
※この記事には一部PRが含まれます。
中学1年生の最初の通知表を受け取った瞬間、「内申点30点」という数字を見て不安になったご家庭を、私はこれまで何度も見てきました。
27点なのか30点なのか、平均の基準すら曖昧に感じる方も多いはずです。
今日は進路アドバイザーとして、平均の正しい捉え方と、そこから先の判断の仕方をお伝えします。
記事のポイント
- オール3の27点は全国平均ではなく目安の基準値
- 実際の平均は地域によって30点前後に寄ることもある
- 内申点30点から模試の偏差値を直接換算はできない
- 平均より志望校の基準内申と当日点の比率で判断する
中学生の内申点平均は何点?まず結論

最初に結論からお伝えします。
実は「全国共通の内申点平均」を1つの数字で決めることは、制度上そもそも難しいのです。
オール3の27点は「全国平均」ではない
9教科すべてが評定3なら、合計は27点です。
27点は全国の中学生が取っている平均点ではありません。
現在の中学校では、他の生徒との順位ではなく、各教科の目標をどの程度達成できたかを見る「絶対評価」が使われています。
そのため、評定3を9教科足した27点は、実際の平均とは分けて考える必要があります。
「27点が平均ですよね」と相談されることもありますが、私はまず、「オール3の27点」と「実際の評定平均」は別の数字だとお伝えしています。
では、実際の平均はどのくらいなのでしょうか。次に、公表されているデータを見てみましょう。

- 絶対評価:「あらかじめ決めた目標や基準をクリアできたか」で測る評価(基準に届けば全員満点もあり得る)
- 相対評価:「集団の中でどの位置・順位にいるか」で測る評価(全体の成績次第で評価が決まる)
実際の評定平均は地域によって異なる
実際の評定平均は、オール3の27点より高くなる場合があります。
東京都教育委員会が公表した令和8年度入試に用いられた評定状況では、9教科全体で評定4・5が約35%、評定1・2が約17%でした。
この分布から計算すると、1教科あたりの評定平均は3を上回ります。
これは東京都の中学3年生を対象としたデータです。
「中学生の全国平均は30点」と考えることはできません。
地域や年度によって評定の分布は異なるため、27点は「オール3」、実際の平均は公表データを参考にする、と分けて考えましょう。
| 比較項目 | 内申点27点(オール3) | 約30点(公的データの一例) |
|---|---|---|
| 数値の意味 | 9教科すべてが評定3である場合の合計値 | 都道府県等の公立中データから算出される評定合計値 |
| 位置づけ | 各教科の到達目標を達成している理論上の基準値 | 絶対評価により上位評定が増加した結果の実態目安 |
| 注意点 | 「全国平均=27点」と思い込まないよう注意 | 自治体や学校ごとの評価規準によって変動する |
27点と30点は、どちらも「平均」と呼ばれがちですが、意味も根拠もまったく違います。
相談を受ける際は、「今のお子さんの点数が27点に近いか30点に近いかより、どちらの数字と比較して不安に思っているのか」を最初に確認するようにしています。
内申点27点・30点は高い?低い?

平均の位置づけがわかったところで、次は自分の点数が高いのか低いのかという判断です。
内申点30は低いと一律には判断できない
中学1年生の最初の通知表が出た直後や、中学2年生の進路懇談の時期には、「内申点30点は低いですか」「オール3の27点で受験は大丈夫ですか」といった相談を多く受けます。
内申点30点という数字だけを見て「低い」と決めつけることはできません。
先ほどの東京都のデータに照らしても、30点前後は平均に近い成績帯です。
例えば、9教科のうち6教科が3、3教科が4なら合計30点です(3×6+4×3=30点)。
「30点だから安心」という過信も禁物ですが、「30点だから絶望的」と悲観する必要もありません。
まずは客観的な現在地として受け止めることが最初の一歩になります。

平均だけで内申点の良し悪しを決めない
進路相談で一番お伝えしたいのは、平均より上か下かだけで、内申点の良し悪しを判断しないことです。
高校受験を考えるなら、平均よりも次の2点を見てください。
- 志望校で内申点がどの程度重視されるか
- 内申点と当日の学力検査が、どのような比率で評価されるか
同じ内申点30点でも、学力検査を重視する高校と、内申点を重視する高校では意味が変わります。
「平均より高いから安心」「平均より低いから厳しい」ではなく、志望校の基準と比べることが大切です。
36点・40点・45点など、何点から「高い」と考えられるのかは、別記事「内申点どこから高い?」で詳しく解説しています。
内申点と偏差値の関係|30点から分かる?

