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小学校の算数をやり直そうとして、参考書の1ページ目から始めようとしていませんか。
中学数学で文章題や方程式、関数につまずいているなら、小1から全部やり直す必要はありません。
今解けない問題を出発点にして、原因となっている小学校算数まで戻るほうが、復習する範囲を絞れます。
この記事は特に、「計算はできるのに文章題になると式を立てられない」「中学数学が分からなくなり、小学校の算数まで戻るべきか迷っている」という中学生と保護者に向けた内容です。
なお、大人が算数を学び直す場合も、「今分からないところから戻る単元を決める」という基本的な考え方は共通しています。
記事のポイント
- 小1からの全部やり直しは不要!つまずく問題から逆算
- 数学の文章題で手が止まるなら割合・分数・速さを復習
- 理解度に合わせて図解本や復習ドリルを使い分ける
- 説明・図示・初見問題の3つができたら復習完了
小学校の算数は小1から全部やり直さなくていい理由

算数をやり直すとなると、「小1の計算から順番に全部復習したほうがいい」と考えがちです。
しかし、すでに理解できている内容まで同じように復習すると、本当に確認したい単元へ進むまでに時間がかかってしまいます。
全範囲の復習が挫折につながる最大の原因
学習塾で小学生・中学生を指導してきた葛城健吾によると、真面目な生徒ほど「最初から完璧にしたい」と考え、低学年の簡単な計算から順番にやり直そうとすることがありました。
ところが、すでにできる内容を何ページも解いているうちに、本当に確認したい小5・小6の割合や速さへ進む前に疲れてしまうケースがあります。
この場合、問題なのは本人のやる気ではありません。戻る範囲が広すぎることです。
低学年の計算そのものに不安がないのであれば、小1から全部やり直す必要はありません。
まず、今解けない問題を1問取り出してみてください。
そこから「なぜ解けないのか」を探すほうが、戻る場所を決めやすくなります。
![低学年の計算から順に復習しようとして重要単元へ着く前に疲弊してしまう学習者の様子
■ [H3] 今つまずいている問題か](https://jyuku-online.com/wp-content/uploads/7e592194715bb62df783c6089646be38.png)
今つまずいている問題から原因の単元へ逆算して戻る
算数のやり直しでは、範囲を広げるより、必要な範囲へ絞ることが大切です。
例えば、中1の一次方程式そのものは計算できるのに、文章題になると式を立てられないとします。
この場合、方程式の計算練習を増やしても解決しないことがあります。
問題文の「何が全体で、何がその一部なのか」を整理できていないなら、小学校で学ぶ割合や量の関係まで戻って確認します。
つまり、
今できない問題を確認する
→ 原因になっている考え方を探す
→ 必要な小学校算数だけ復習する
という順番です。
すでに理解できている範囲を飛ばせるため、小学校6年間を一律に復習するより学習量を抑えやすくなります。

計算できても文章題で止まるなら算数の土台を疑う
計算問題なら解けるのに、文章題になると急に手が止まる。
私の過去の指導でも、このような中学生には、中学数学だけを繰り返させるのではなく、小学校5・6年生の「量と量の関係」「割合」「単位量あたり」まで戻って確認することがありました。
計算手順を使えることと、文章を読んで数量関係を整理し、自分で式を作れることは同じではありません。
2026年度(令和8年度)の全国学力・学習状況調査では、中学校数学の平均正答率は57.4%でしたが、「思考・判断・表現」に分類された問題と記述式問題の平均正答率はいずれも39.6%でした。(Nier Japan)
この結果だけで「小学校算数の理解不足が原因」と断定することはできません。
計算だけではなく、考えたことを数学的に表す力にも課題が見られることは分かります。
指導現場では、その原因を探す一つの方法として、小学校算数まで戻って確認します。
▶【文部科学省】令和8年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果
数学のつまずきから復習すべき小学校算数を特定する逆引き表

中学数学のどこで止まっているかによって、確認したい小学校算数は変わります。
最初から全部解くのではなく、今のつまずきに近いものから確認してください。
一次方程式の文章題なら割合・量の関係を確認する
食塩水、割引、代金などの文章題で式を作れない場合は、いきなり方程式を復習する前に、「もとにする量」と「比べる量」を整理できるか確認します。
例えば、問題文を読んで、
- 何を基準にしているのか
- 何と何を比べているのか
- それぞれの量にどんな関係があるのか
を自分で説明できるかを見ます。
「割合=比べる量÷もとにする量」という式を暗記していても、問題文のどの数がどれに当たるのか分からなければ、文章題では使えません。
割合の公式を言えるかではなく、「どれが全体?」と聞かれたときに答えられるかを確認してください。
ここで迷うなら、方程式より先に割合へ戻る目安になります。

