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「英語の教科書を開くのが憂鬱で、テスト結果を見るのが怖い……」
27年間、教育現場で多くのお子さんを見てきて断言できるのは、その「ボロボロの結果」こそが逆転のスタート地点になるということです。
私が指導した中で偏差値を一気に20上げた生徒たちも、最初は「何がわからないかさえ不明」という絶望からスタートしていました。
今あなたが求めているのは「もっと頑張れ」という励ましではなく、「なぜ英語ができなくなったのか」という正体を知ることではないでしょうか。
27年の経験に基づき、あなたの才能のせいではない「苦手意識の正体」を冷静に整理します。まずは心を軽くすることから始めましょう。
記事のポイント
英語が苦手なのは「才能」ではなく「仕組み」のせい
一度のつまずきが「雪だるま式」に広がる教科特性
今の教科書は、大人の頃より「質・量」ともに過酷
克服の第一歩は、勇気を持って「分かるところ」まで戻ること
Contents
中学生が英語を苦手に感じるのはなぜ?まず知ってほしいこと

英語が苦手になるきっかけは、人それぞれです。
多くの中学生を見ていると、そこには共通した「背景」があることに気づきます。
- 半数以上の生徒が苦手意識を持っている
- 一度のつまずきが「雪だるま式」に広がる性質がある
- 才能ではなく、学習カリキュラムの高度化が原因
英語が苦手な中学生の割合は?実はめずらしくない
「周りのみんなはできているのに、自分だけ取り残されている」と感じていませんか?
実は、各種の意識調査(ベネッセ等の教育機関の調査など)によると、中学3年生の約半数以上が「英語が苦手」だと感じているという結果も出ています。
英語は主要5教科の中でも、数学と並んで「好き・嫌い」がもっともはっきりと分かれる教科です。
あなたが今感じている苦しさは、決してあなただけが特別なのではなく、現代の中学生にとって非常に「起こりやすい現象」なのです。

▶文部科学省の調査(英語教育実施状況調査)
英語は一度つまずくと雪だるま式に分からなくなる
英語という教科の最大の特徴は、「積み上げ型」であることです。
数学と同じように、英語は「1階の土台ができていないと、2階が建てられない」仕組みになっています。
この連鎖は、以下のようなステップで進んでしまいます。
- ステップ1: 中1の基礎(be動詞など)が少しあいまいなまま進む
- ステップ2: 次の単元で「基礎がある前提」の解説が続き、さらに分からなくなる
- ステップ3: 授業の内容がすべて「分からない言葉の連続」になり、思考が止まる
どこか一箇所でボタンの掛け違いが起こると、そこから先の授業が「意味不明の呪文」のように聞こえ始めてしまいます。
これが、苦手意識が雪だるま式に膨らんでしまう正体です。
指導現場で27年以上生徒を見続けてきた経験から導き出された「1次的な実感」として、中1の2学期(三人称単数)で躓いた生徒がそのまま中3を迎えると、長文読解のスコアが半分近くまで激減するケースを数多く目撃してきました。
学習塾においても、成績不振に陥った中3生の多くが「三単現のs」や「be動詞の区別」という初期の基礎で止まっていました。
単なる「英語力」の不足ではなく、基礎という「OS」がバグを起こしたまま、無理やり高度な長文(ソフト)を読み込ませようとしている状態と言えます。

「才能がない」のではなく「仕組み」の問題
「自分には語学の才能がないんだ」と諦めてしまうのは、まだ早すぎます。
2021年度から中学校の教科書が新しくなり、習得すべき単語の量が以前より大幅に増えました。
以前より早い学年で扱う内容が増え、学習の密度が上がっています。
今の英語は、かつて大人が習っていた頃よりも、はるかに過酷な設計になっています。
つまり、あなたが今苦戦しているのは、個人の能力の問題ではなく、「教育カリキュラムの高度化」という環境の変化が非常に大きいのです。
中学生が英語を苦手とする本当の理由

現場で多くの生徒が直面している「本当の理由」を深掘りします。
もし「英語が全くわからない」と感じている場合は、まず立て直しの順番から整理することが大切です。
▶ 英語が全くわからない中学生が最初にやるべき勉強法はこちら
- 英単語が「なんとなく」の定着で止まっている
- 日本語と英語の「言葉の組み立て方」の違いに苦戦している
- テストの失敗による「心の折れ」がブレーキになっている
英単語が「なんとなく」の状態で進んでいる
もっとも多い原因は、単語の定着不足です。
今の教科書は進むスピードが速く、新しい単語が次々と出てきます。
- 見たことはあるけれど、パッと意味が出てこない
- 発音があいまいで、書くときに「文字の羅列」として丸暗記している
- 単語がつながらず、長文になると急に読めなくなる
こうした「小さな穴」が開いたまま進んでしまうことで、文章全体の意味が取れなくなってしまいます。

