は、私の現場でもよく耳にする話です。
ですが、評価項目の総数や学校ごとの運用が異なる以上、この比較自体があまり意味を持ちません。
比較する対象は、他のお子さんではなく、お子さん自身の前学期の記録にしていただくことをお勧めしています。

前より減っただけで学力低下と決めつけない
特に多いご相談が、この「以前より二重丸が減った」という不安です。
学年が上がれば学習内容や各教科で求められる力も変わるため、前学期と単純に個数だけを比べることはできません。
これは全国共通の確定的な傾向とまでは言い切れませんが、単純な個数の増減だけで学力低下と結論づけるのは避けていただきたいと感じています。

テスト点だけで先生の評価を疑わない
前の章でもお伝えした通り、テストの点数と総合評価が一致しないことは珍しくありません。
推測だけで「先生の評価がおかしいのでは」と考えるのではなく、通知表の観点別評価を確認し、必要であれば担任の先生に確認するという手順を踏んでいただくことをお勧めしています。

「なんで○ばかり?」と結果だけを責めない
私が家庭での声かけについて、繰り返しお伝えしていることがあります。
結果だけを見て「なんで○ばかりなの」と問い詰めるのではなく、「どこを頑張ったと思う?」「次はどこを伸ばしたい?」というように、振り返りの方向へ会話を進めていただきたいということです。
結果を責めるより、次の目標を一緒に決める方が、お子さん自身の学習への向き合い方にも良い影響があると、私は現場で感じています。
次の学期に向けて家庭でできること

通知表を受け取ったあと、次の学期に向けて家庭でできる具体的な取り組みをご紹介します。
二重丸より低い評価の理由を先に確認する
「よくできる」を増やすことを、家庭学習のいちばんの目的にする必要はありません。
通知表を受け取ったら、まず次の点を確認してみてください。
- 「もう少し」など低い評価が付いた教科はどこか
- どの観点の評価が低くなっているか
- 前学期から同じ低い評価が続いていないか
- 所見欄に課題や今後のポイントが書かれていないか
大切なのは、二重丸の数を増やすことよりも、お子さんがどこでつまずいているのかを具体的に把握することです。
低い評価の理由が見えてくれば、「算数のこの単元を復習する」「間違えた問題をもう一度確認する」など、次の学期に向けて家庭で取り組むことも決めやすくなります。

間違えた理由まで本人の言葉で振り返る
私が家庭学習で助言してきたのは、間違えた問題をただ解き直して終わりにせず、「なぜ間違えたのか」までお子さん自身の言葉で振り返ってもらうことです。
例えば、次のように確認してみてください。
- 問題文の意味を勘違いしていなかったか
- 覚えていない知識や公式がなかったか
- 計算ミスや書き間違いではなかったか
- 次に同じ問題が出たら、どうすれば間違えないか
大切なのは、保護者が間違いの原因を教えるだけでなく、お子さん自身に「なぜ間違えたのか」「次はどうするか」を考えてもらうことです。
こうした振り返りは、理解を深めるだけでなく、自分の学習状況を振り返り、次の学習方法を考える習慣にもつながります。
ただし、この取り組みをすれば通知表の評価が必ず上がるというものではありません。
あくまで、私が指導現場で家庭学習の方法として助言してきた取り組みの一つです。

次に伸ばす教科を子ども自身に決めてもらう
通知表を見て、保護者の方が「次は算数を頑張ろう」と一方的に目標を決めるのではなく、お子さん自身にも次に伸ばしたいことを考えてもらうことをお勧めしています。
例えば、次のように聞いてみてください。
- 次はどの教科を伸ばしたい?
- 今回、自分で頑張れたと思う教科はどれ?
- もう少しできるようになりたいことはある?
- 次の学期に一つだけ目標を決めるなら何にする?
大切なのは、「二重丸を○個増やす」と評価の数だけを目標にするのではなく、お子さん自身が「次に何をできるようになりたいか」を考えることです。
自分で決めた目標であれば、保護者から一方的に与えられた目標よりも、次の学習に主体的に取り組むきっかけを作りやすくなります。