方程式や文章題の土台となる「割合」の基本概念や掛け算・割り算の見分け方を集中的に復習したい場合は、「小学生向け割合のわかりやすい教え方と立式手順」で解き方を整理してみてください。
分数を含む文字式なら分数の意味まで戻る
文字式に分数が入ると急に計算できなくなる場合は、通分・約分の手順だけでなく、分数そのものの意味を確認します。
分数は、例えば3/4なら「3÷4」という商として考えることもできます。
「割り算では逆数をかける」という手順だけを覚えていると、数字から文字へ変わったときに考え方がつながらなくなることがあります。
2025年度(令和7年度)の全国学力・学習状況調査では、数直線上に示された1より大きい数を分数で表す問題の正答率は35.4%でした。
文部科学省は、数直線上で1の目盛りに注目し、分数を「単位分数のいくつ分か」として捉える点に課題が見られたとしています。
これは、中学生の文字式が解けない原因を直接示すデータではありません。
分数は計算手順だけ覚えれば十分ではなく、量として理解する必要があることを考える材料にはなります。
文字式で止まる場合は、「なぜ分数になるのか」まで自分の言葉で説明できるか確認してください。

速さの文章題なら単位量あたりを確認する
速さの問題では、
「速さ=道のり÷時間」
という公式を言えるかだけでは判断しません。
確認したいのは、
「1時間あたり、どれだけ進むのか」
「1分あたりなら、どれだけになるのか」
という「1あたり」の考え方です。
私の指導経験でも、速さの文章題で止まる生徒には、「1あたり」の量を整理できるか確認していました。
公式へ数字を当てはめるだけではなく、「この数字は何を表しているのか」を説明できる状態を目指します。

関数やグラフなら比・量の変化を確認する
比例・反比例や一次関数では、2つの量がどのように変わっているのかを見る必要があります。
グラフや公式だけを覚える前に、
「一方が増えると、もう一方はどうなるか」
「表の数字にはどんな規則があるか」
を読み取れるか確認します。
小学校で学ぶ比や、伴って変わる2つの量の関係が曖昧なら、その単元まで戻って整理します。
現在のつまずきから戻る場所をまとめると、次のようになります。
| 現在のつまずき | 戻って確認したい小学校算数 | 確認すること |
|---|---|---|
| 一次方程式の文章題 | 割合・量と量の関係 | もとにする量と比べる量を区別できるか |
| 分数を含む文字式 | 分数の意味・割り算との関係 | 分数の意味を説明できるか |
| 速さの文章題 | 速さ・単位量あたり | 「1あたり」で数量を整理できるか |
| 比例・反比例・関数 | 比・伴って変わる2つの量 | 表やグラフから変化を読み取れるか |
この表は、すべての中学生に同じ原因が当てはまるという意味ではありません。
「まずどこを確認するか」を決めるための目安として使ってください。
中学生が算数をやり直すなら優先したい3分野

葛城健吾が中学生の数学指導で、戻って確認することが多かったのは、
- 割合
- 分数
- 速さ・単位量あたり
の3分野です。
小学校算数をすべて同じ量だけ復習するのではなく、現在のつまずきに関係する分野から確認します。
割合は量と量の関係を説明できるか確認する
割合で確認したいのは、公式の暗記ではありません。
例えば、
「全体の3割」
「去年より2割増えた」
という文章を見て、何を基準にしているのか説明できるかを見ます。
葛城健吾の指導でも、方程式や文章題で止まったときに、割合まで戻って確認することがありました。
数字を入れれば答えが出せても、
「なぜ掛け算なのか」
「なぜ割り算なのか」
を説明できないなら、割合の考え方をもう一度整理してみてください。

分数は割り算の意味まで説明できるか確認する
分数では、
「通分する」
「逆数をかける」
という操作だけでなく、その操作が何を意味しているのかまで確認します。
文字式で分数が出てきた途端に手が止まる場合は、小学校の計算方法そのものより、分数の意味が曖昧になっていないかを見ることが大切です。
例えば、
「3/4はどういう量?」
「3÷4とどうつながる?」
と聞かれたときに、自分なりに説明できるか試してみてください。

速さ・単位量は「1あたり」を確認する
速さでは「は・じ・き」の図を覚えることより、「1あたり」の意味が分かっているかを確認します。
例えば時速60kmなら、
「1時間あたり60km進む」
と説明できるかどうかです。
単位量の考え方が整理できると、速さだけでなく、割合や関数の文章題を考えるときにも数量関係を捉えやすくなります。
速さや単位量あたりの立式・公式の使い分けでつまずいている場合は、「小学生の速さ問題を解決する簡単ステップ」で関係性の図解と教え方のコツを確認しておきましょう。
算数のやり直しで避けたい4つの失敗