文法を理解せず暗記で乗り切ろうとしている
英語には独特のルール(文法)がありますが、これを「理屈」ではなく、テストのために「例文の丸暗記」だけで乗り切ろうとすると、いつか限界がきます。
- 「なぜそうなるか」を飛ばして、形だけ覚えている
- ルールが複数重なると、どれを使えばいいかパニックになる
「なぜここでは s がつくのか」というルールを納得しないまま詰め込むと、脳が情報の整理を拒否し始め、英語を拒絶するようになってしまいます。

英語と日本語の語順の違いに慣れていない
日本語と英語は、言葉のつくりが根本的に違います。
日本語の文の組み立てと英語の組み立ては、結論の位置が正反対です。
英語は「動き(動詞)」を早い段階で決める必要があるので、頭の中で情報を並べ替える負担が非常に大きくなります。
中学生が英文を書く際にフリーズしてしまうのは、知能の問題ではなく、この「並べ替えの作業」が脳にとって大きなコストになっているためです。

小学校英語とのギャップ(中1ギャップ)
小学校の英語は「聞く・話す」中心の楽しい活動でした。
中学校では一転して「書く・文法・評価」が中心になります。
「小学校では褒められたのに、中学校のテストでは×ばかりつけられる」という評価基準の断絶に心が折れてしまうのです。
中学1年生のギャップに耐えきれず、自己肯定感が下がってしまう生徒が非常に多いのです。

テストの失敗が「苦手」という思い込みを生む
一生懸命頑張ったのに、テストの結果が悪かった……。
そんな経験がきっかけで、脳が「がんばっても無駄かもしれない」と感じてしまう状態になります。
これを専門用語で「学習性無力感」と呼びますが、要は「がんばっても無駄かも」と心が折れてしまった状態です。
本当は「能力」の問題ではなく、「やり方」や「順番」が合わなかっただけなのです。
でも、一度ついた心の傷が「自分はダメだ」というレッテルになり、英語を避ける行動を強めてしまいます。
2学習塾での指導経験上、この「学習性無力感」に陥っている生徒に「もっと頑張れ」と言うのは、骨折している人に「走れ」と言うのと同じです。
私たちが現場で行うリハビリは、「昨日まで書けなかった単語が1つだけ書けるようになる」という、極小の1次体験を意図的に作ることから始めます。
この小さな「できた」という事実だけが、脳のブレーキを外す唯一の薬になります。
特に中1の英語でつまずきやすい単元

英語の苦手意識の多くは、中1の「ある単元」から始まっています。
以下の表で、自分がどこで迷っているか整理してみましょう。
| つまずきポイント | よくある混乱・症状 | 整理のヒント |
|---|---|---|
| be動詞と一般動詞 | am と play を一緒に使ってしまう | 「状態(be)」か「動作(一般)」か |
| 三人称単数現在形(s) | なぜ s が必要なのか分からない | 主語が he/she/固有名詞のとき |
| 疑問文・否定文 | Do? be? どちらで始めるか迷う | 文の中心となる動詞の種類で決まる |
be動詞と一般動詞のちがい
「I am play tennis.」のようなミスは、日本語の「〜です・ます」という便利な文末に慣れているために起こります。
動詞を「状態」と「動作」の2つに厳密に分ける英語特有の論理が、最初の大きな壁となります。

三人称単数現在形の「s」
日本語にはない概念のため、多くの生徒が「意味が通じるなら不要では?」とストレスを感じます。
この「形式的なルール」を強制されることが、英語を「面倒な作業」に変えてしまう原因になります。

疑問文と否定文のルール
動詞の種類によってルールが枝分かれすることに混乱し、英語がパズルのように感じられるポイントです。
ここで減点を繰り返すと、英語を書くことへの恐怖心が生まれてしまいます。
授業のスピードについていけずに不安を感じている場合は、こちらの記事も参考にしてください。
英語は「ペラペラになるまで何年かかる?」と焦らなくていい

「いつになったら得意になれるの?」と、遠すぎるゴールを見て絶望していませんか?
- 「ペラペラ」という高すぎる目標が焦りを生んでいる
- 言語の習得には物理的に長い時間が必要だと知る
- 焦りは脳のブレーキになり、逆効果になる
ペラペラの基準は人によって違う
中学生にとって必要なのは、ネイティブのように話すことではありません。
まずは「教科書の内容がわかる」「自分の考えを簡単な言葉で伝えられる」といった、小さなステップで十分なのです。

英語は短距離走ではなく積み上げ型の教科
英語学習は、100メートル走のような一瞬の勝負ではなく、レンガを積み上げる作業です。
言語習得には、一般的に数千時間の学習が必要とされるという目安もあり、数年単位でゆっくり向き合うのが当たり前なのです。

焦りが苦手意識を強くしてしまう理由
「早く成績を上げなきゃ」という焦りは脳に強いストレスを与え、かえって情報を吸収しにくくします。
まずは「焦らなくていい。足元(わかるところ)から確認しよう」と自分を許すことが、学習を再開するコツです。
保護者の方へ|苦手な子どもへの接し方

