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都立入試の数学で過去問を解いても点数が伸びず、「まだ過去問は早いのでは」「何からやり直せばよいのか」と迷っていませんか。
大切なのは、合計点だけを見るのではなく、失点を知識不足・再現不足・処理ミス・時間不足に分けることです。
点数が低いからといって、中学1年の内容からすべてやり直す必要はありません。
この記事では、都立数学でよく出る問題と大問ごとの攻略法に加え、過去問を診断に使い、自分が取る問題・後回しにする問題・戻るべき単元を決める方法を解説します。
まずは、都立数学の頻出問題と対策の優先順位から確認していきましょう。▶令和9年度の学力検査に基づく選抜は、令和9年2月下旬(例年は2月21日頃)に実施予定です。正式な日程は東京都教育委員会の発表をご確認ください。
記事のポイント
- 最初の過去問は点数より診断に使う
- 失点原因を4つに分けて対策を選ぶ
- よく出る大問から優先順位を決める
- ケアレスミスと決めつけず原因を探る
都立・内申点対策なら、「森塾」
Contents
- 1 都立入試数学の対策は「よく出る問題」から始めるのが最短ルート
- 2 都立入試数学でよく出る問題と出題傾向
- 3 大問1対策|計算・資料・作図で確実に得点する
- 4 大問2対策|文字式・規則性・証明問題を攻略する
- 5 大問3対策|関数問題は途中点を積み重ねる
- 6 大問4対策|平面図形と証明は根拠を書く
- 7 大問5対策|空間図形は図に条件を書き込む
- 8 都立入試数学で点数が伸びない人の共通点
- 9 保護者ができる都立入試数学のサポート
- 10 都立入試数学の対策に関するよくある質問(Q&A)
- 11 まとめ:【2027年版】都立入試数学の対策|よく出る問題と大問ごとの攻略法
- 12 都立入試数学の対策を解説した執筆者のプロフィール
都立入試数学の対策は「よく出る問題」から始めるのが最短ルート

過去問を解く前に、何のために解くのかを先に整理しておくと、点数に振り回されにくくなります。▶【東京都教育委員会】令和8年度の学力検査問題・正答表
- 最初の過去問は診断ツールと心得る
- 過去問の点数だけで判断しない
- 失点原因を4つに分類して対策する
最初の過去問は合格点ではなく診断のために解く
最初の過去問は、合格点を取るために解くものではありません。
今の自分がどこから対策を始めればよいかを判断するための材料です。
「30点や40点しか取れなかったから、まだ過去問には早い」と考えて、中学1年の内容からすべてやり直そうとする人は少なくありません。
しかし、都立数学は大問ごとに求められる力が異なるため、合計点だけでは何を直せばよいか見えてきません。
令和8年度の共通問題は50分・100点満点で構成されています。
まずは1年分を時間を計って解き、どの問題で止まったかを記録するところから始めるほうが、次の一手を決めやすくなります。
点数の低さだけで、過去問はまだ早いと決めないことが最初の分かれ目です。

点数ではなく4種類の失点原因を見極める
過去問を採点したら、点数を見て終わりにせず、失点の中身を確認する作業が欠かせません。
失点は大きく分けると、公式や解法自体を知らなかった「知識不足」、解説を見れば分かるが自力では解けなかった「再現不足」、符号や計算、写し間違いによる「処理ミス」、解ける問題まで到達できなかった「時間不足」の4種類に分けられます。
| 失点のタイプ | 状態の例 | 次にやること |
|---|---|---|
| 知識不足 | 問題文を読んでも使う公式や解法が浮かばない | 単元別教材へ戻る |
| 再現不足 | 解説を読めば分かるが、自力では解けない | 同じ型の類題演習 |
| 処理ミス | 符号・計算・写し間違いで失点している | 大問1の時間制限演習 |
| 時間不足 | 大問1は取れるが後半で手が止まる、空欄が多い | 解く順番と時間配分の見直し |
「ケアレスミスだから気をつける」で終わらせてしまうと、同じ失点を繰り返しやすくなります。
どのタイプの失点が多いかによって、戻るべき教材はまったく違います。
過去問を解いたら、以下のチェックリストで自分の失点タイプを確認してみてください。
- 公式や解法自体が浮かばなかった問題がある(知識不足)
- 解説を見れば分かるが、自力では解けなかった問題がある(再現不足)
- 符号・計算・写し間違いで失点した問題がある(処理ミス)
- 時間が足りず、解ける問題まで到達できなかった(時間不足)
- どのタイプが一番多いか、まだ整理できていない
失点原因から次に使う教材を決める
失点のタイプが分かったら、点数ではなくそのタイプに合わせて教材を選ぶ段階に進みます。
知識不足が多い場合は、該当単元の基礎からやり直す教材が向いています。
再現不足が多い場合は、同じ考え方を使う類題を繰り返し、解説を閉じた状態で解けるかを確認する演習が効果的です。
処理ミスが多い場合は、大問1相当の小問集合を時間を区切って解く練習が合っています。
都立共通問題の過去問集は、声の教育社・東京学参などから2027年度受験用として販売されており、収録年数や価格は教材によって異なります。教材を選ぶ基準は、点数ではなく「自分に多い失点タイプに合っているか」です。
価格や発売時期は変わることがあるため、購入前に公式ページで確認してください。
都立入試数学でよく出る問題と出題傾向