やり直しでは、「たくさん勉強したか」よりも、「必要なところを正しく復習できたか」が重要です。
次の4つは、葛城健吾が実際の指導でも確認してきた失敗です。
理解済みの低学年ドリルから順番に解く
小1から順番に全部解けば安心できるかもしれません。
小1〜小4の内容に問題がないなら、その範囲へ長い時間を使う必要はありません。
その時間を、今つまずいている割合や分数などの確認に使ったほうが、目的に合った復習になります。

さかのぼって確認した基礎計算を短期間で定着させるためのドリルを探している方は、「小学生の計算力を伸ばすおすすめ計算ドリル15選」からレベルに合った教材を選んでみてください。
解き方の手順だけ覚えて満足してしまう
答えが合っただけでは、本当に理解したか判断できません。
同じ形の問題を何度も解けば、手順を覚えて正解できることがあります。
そこで確認したいのが、
「なぜその式にしたの?」
という質問です。
理由を説明できなければ、数字や文章が変わったときに再び止まる可能性があります。

解説を読んで納得し図にせず終わる
解説を読んで「分かった」と思っても、白紙から自分で整理できるとは限りません。
特に文章題では、
- 線分図
- 表
- 数直線
- 簡単なメモ
などを使い、自分で数量関係を整理してみてください。
模範解答を見ながら描けるかではなく、問題文だけを見て描けるかがポイントです。

理解度に合わない教材を使い続ける
教材は、有名だから選ぶのではなく、今のつまずきに合わせます。
概念が分からないのに計算ドリルだけ解いても、理解しにくいままです。
反対に、考え方は分かっているのに解説本ばかり読んでいても、演習不足は解消できません。
次のチェック項目に当てはまらないか確認してください。
- □ 小1の簡単な計算から順番に全部解いている
- □ 正解数だけで「理解できた」と判断している
- □ 解説を読むだけで、自分では図や表を書いていない
- □ 考え方が分からないのに、計算ドリルだけ解いている
1つでも当てはまるなら、学習時間を増やす前に、戻る単元や教材を見直してみましょう。
自力でさかのぼり単元を特定するのが難しい場合や、親が教えると感情的になってしまうときは、プロが診断してマンツーマン指導してくれる「小学生向けおすすめオンライン家庭教師ランキング」を検討するのも一つの方法です。
算数やり直しの教材は理解度に合わせて選ぶ

教材を選ぶ前に、
- 「考え方が分からないのか」
- 「分かっているけれど定着していないのか」
- 「単純に演習量が足りないのか」
を分けます。
考え方が分からないなら図解の多い解説教材
「なぜこの式になるのか」が分からない場合は、問題数より解説を重視します。
例えば『小学校6年間の算数が6時間でわかる本』は、間地秀三氏による小学校算数の学び直し書籍で、PHP研究所の公式情報では税込1,100円です。(PHP研究所 / PHP INTERFACE)
特定の本である必要はありません。
選ぶときは、
- 図が多い
- 例題の途中過程が省略されていない
- 「なぜそうなるのか」が説明されている
かを確認してください。
理解済みで定着不足なら薄手の復習ドリル
考え方は説明できるものの、計算ミスが多い、解くのに時間がかかる場合は、演習用のドリルが向いています。
この段階では、小学校6年間を網羅した分厚い問題集よりも、必要な単元だけ繰り返せる教材のほうが使いやすいでしょう。
目的は「もう一度教わること」ではなく、「自力で正確に解ける状態にすること」です。

演習不足なら無料サイトやアプリで補う
考え方を理解できていて、さらに問題数を増やしたい場合は、無料教材も選択肢になります。
「ちびむすドリル」では、小学1〜6年生向けの学習プリントが公開されており、通常利用の教材は無料と案内されています。(ちびむすドリル)
「ハンター算数」は、小学1〜3年生を主対象とした無料の計算練習アプリで、足し算・引き算・九九・割り算などの反復練習に対応しています。(Google Play)
そのため、中学生が小5・小6の割合や速さを学び直すメイン教材として使うというより、低学年の計算に不安が見つかった場合の補助として考えるのが適切です。
| 今の状態 | 向く教材 | 使う目的 |
|---|---|---|
| なぜその式になるか分からない | 図解・解説の多い教材 | 考え方を理解し直す |
| 考え方は分かるが定着していない | 復習ドリル | 自力で解けるまで反復する |
| 理解済みで演習量が足りない | 無料プリント・アプリ | 問題数を補う |
教材名より、今の自分に何が足りないのかから選ぶことが大切です。
小学校算数のやり直しを終える3つの判断基準