お子さんの英語が心配で、ついつい声が大きくなってしまうこともあるかもしれません。
しかし、今の過酷な英語環境をふまえると、少し違う視点が必要になります。
- 「勉強しなさい」よりも「原因探し」を優先する
- 小さな「できた!」を言葉にして成功体験を積ませる
- 「どこまでなら分かるか」を一緒に確認して安心感を与える
「勉強しなさい」が逆効果になることもある
- NGになりやすい対応: テストの結果だけを責める/「なんでできないの?」と問い詰める
- 代わりに試したい対応: どこまでなら分かるか一緒に確認する/小さく「書けた単語」を言葉にする
英語が苦手な子は、すでに「自分はできない」という無力感に苦しんでいます。
叱咤激励よりも「どこでつまずいているのか、一緒に整理してあげる」という姿勢が、お子さんの心を動かすきっかけになります。

成功体験を小さく積ませることが大切
英語嫌いの子に必要なのは、高得点ではなく「あ、これならわかる」という実感です。
「単語が3個書けた」というレベルで構いません。
自己肯定感を取り戻すことが、再びエンジンをかけるためのガソリンになります。

まずは「どこまで分かっているか」を確認する
「何がわからないの?」と聞いても、本人は「全部わからない」と答えるでしょう。
そんな時は、「中1の最初のアルファベットは大丈夫?」「be動詞はわかるかな?」と、戻れるところまで戻って確認してあげてください。
「ここまではできているんだね」という現状の肯定から始めることが、サポートの第一歩です。
【Q&A】中学生の英語が苦手に関するよくある質問

中学生の英語に関する「なぜ苦手なの?」「いつまで続くの?」といった、多くの生徒や保護者が抱える共通の疑問にプロの視点でお答えします。
客観的なデータや現場の実態をもとに、不安を安心に変えるためのヒントを簡潔に整理しました。
Q.中学生が英語を苦手とする理由は何ですか?
主な理由は、学習内容の高度化、日本語との言葉の組み立て方の違いによる脳への負荷、そして「積み上げ型」ゆえに基礎のつまずきが連鎖しやすいことにあります。

Q.英語が苦手な中学生はどれくらいいますか?
調査によって幅はありますが、中学3年生の約半数前後が苦手意識を持っているとされることが多いです。
今の難易度では、誰もが直面しうる共通の課題と言えます。
現場の肌感覚では「自信を持って英語が好きだ」と言える子は全体の2割以下です。
学習塾の現場を見てきた私からすれば、今の難化傾向で「苦手」と感じるのは、正常な感覚を持っている証拠です。

Q.英語がペラペラになるまで何年かかりますか?
日常会話レベルの習得には数千時間の学習が必要という目安が語られることがあります。
学校の授業だけでは、練習の時間が足りないと感じる人も多いのは当然ですので、長期的に構えることが大切です。

Q.中1の英語で特につまずきやすい単元はどこですか?
「be動詞と一般動詞の区別」「三単現のs」「疑問文・否定文の作り方」の3つが、もっとも混乱を招きやすいポイントとされています。
意外かもしれませんが、中3の難関校受験生でも、焦るとここを間違えます。
長年の指導で確信しているのは、ここを完璧に区別できるだけで、中学英語の悩みの7割は解決するということです。
まとめ:中学生が英語を苦手に感じる本当の理由|勉強法の前に知ってほしいこと

ここまで読んでくださったあなたは、自分の(あるいは、お子さんの)英語が苦手な理由が、少しずつ整理されてきたのではないでしょうか。
どこで止まっているかを整理することが第一歩
「自分の努力が足りない」と自分を責めるのは、もう終わりにしましょう。
あなたが立ち止まっているのは、才能のせいではなく、「どこかの段差が高すぎて、登れなくなっているだけ」なのです。
その段差がどこにあるのかを冷静に見つめることが、解決への唯一の道です。
基礎に戻ることは遠回りではない
今の学年の勉強についていけない時、一番の近道は「わかるところまで勇気を持って戻る」ことです。
中3であっても、中1の内容からやり直すことに恥ずかしさを感じる必要はありません。
土台を固め直せば、その後の積み上げは驚くほどスムーズになります。
何からやり直せばいいかは、こちらで順番を解説しています
「原因はわかった。でも、単語から?文法から?それとも長文?——どこから手をつければいいか迷う」
そんな風に感じるのは、至極当然のことです。そこで次の記事では、今のあなたの「苦手レベル」に合わせて、今日から始めるべき“最初の順番”だけを整理しました。
焦る必要はありません。原因を理解した今のあなたなら、きっと新しい一歩を正しく踏み出せるはずです。
中学生英語を立て直す全体の流れは、こちらの記事で詳しく整理しています。
執筆者のプロフィール
【執筆者プロフィール】

【執筆・監修】塾オンラインドットコム編集部
塾オンラインドットコム編集部は、学習塾業界で27年以上の指導経験を持つ専門家が中心となって運営しています。これまでに800以上の教室を調査・分析し、オンライン塾の運営経験も持つ実務家チームです。記事は、公式サイト・最新パンフレット・担当者取材などの一次情報を確認のうえ執筆し、必要に応じて内容を更新しています。小学生・中学生とその保護者が安心して判断できるよう、不安をあおらず、事実を整理する編集方針を大切にしています。(※情報確認基準:2026年2月時点)
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