出題傾向を知ることは大切ですが、毎年まったく同じ内容が出るわけではないという前提を先に押さえておく必要があります。
- 大問ごとの役割はほぼ固定されている
- 具体的なテーマは年度で動くと考える
- どの大問に時間をかけるかが点数の鍵
大問構成と配点の特徴
都立数学の共通問題は、直近3年を見ても大問ごとの役割がほぼ固定されています。
大問1が基礎的な小問集合、大問2が数量・規則性や説明、大問3が関数、大問4が平面図形、大問5が空間図形という構成です。
ただし、同じ枠でも中身は年度によって入れ替わります。例えば大問3は、令和8年度が二次関数、令和7年度が一次関数でした。
役割は安定していても、具体的なテーマは年度で動くと考えておくほうが安全です。
平均点は令和6年度61.7点、令和7年度60.4点、令和8年度60.4点で推移しています。
100点満点・50分という条件のなかで、どの大問にどれだけ時間をかけるかが、点数を左右する大きな要素になります。
| 年度 | 平均点(100点満点) |
|---|---|
| 令和6年度 | 61.7点 |
| 令和7年度 | 60.4点 |
| 令和8年度 | 60.4点 |
毎年よく出る単元と優先順位
大問1の基礎小問群、大問3の関数、大問4の平面図形、大問5の空間図形は、毎年ほぼ固定枠として出題される単元です。
これらを優先して固めるほうが、対策の効率は上がります。
大問1内のデータ・確率系の小問は年度ごとに入れ替わりがあります。
令和8年度は累積相対度数、令和7年度は確率、令和6年度は箱ひげ図が扱われました。
「この単元が毎年出る」と断定せず、データの活用や確率の基礎小問が入れ替わりで出やすいと捉えておくと、的外れな対策を避けられます。
| 大問 | よく出る内容 | 最初に固めること |
|---|---|---|
| 大問1 | 計算・資料の活用・作図(データ系の小問は年度で入れ替わる) | 処理ミスを減らす時間制限演習 |
| 大問2 | 文字式・規則性・記述式の説明 | 規則を文字に置き換える練習 |
| 大問3 | 関数(一次関数か二次関数かは年度で変わる) | 変域・座標・直線の式の基本型 |
| 大問4 | 平面図形・証明 | 根拠を言葉で書く練習 |
| 大問5 | 空間図形 | 立体を平面に落として考える練習 |
全単元を同じ重さで対策するより、役割が安定している枠から固めるほうが効率的です。
目標点別に優先する問題を決める
大問5まで順番どおりに解くことを前提にせず、目標点と得意分野から「取りに行く問題」と「後回しにする問題」を先に決めておくと、時間配分で失敗しにくくなります。
東京都教育委員会の「学力検査結果に関する調査報告書」に基づく、大問別正答率は以下の通りです。
| 大問 | 令和8年度 正答率 | 令和7年度 正答率 |
|---|---|---|
| 大問1 | 69.4% | 65.1% |
| 大問2 | 44.1% | 45.0% |
| 大問3 | 48.4% | 54.0% |
| 大問4 | 39.7% | 43.0% |
| 大問5 | 18.5% | 30.9% |
大問1の正答率は他の大問より明らかに高く、まず確実に得点すべき大問だと分かります。
大問5は正答率が下がりますが、令和8年度の〔問1〕は34.9%、令和7年度の〔問1〕は44.0%と、最初の小問には点が入る余地が残っています。
目標点によって、優先すべき問題の範囲も変わってきます。
- まず大問1を安定させる(目標点の目安が低い場合)
- 各大問の前半問題まで広げる(標準的な目標点の場合)
- 後半の記述まで狙う(高い目標点の場合)
ただし、最初から考えずに問題を捨てるのではなく、飛ばす基準を持つことが大切です。
一定時間考えても最初の式や補助線が決まらない場合に、いったん飛ばして先に進むという基準を、事前に自分の中で決めておきましょう。
大問1対策|計算・資料・作図で確実に得点する