「何ページ終わったら中学数学へ戻っていいのか」と考える必要はありません。
葛城健吾が指導で確認していたのは、勉強時間や正解数ではなく、次の3点です。
なぜその式になるか自分の言葉で説明できる
最初の確認は、立式の理由です。
答えが正解でも、
「なぜ掛け算なの?」
「なぜここで割るの?」
と聞かれて答えられなければ、手順だけ覚えている可能性があります。
保護者が確認する場合も、「どうやって解いたの?」ではなく、「なぜその式になったの?」と聞いてみてください。
理解度を見る手がかりになります。

問題の関係を図や表に自力で表せる
文章題では、問題文に書かれている数量関係を自分で整理できることも確認します。
模範解答を見ずに、
- 線分図
- 表
- 数直線
などへ置き換えられるか試してください。
図そのものをきれいに描く必要はありません。
自分が何と何を比べているのか分かる状態になっていることが重要です。

数値を変えた初見の類題を自力で解ける
最後に、数字や文章を少し変えた問題を解いてみます。
同じ問題を繰り返して正解できても、答えや手順を覚えている可能性があるからです。
次の3つをすべて確認してください。
- □ なぜその式になるか説明できる
- □ 数量関係を図や表にできる
- □ 数値を変えた初見の類題を解ける
葛城健吾は、この3点が確認できたら、その単元の復習を終えて中学数学へ戻す判断をしていました。
特定単元のやり直しだけでなく、家庭学習全体の進め方や全般的な学習計画を再構築したい方は、「小学生の算数勉強法と家庭で苦手をやり直す手順」もあわせて確認してみてください。
【Q&A】小学校算数のやり直しでよくある質問

小学校算数のやり直しで、中学生や保護者が抱きがちな疑問を集めました。
Q.ドリルだけでやり直しても大丈夫ですか
考え方をすでに理解していて、定着だけが足りないなら、ドリル中心でも構いません。
「なぜその式になるのか」が分からない状態では、ドリルを繰り返すだけでは手順暗記になりやすいため、図解や説明が多い教材から確認しましょう。

Q.無料サイトやアプリだけでも進められますか
目的によります。
演習量を増やしたいなら、無料プリントやアプリは便利です。
割合や分数の意味そのものが分からない場合は、問題を繰り返すだけでは理解しにくいことがあります。
理解する教材+練習する教材と役割を分けて使うと判断しやすくなります。

Q.中学生が今から小学校算数へ戻っても遅くないですか
小学校6年間をすべてやり直す必要はありません。
今つまずいている問題から、割合・分数・速さなど必要な単元へ絞って戻れば、復習量を抑えられます。
「中学生なのに小学校算数を勉強するのは恥ずかしい」と感じる必要もありません。
中学数学を理解するために必要な部分を確認しに戻る、と考えてください。

Q.大人がやり直す場合も同じ考え方でよいですか
基本的な考え方は同じです。
小1から全部戻るのではなく、「割合が分からない」「分数が苦手」など、今困っている部分から必要な単元を探します。
大人向けには、仕事や日常生活の題材を使った教材もあります。
例えば『コレ解ける? 数字がこわくなくなる おとな算数ゆるトレ』は、割合・分数などを仕事や日常生活の例とともに扱う書籍で、インプレス公式では税込1,980円です。(インプレスブックス)
まとめ:小学校の算数をやり直すならどこから?全部復習しない進め方

記事の重要ポイント
小学校算数をやり直すときに、最初から全範囲へ戻る必要はありません。
大切なのは、
今解けない問題
→ 原因になっている小学校算数
→ 必要な単元だけ復習
という順番で考えることです。
中学生の数学指導では、割合・分数・速さ・単位量あたりへ戻って確認することがあります。
ただし、全員が同じ単元につまずいているわけではありません。まず今解けない問題から原因を探してください。
迷ったときの判断基準と次の行動
どこから始めればよいか迷ったら、次の順番で確認します。
- 今解けない問題を1つ選ぶ
- 逆引き表から戻る単元を探す
- 理解度に合った教材を選ぶ
- 「説明・図示・初見類題」の3基準で確認する
- 3つともできたら中学数学へ戻る
最初にやることは、参考書を買い直すことでも、小1の計算から始めることでもありません。
今つまずいている問題を1つ取り出して、「どこで分からなくなったのか」を確認することから始めてください。
執筆者プロフィール

※この記事は、算数・数学・理科の指導経験が豊富な葛城健吾が執筆しています。学習塾での指導経験をもとに、教育現場の知見を記事に反映しています。
葛城健吾は、学習塾で小学生・中学生を対象に、算数・数学・理科を指導してきました。基礎から応用まで「なぜそうなるのか」を大切にした指導を得意としています。
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