次の学期に向けて家庭学習のルーティンを見直す際、日々の宿題をダラダラと進めてしまうお子様には、「宿題を早く終わらせる方法とダラダラする原因・親の声かけ」で具体的な声かけや取り組みのコツを確認してみましょう。
担任には家庭でできることを聞く
通知表を見ても評価の理由が分からない場合は、担任の先生に確認してみましょう。
その際は、評価への不満を伝えるのではなく、次の学期に向けて家庭でできることを聞くのがお勧めです。
例えば、次のような点を確認してみてください。
- どの教科・観点を家庭で重点的に確認するとよいか
- 授業中に得意としていること、苦手としていることは何か
- 家庭学習で意識するとよいポイントはあるか
- 次の学期に向けて伸ばしてほしい力は何か
担任の先生には、例えば次のように聞くことができます。
「今回の通知表を拝見し、家庭でも子どもの学びをしっかりサポートしたいと考えております。次の学期に向けて、特に家庭で意識して声かけや確認をするとよいポイントがあれば、ぜひ教えていただけないでしょうか」
「なぜこの評価なのですか」と結果だけを確認するよりも、「次に家庭で何をすればよいですか」という方向で相談することで、具体的な学習や声かけにつながる情報を得やすくなります。
苦手な単元が分からない場合は無学年教材でさかのぼる方法も
通知表を確認して低い評価が続いている教科が見つかっても、「どこまで戻って復習すればいいのか分からない」ということがあります。
そのような場合は、今の学年にこだわらず、理解できていないところまで戻って学習する方法もあります。
例えば、無学年式の学習教材「すらら」は、
- 学年をまたいで、分からないところまで戻って学習できる
- AIドリルで、つまずきの原因を確認しながら学習できる
- 小学生は国語・算数、小学3年生以降は理科・社会にも対応している
- 理解できている内容は先取り学習もできる
といった特徴があります。
大切なのは、「よくできる」を増やすために教材を始めることではありません。
通知表をきっかけに苦手な部分が見つかったとき、学校の教材だけでは復習する場所を決めにくければ、こうした無学年式教材を利用して、つまずいたところまで戻るのも一つの方法です。
【Q&A】小学校通知表のよくある疑問

本文では詳しく扱わなかった周辺の疑問にお答えします。
Q.「よくできる」と二重丸・Aは同じですか?
基本的には同じ意味で使われていますが、表記は学校によって「◎」だったり「A」だったりと異なります。
正確な表記や評価基準は、学校から配布される資料の説明を確認してください。

Q.学年が上がると「よくできる」は減りますか?
学年が上がるにつれて求められる思考力や学習の調整力の水準が上がるため、評価の基準が変わったように感じる場合はあります。
ただし、これを全国共通の確定的な傾向として断定することはできません。

Q.小学校の通知表は中学校の内申点に影響しますか?
小学校の通知表の結果が、そのまま高校入試の内申点に直接加算されることはありません。
ただし、中学校でも観点別学習状況の評価から評定が算出される仕組みがあるため、小学校の段階で自分の得意・苦手を把握しておくことは、中学校以降の学習習慣づくりの土台になります。

Q.学校や先生で評価の付け方は違いますか?
評価の基本的な考え方や観点は学習指導要領に基づいていますが、通知表の表記や様式、具体的な評価方法は学校によって異なる場合があります。
そのため、ほかの学校の「よくできる」の個数や割合と単純に比較することはできません。
評価について疑問がある場合は、まず学校から配布された通知表の説明資料を確認し、それでも分からない点があれば担任の先生に「どのような点を見て評価されたのか」を確認するとよいでしょう。

Q.音楽・図工・体育はどう評価されますか?
実技や作品、活動の様子、振り返りなど、複数の材料を組み合わせて評価されます。
テストのある教科と同じ配点の仕組みがあるわけではないため、全国共通の配点基準としてお伝えできる数値はありません。
まとめ:小学校通知表「よくできる」平均は何個?〇ばかりでも心配しなくていい理由

この記事の要点を整理します。
「よくできる」の平均で押さえる5つのポイント
- 全国共通で「○個なら平均」という基準は定められていません。
- 3段階評価の人数割合も、全国一律には決まっていません。
- 10個・15個・20個という個数だけでは、学年内の順位は分かりません。
- 「できる」ばかりでも、必要以上に心配する必要はありません。
- 見るべきは、前学期との変化、観点別の内訳、低い評価の継続、担任の所見欄です。
○の数より4つの判断基準を確認する
◎の数を数えることよりも、次の4つのステップで通知表を見ていただくことを、私は現場で一貫してお伝えしています。
前学期との変化 → 観点別評価 → 低評価の継続 → 担任の所見欄
この順番で確認していただければ、平均という存在しない数字に振り回されることなく、お子さんの今の状態を具体的に把握していただけると思います。
執筆者プロフィール

※この記事は、進路アドバイザー資格を持つ朝倉美緒が執筆しています。高校受験や学校選び、内申点対策に関する知識をもとに、進路選びに役立つ情報を記事に反映しています。
朝倉美緒は、高校受験や学校選び、内申点対策について、生徒や保護者の進路相談に役立つ情報をわかりやすく整理・解説しています。
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