「内申点30なら偏差値はいくつか」という疑問は、多くの方が誤解しやすいテーマです。
ここで整理します。
内申点30から偏差値は直接換算できない
「内申点30なら、偏差値は50くらい?」と気になる保護者の方もいるでしょう。
内申点30から偏差値を出すことはできません。
内申点と偏差値は、そもそも見るものが違います。
- 内申点:定期テストや提出物、授業での取り組みなどをもとに学校が評価する
- 偏差値:模試を受けた人の中で、学力がどの位置にあるかを示す
「内申点30=偏差値50」のように置き換えることはできません。
実際の進路相談でも、内申点は高いのに模試の偏差値が伸びない生徒もいれば、その反対の生徒もいます。
高校受験では、内申点だけでなく模試の偏差値も一緒に見て、お子さんの現在地を判断することが大切です。

内申点は高いが模試偏差値が低いケース
実際の相談でも、内申点は高いのに、模試では思うように偏差値が伸びない生徒を見てきました。
定期テストと模試では、出題範囲や問題の出され方が異なります。
そのため、定期テストでは点数を取れていても、範囲が広い模試では力を発揮できないことがあります。
この場合は、内申点だけで安心せず、模試でどの教科・単元を落としているのかを見ることが大切です。

模試偏差値は高いが内申点が低いケース
反対に、模試では高い偏差値を取れているのに、内申点が伸びない生徒もいます。
この場合は、テストの点数だけでなく、通知表の3観点を見てみましょう。
提出物や授業での取り組みなど、学力以外の部分が評定に影響している可能性もあります。
実際に何が評価材料になっているかは学校や教科によって異なるため、必要であれば先生に聞いてみるのも一つの方法です。
このように、内申点と模試偏差値は必ずしも同じように上下するわけではありません。
高校受験では、どちらか一方ではなく、両方を見ながらお子さんの現在地を考えることが大切です。
平均より志望校とのギャップを確認する

偏差値との関係を整理したところで、次は自分の内申点を志望校とどう照らし合わせるかです。
同じ内申点30でも高校・地域で意味が変わる
公立高校の一般選抜では、入試当日の学力検査点と、調査書の内申点を合算した総合得点で合否が決まります。
この2つの比重は高校や学科によって異なります。
学力検査の比重が高い選抜では、内申点の不足を当日点で補える余地が比較的大きくなります。
何点補えばよいかは学校ごとの配点や換算方法で異なるため、内申点30だけで合否可能性を判断することはできません。
反対に、比率が5対5や4対6のように内申点を手厚く評価する高校では、内申点30点は合否に直結する重みを持ちます。
「自分の内申点が高いか低いか」を単独で考えるのではなく、「志望校がその内申点をどう扱うか」まで含めて考える視点を、進路相談では大切にしています。

地域の計算方法と対象学年を確認する
内申点が高校受験でどの程度重視されるかは、都道府県によって異なります。
自分が受験する地域で「どの学年の成績が対象になるのか」「どのように内申点を計算するのか」を確認しましょう。
例えば、東京都の都立高校では中学3年生の評定が対象ですが、神奈川県の公立高校では中学2年生と3年生の評定が使われます。
埼玉県や大阪府のように、中学1年生から3年生までの評定を選抜に用いる地域もあります。
この違いは、内申点の対策を始める時期にも関係します。
特に中学1年生や2年生の評定も使われる地域では、「中3になってから内申点を上げればよい」と考えず、早めに自分の地域の仕組みを知っておくことが大切です。
対象学年や計算方法は地域や選抜方法によって異なり、変更される場合もあります。
受験する年度の教育委員会の情報を確認してください。
都道府県ごとの対象学年や計算方法については、別記事「高校受験の内申点はいつの成績?」で詳しく解説しています。

模試・当日点と合わせて進路を判断する
進路相談では、私は次の4点を順に見ています。
- 通知表から自分の素内申点(9教科45点満点)を確認する
- 居住地域の入試制度にもとづき、実技教科の倍率や対象学年の比率をかけ合わせた換算内申点を出す
- 志望校の合格者平均内申点を確認し、自分の換算内申点との差分を割り出す
- 志望校の選抜比率に照らして、内申点の不足分を当日点で何点上乗せすれば届くのかを模試の結果とあわせて確認する
この4つがそろって初めて、「内申が何点足りないのか」「当日点でどこまで補えるのか」を考えられます。
「平均より上か下か」という漠然とした悩みから、本番までに必要な具体的な目標へ変わっていくはずです。
内申点が足りないと感じたら何を確認する?