大問1は正答率が最も高い大問であり、ここでの失点を減らすことが得点全体の底上げにつながります。
- 計算の処理ミスを具体的に確認する
- データの読み取り力を鍛えておく
- 作図は条件の言い換えから始める
計算問題は処理ミスを減らす
計算問題での失点は、解き方が分かっているのに符号や約分、写し間違いで点を落とすケースが目立ちます。
「解き方は分かるが計算ミスで落としている」という状態は、知識不足ではなく処理ミスに分類されます。
この場合、単元をやり直すよりも、大問1相当の小問を時間を計って解く練習のほうが効果的です。
途中式を省略しすぎず、符号の変化や約分のタイミングを見直す習慣をつけると、同じ間違いを繰り返しにくくなります。
すべてを「ケアレスミス」で片づけず、どの段階でミスが起きているかを具体的に確認してください。

大問1の計算ミスは、中1で習う分配法則の手順を見直すだけで大きく減らせます。
符号ミスやかけ忘れを防ぐ「2本の矢印」の書き方を今一度マスターしましょう。
資料の活用問題は読み取り方を覚える
大問1のデータ・確率に関する小問は、年度によって扱う内容が変わります。
令和8年度は累積相対度数、令和7年度は確率、令和6年度は箱ひげ図が出題されました。
特定の単元だけを覚え込むのではなく、資料を正確に読み取る力そのものを鍛えておくほうが、年度が変わっても対応しやすくなります。
度数分布表やグラフから必要な数値を拾い、条件に合わせて計算する練習を繰り返しましょう。
毎年同じテーマが出るとは限らないため、「この単元だけやれば大丈夫」と決めつけないことが安全な対策につながります。

作図問題は条件整理から始める
作図問題は、完成した図の形を丸暗記するのではなく、問題文に書かれた条件を言葉で言い直すところから始めると理解しやすくなります。
令和8年度は回転移動を扱った作図、令和7年度は平行四辺形上の距離条件を扱った作図が出題されました。
「垂直二等分線」「角の二等分線」「等距離」「回転」といった条件のキーワードを整理し、それぞれどの作図方法に対応するかを結びつけて覚えておくことが有効です。
作図が空欄になりやすい人は、書き方や手順そのものが定着していないケースが多く見られます。
完成図を覚える練習ではなく、条件を読み取って手順に落とし込む練習を優先してください。
大問1で方針が立たない問題が多いなら単元復習へ、解説を見れば分かるのに再現できないなら類題演習へ、解けるのに時間が足りないなら時間配分練習へ、すでに答えが出ているなら先に見直して得点を守ることを優先してください。
大問2対策|文字式・規則性・証明問題を攻略する

大問2は文字式や規則性の説明を扱う大問で、途中式や記述の書き方が得点に直結します。
- 規則性は早めに文字式へ置き換える
- 証明は根拠を言葉で説明する
- 解説後の自力再現を確認する
規則性は文字で一般化する
規則性の問題では、具体的な数字を当てはめて答えを探し続けてしまい、時間がかかりすぎるケースがよく見られます。
令和8年度は整数の操作、令和7年度は円周上の自然数、令和6年度は図形移動の面積を扱った問題が出題されています。
いずれも、具体的な数値で規則をつかんだあと、文字を使って一般化する流れが求められます。
数字で考え続けるのではなく、見つけた規則を早めに文字式へ置き換える練習をしておくと、時間内に答えまでたどり着きやすくなります。
「規則を見つける力」だけでなく「文字にする力」まで意識して練習することが分かれ目です。

証明は式の意味を言葉で説明する
令和8年度の大問2記述問題は、部分正答を含めた正答率が34.3%、無答率が52.6%でした。
令和7年度は部分正答込みで20.4%、無答率は53.2%です。半数以上が無答になっている点からも、記述式の説明でつまずく人が多いことが分かります。
式だけを書いて結論を出しても、その式が何を表しているかを説明できなければ、記述の説得力が弱くなります。
途中式を書く理由は、答えを出すためだけでなく、考え方を採点者に伝えるためでもあります。
一つひとつの式に「なぜこの式を立てたのか」を言葉で添える練習をしておくと、記述式の得点が安定しやすくなります。

解説を閉じて再現できるか確認する
「解説を読めば分かった」という状態は、解ける状態とは限りません。
解説を読んだ直後は理解できても、翌日には同じ考え方を再現できないことがよくあります。
判断基準は、解説を閉じたあとや翌日に、自力で同じ考え方を再現できるかどうかです。
解いた直後に丸をつけて終わるのではなく、時間を空けてもう一度、何も見ずに解き直す工程を復習に組み込んでおきましょう。
これは大問2に限らず、証明や記述を含むすべての大問に共通する復習の考え方です。
大問2で方針が立たないなら単元復習へ、解説後なら解けるが再現できないなら類題演習へ、解けるのに時間が足りないなら時間配分練習へ、答えが出ているなら先に見直して得点を守りましょう。
大問3対策|関数問題は途中点を積み重ねる

大問3は関数を中心とした大問で、最初の基本小問を落とさないことが得点の土台になります。
- 変域や直線の式の基本型を固める
- 座標と図形条件を整理して書き込む
- 面積問題は図で情報を残す習慣をつける
関数の基本問題は確実に取る
大問3は年度によって一次関数か二次関数かが変わりますが、変域や座標、直線の式を求める基本小問は、毎年ほぼ共通して出題されています。
令和8年度は二次関数の変域と直線の式、令和7年度は一次関数の座標と直線の式が扱われました。
大問3全体の正答率は令和8年度が48.4%、令和7年度が54.0%です。
この数値からも、大問3は最初の基本小問を確実に取れるかどうかが、全体の得点を左右することが分かります。
関数の種類が変わっても、変域・座標・直線の式を求める手順は共通しているため、まずこの型を固めておくことが優先です。

図形との融合問題は条件整理から始める
座標平面上に図形の条件が加わる問題では、式だけを立てようとすると条件を見落としやすくなります。
問題文に書かれた条件を、座標・長さ・面積の関係として図に書き込みながら整理すると、式を立てる前の段階で見通しが立ちやすくなります。
式を一気に組み立てようとするのではなく、分かっている条件を先に図へ落とし込む手順を意識してください。
関数は計算だけでなく、図と条件を一緒に整理しないと途中で止まりやすい単元です。

関数と図形の融合問題でフリーズするなら、まずは条件整理が鍵です。
中学生の数学における関数のつまずきを克服しxとyを日本語にする整理術で、立式のための情報整理手順を叩き込んでおきましょう。
面積問題は図を書き込みながら考える
令和8年度の大問3〔問3〕の正答率は18.5%、令和7年度の同じ位置の問題は14.7%と、大問3の中でも特に低くなっています。
この結果は、面積を求める最後の小問が多くの受験生にとって難しいことを示しています。
面積問題では、座標・底辺・高さといった要素をあらかじめ図に書き込みながら考えると、式を一気に作るよりも条件を整理しやすくなります。
すべてを暗算で処理しようとせず、図に情報を残す習慣をつけましょう。
難しい小問であっても、途中式や図を残しておくことは、考え方を見直す手がかりを自分自身に残すことにつながります。
なお、採点基準は公開されていないため、部分点の有無を断定することはできません。
大問3で方針が立たないなら単元復習へ、解説後なら解けるが再現できないなら類題演習へ、解けるのに時間が足りないなら時間配分練習へ、答えが出ているなら先に見直して得点を守りましょう。
大問4対策|平面図形と証明は根拠を書く