志望校の基準に対して内申点が足りていないとわかったとき、次にどう動けばいいかをお伝えします。
まず教科別・3観点別に弱点を確認する
「全教科の勉強時間を一律に増やす」「なんとなく次のテストを頑張る」といった漠然とした対策では、評定を効果的に引き上げることは難しいものです。
進路相談で実践しているのは、教科別・観点別に評価を分解して、どこで評価を落としているのかを特定することです。
通知表には、各教科の評定の左側に、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度という3つの観点別評価がA・B・Cで記載されています。同じ評定3であっても、どの観点が弱いかで見直す場所は変わります。
| 弱い観点 | 主な確認ポイント・見直す内容 |
|---|---|
| 知識・技能 | 定期テストの基礎的な用語や計算のミスを確認する |
| 思考・判断・表現 | 記述問題や活用問題の取り組み方を確認する |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 学校がどの資料(提出物や振り返りシートなど)をもとに評価しているか確認する |
保護者からよく受ける相談に、「テストさえ良ければ評定は4や5になるはず」「部活や委員会を頑張れば内申点が大きく上がる」「中3から本気を出せば取り返せる」という3つの思い込みがあります。
いずれも制度上の実態とは異なる部分があるため、進路相談では「全体的に頑張る」ではなく、「どの教科の、どの観点が足りていないか」をまず一緒に確認するようにしています。
具体的な内申点の上げ方は別記事で確認する
弱点となっている観点を特定できたら、次は日々の行動を変える段階です。
定期テストで目標点を取るための勉強法や、提出物でA評価を狙うためのまとめ方、内申点への影響が大きい実技4教科の対策手順については、別記事「中学生の内申点の上げ方」で具体的に解説しています。
自分がどこでつまずいているかを確認したうえで、そちらの記事を活用していただくと、対策の的が絞りやすくなります。
お子さん一人では学習計画を立てたり、苦手な教科を整理したりするのが難しい場合は、オンラインで相談できる学習サービスを利用する方法もあります。
トウコベでは、東大生を中心とした講師によるオンライン個別指導を受けられます。まずは無料相談で、お子さんの学習状況や高校受験に向けた勉強について相談してみるとよいでしょう。

\トウコベの資料をダウンロード/
↓↓↓
【Q&A】中学生の内申点の平均に関するよくある質問

中学生の内申点平均や高校入試での扱いについて、保護者や生徒からよく受ける質問をQ&A形式でまとめました。
Q.中1・中2・中3で平均は違う?
全国共通の厳密な学年別平均は公表されていません。
そのため、「中1は○点、中2は○点、中3は○点」と全国一律の数字で比べることはできません。
高校受験で大切なのは学年別平均よりも、自分の地域でどの学年の評定が使われるかを知ることです。
Q.高校受験ではいつの内申点が使われる?
対象となる学年は都道府県によって異なります。
中学3年生の成績のみを見る地域もあれば、中学2年生と3年生を合算する地域、中学1年生から全学年を対象にする地域もあります。
詳しい都道府県別の対象学年や計算方法は、別記事「高校受験の内申点はいつの成績?」にまとめていますので、自分の受験地域のルールを早めに確認しておいてください。
Q.内申点30で行ける高校はある?
内申点30点だけで、行ける高校を全国一律に判断することはできません。
高校入試では、地域によって内申点の計算方法が異なり、学校によって内申点と学力検査の比重も異なります。
そのため、「30点なら○○レベルの高校」と考えるのではなく、志望校の選抜方法や模試の合格基準資料などと照らし合わせて判断することが大切です。
まとめ:中学生の内申点平均は何点?27点・30点の違いと偏差値との関係

記事の重要ポイント
27点は9教科すべて3だった場合の理論上の基準値であり、実際の平均そのものではありません。
東京都の公表データでは実際の評定平均が約30点前後になっていますが、これは一例であり、全国共通の平均という意味ではありません。
内申点30点から偏差値を直接導き出すことはできません。校内評価と広域の相対評価は、そもそも測っているものが違います。
迷ったときの判断基準と次の行動
進路相談で繰り返しお伝えしているのは、「平均より上か下か」という比較だけで一喜一憂しても、受験戦略にはつながらないということです。
まずは通知表の3観点を確認して自分の強みと弱点を整理し、そのうえで志望校の内申点の扱い方や計算方法と照らし合わせてください。
不安な点があれば、平均値そのものより、「自分の志望校に対して今の内申点で足りているか」を、担任の先生や進路相談の場で確認してみることをおすすめします。
執筆者プロフィール

※この記事は、進路アドバイザー資格を持つ朝倉美緒が執筆しています。高校受験や学校選び、内申点対策に関する知識をもとに、進路選びに役立つ情報を記事に反映しています。
朝倉美緒は、高校受験や学校選び、内申点対策について、生徒や保護者の進路相談に役立つ情報をわかりやすく整理・解説しています。
塾オンラインドットコム:公式サイト、公式Instagram
姉妹サイト
高校受験のその先、大学受験を見据えた学習環境をお探しの方には、姉妹サイトの「予備校オンラインドットコム」が役立ちます。
高校生向けの勉強法や志望校選びのポイントなど、役立つ情報を幅広く発信しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
▶大学受験対策なら!予備校オンラインドットコム