大問4は平面図形の証明と図形計量を扱う大問で、結論だけでなく根拠の書き方が得点を左右します。
- 結論よりも証明の根拠を重視する
- 何を見るか決めてから図を見る
- 自分の言葉で説明できるか確認する
証明問題は結論より根拠を書く
証明問題では、結論だけを先に書いてしまい、根拠となる部分が不足しているケースがよく見られます。
令和8年度・令和7年度ともに、大問4の証明にあたる小問は正答率が低く、令和8年度の大問4〔問2〕①(証明)は7.5%、令和7年度の同じ位置の問題は3.8%でした(出典:東京都教育委員会 学力検査結果に関する調査報告書)。
同じ大問4〔問2〕②は線分の長さを求める問題であり、証明とは別の設問です。
この数値は、証明問題全体の難しさとともに、根拠を的確に表現することの難しさを示しています。
証明問題で見られるべきは、結論そのものより、何を根拠にその結論を導いたかという過程です。
図形の性質や条件をどの順番で使ったかを、一つずつ言葉にして書き出す練習をしておきましょう。

図形計量は補助線と相似を確認する
図形計量の問題は、補助線をどこに引くか、どの三角形の相似や合同を使うかによって解けるかどうかが決まります。
令和8年度は正方形を素材にした相似の問題、令和7年度は半円を素材にした合同と面積比の問題が出題されました。
素材は年度によって変わりますが、「まず何を見るか」を決めてから図に向き合うという手順は共通して使えます。
補助線を引く前に、平行・垂直・等しい辺や角がないかを図の中から探す習慣をつけておくと、何を見るかを決めてから図を見ることで、手が止まりにくくなります。

丸写しではなく説明できる状態を目指す
証明問題の復習で、模範解答を丸写しして終えてしまうケースは少なくありません。
丸写しだけでは、本番で少し形の違う問題が出たときに対応しにくくなります。
都立数学で求められている力には、推論の過程を的確に表現する力が含まれています。
模範解答を写したあとは、何も見ずに同じ証明をもう一度書けるか、さらに別の図形でも同じ考え方を説明できるかを確認してください。
書き写して終えるのではなく、自分の言葉で説明できる状態まで持っていくことが、証明問題の復習の目安です。
大問4で方針が立たないなら単元復習へ、解説後なら解けるが再現できないなら類題演習へ、解けるのに時間が足りないなら時間配分練習へ、答えが出ているなら先に見直して得点を守りましょう。
大問5対策|空間図形は図に条件を書き込む

大問5は空間図形を扱う大問で、平面に置き換えて考える力が問われます。
- 空間図形は平面に描き直す
- 複雑な立体は分けて考える
- 入口の小問が取れるか短時間で判定する
立体の角度は見える形に直す
空間図形のまま角度や長さを考えようとすると、位置関係をつかみにくく、手が止まりやすくなります。
令和8年度は三角すいの角度、令和7年度は直方体を素材にした三角形の処理が出題されました。
立体をそのまま頭の中で処理しようとせず、必要な部分だけを平面の図に描き直すと、見通しが立ちやすくなります。
空間図形は、立体のまま考えるより、平面に落として考えたほうが進みやすい単元です。
どの面を取り出せば手がかりが見えるかを、まず探すところから始めてください。

体積問題は分けて考える
体積を求める問題では、複雑な立体をひとつのまま処理しようとすると、式が立てにくくなります。
令和8年度の大問5〔問2〕は正答率2.0%と、大問全体の中でも特に低い数値でした。
この結果からも、体積問題が受験生にとって高いハードルであることが分かります。
ひとつの立体として見えないときは、いくつかの立体に分けて考える、あるいは高さにあたる部分を別の角度から探すという手順が基本になります。
一気に答えを出そうとせず、分けて考える発想に切り替えることが突破口になります。

時間を使いすぎない判断基準
大問5全体の正答率は、令和8年度が18.5%、令和7年度が30.9%と、他の大問に比べて低めです。
令和8年度の〔問1〕は34.9%、令和7年度の〔問1〕は44.0%あり、最初の小問には点が入る余地が残っています。
この数値からも、大問5は「難しいから最初から捨てる」ではなく、「入口の小問が取れそうかを短時間で判断する」という考え方が現実的です。
一定時間考えても方針が立たない場合は、いったん飛ばして見直しの時間に回すという基準を、事前に決めておきましょう。
大問5で方針が立たないなら単元復習へ、解説後なら解けるが再現できないなら類題演習へ、解けるのに時間が足りないなら時間配分練習へ、答えが出ているなら先に見直して得点を守りましょう。
都立入試数学で点数が伸びない人の共通点

同じように過去問を解いていても、点数が伸びやすい人と伸びにくい人には、いくつかの共通した違いがあります。
- 年度順の消化よりも失点傾向を追う
- ケアレスミスを原因名にしない
- 目標点に合わせた問題選択を行う
過去問を年度順に解くだけになっている
過去問を年度順に解き進め、復習をせずに次の年度へ進んでしまう勉強法は、点数が伸びにくい典型的なパターンです。
1年分を解いて終わりにすると、自分がどの大問でどのタイプの失点をしているかが見えないまま、次の年度に進んでしまいます。
年度を消化することよりも、1年分ごとに失点原因を分類し、次に何をするかを決めることのほうが重要です。
複数年度を見比べて、自分の失点傾向がどの大問に集中しているかを確認する作業を、年度を進める前に挟むようにしましょう。

すべてをケアレスミスで終わらせている
間違えた問題をすべて「ケアレスミス」として片づけてしまうと、本当の原因が見えないまま同じ失点を繰り返しやすくなります。
「ケアレスミス」は原因そのものではなく、結果につけたラベルにすぎません。
符号を間違えたのか、条件を読み違えたのか、時間が足りなかったのかによって、必要な対策はまったく異なります。
- 符号や計算過程での間違い→処理ミスとして時間制限演習で対策する
- 問題文の条件を読み違えた→再現不足として類題演習で確認する
- 時間切れで手をつけられなかった→時間不足として解く順番を見直す
間違いを「ケアレスミス」の一言で終わらせず、4種類のどれに当たるかを一つずつ確認してください。

過去問でケアレスミスを繰り返すのは、分析と対策が不足している証拠です。
中学生が計算ミスをなくす方法7選を参考に、本番で得点を逃さない「ミスの防ぎ方」を確立しましょう。
取れる問題と後回しにする問題を決めていない
大問1から大問5まで、順番どおりにすべて完答することを前提にしてしまうと、時間配分で失敗しやすくなります。
令和8年度の大問別正答率は69.4%・44.1%・48.4%・39.7%・18.5%と、大問によって大きな差があります。
この差を踏まえずに同じ時間配分で解こうとすると、正答率の高い大問1・大問2に十分な時間を割けなくなることがあります。
目標点に合わせて、確実に取りに行く大問と、入口だけ試して深追いしない大問を、事前に決めておくことが必要です。
順番どおりに解くことより、自分の得点戦略に合わせて時間を配分することを優先してください。
見直しの順番にも注意が必要です。見直しは、解けなかった難問へ戻る前に、すでに答えを出した問題(計算ミスや転記ミスがないか)から確認するほうが、得点を守りやすくなります。
本番前に、以下のリストで解く順番を決めておきましょう。
- 最初に取りに行く問題を決めた
- 後回しにする問題を決めた
- 一定時間の飛ばす基準を決めた
- 見直しは答えを出した問題から行う
- 時間切れと実力不足を分けて記録した
保護者ができる都立入試数学のサポート

保護者のサポートは、点数そのものよりも、子どもがどこで止まったかを一緒に確認する形が向いています。
- 点数ではなく止まった理由を聞く
- 結果よりも復習方法を確認する
点数より止まった理由を聞く
過去問の合計点だけを見て、「数学ができない」と判断してしまう保護者は少なくありません。
しかし、合計点だけでは、どの大問で何が原因で止まったのかまでは分かりません。
子どもへの声かけは、「何点だった?」ではなく、「どの問題で止まった?」「解けなかったのか、時間が足りなかったのか」と、原因を確認する形が向いています。
点数だけで一喜一憂させるのではなく、止まった場所と理由を一緒に確認することが、次の対策につながります。
東京都教育委員会が公開している受検者向けの案内資料は、本人が進路を考え、中学校の先生や保護者と相談する際に活用できるものとして位置づけられています。
過去問の結果も、親子で次の一手を話し合うための材料として使うと、感情的な評価に偏りにくくなります。

過去問の復習で特定の単元の穴が埋まらない場合は、学習環境を見直すタイミングです。
プロの個別指導サポートを活用し、最短ルートでの得点アップを目指しましょう。
結果ではなく復習方法を確認する
点数の良し悪しだけでなく、間違えた問題をどう復習したかを確認することも、家庭でできるサポートのひとつです。
解き直しをせずに次の年度へ進んでいないか、間違いをすべて「ケアレスミス」で済ませていないか、解説を読んだだけで満足していないかといった点は、点数だけでは見えてきません。
家庭で見るべきは「何点だったか」より「どう直したか」です。
復習のやり方を確認する声かけを重ねることで、子ども自身が自分の失点原因を意識しやすくなります。
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都立入試数学の対策に関するよくある質問(Q&A)

都立数学の対策でよく聞かれる疑問について、判断の考え方を整理します。
Q.都立数学の過去問は基礎が終わる前に解いてもよいですか
基礎がすべて終わっていなくても、過去問を解き始めること自体に意味はあります。
最初の過去問は合格点を取るためではなく、今の自分の状態を確認するための診断として使えるからです。
点数が低くても、どの大問で止まったか、どのタイプの失点が多いかが分かれば、そこから戻るべき単元を絞り込めます。
基礎が完成してから始めるという一律のルールにこだわらず、早い段階で1年分を解き、次の対策を決める材料として活用する方法が現実的です。

Q.大問1だけを繰り返す勉強でも点数は上がりますか
大問1を繰り返し解く練習には一定の効果がありますが、それだけでは上限があります。
令和8年度の大問別正答率は、大問1が69.4%であるのに対し、大問2以降は44.1%・48.4%・39.7%・18.5%と下がっていきます。
この差からも、大問1だけの対策では大問2以降の失点をカバーできないことが分かります。
大問1は土台として重要ですが、大問2以降の関数・図形・証明にも別の対策が必要です。
大問1で処理ミスを減らしつつ、他の大問でも失点原因に応じた練習を並行して進めましょう。

Q.大問5は難しいので飛ばしてもよいですか
大問5全体は正答率が低いものの、最初から手をつけずに捨ててしまうのはもったいない選択です。
令和8年度の大問5全体の正答率は18.5%ですが、〔問1〕は34.9%です。令和7年度も大問5全体は30.9%ですが、〔問1〕は44.0%となっており、最初の小問には十分に点が入る余地があります。
「捨ててよい」のではなく、「入口の小問が取れそうかを短時間で判断する」という基準を持つことが大切です。
一定時間考えても方針が立たない場合にだけ、後回しにするという判断が現実的です。

Q.都立数学に本当に使える裏ワザはありますか
特定の裏ワザを覚えるだけで点数が大きく上がるという考え方には注意が必要です。
都立数学で必要とされている力として、文字で表現して処理する力、図形の既習事項を組み合わせる力、空間を平面に置き換えて捉える力が挙げられています。
低い正答率が集中しているのは、こうした説明力や図形把握、空間把握が求められる問題です。
効果があるのは、裏ワザではなく、時間配分の決め方、問題を飛ばす基準、見直す順番といった仕組みづくりです。
一つの裏ワザに頼るのではなく、失点原因を分類しながら、必要な力を一つずつ積み上げていく方法が現実的です。
まとめ:【2027年版】都立入試数学の対策|よく出る問題と大問ごとの攻略法

ここまでの内容を、対策の順番として整理します。
都立入試数学対策の重要ポイント
都立数学の対策では、大問1の基礎小問から大問5の空間図形まで、それぞれ求められる力が異なります。
大問1・大問2は正答率が比較的高く、確実に得点したい大問です。
大問3は関数の基本小問、大問4は証明の根拠、大問5は入口の小問が、それぞれ得点の分かれ目になります。
過去問を解いたら、点数だけで判断せず、失点を知識不足・再現不足・処理ミス・時間不足の4種類に分け、それぞれに合った対策へつなげることが、効率よく得点を伸ばす近道です。
迷ったら失点原因から次の勉強を決めよう
何から手をつければよいか迷ったときは、合計点ではなく、失点の原因に立ち返って考えてみてください。
知識不足なら単元別教材へ、再現不足なら類題演習へ、処理ミスなら大問1の時間制限演習へ、時間不足なら解く順番の見直しへ、それぞれつなげることができます。
「全部解けないと危ない」と焦るのではなく、自分が取る問題と戻る単元が分かれば、次にやることは自然と見えてきます。
低い点数に落ち込む前に、まずは1年分の過去問を、診断のために解いてみることから始めてみてください。
基礎固めと知識定着を加速させる次のステップ
都立高校入試では理科だけでなく、英語・数学・国語・社会も教科ごとに出題傾向や対策が異なります。
5教科全体の得点力を高めたい方は、各教科の対策記事もあわせて確認してみてください。
都立入試数学の対策を解説した執筆者のプロフィール

※この記事は、算数・数学・理科の指導経験が豊富な葛城健吾が執筆しています。学習塾での指導経験をもとに、教育現場の知見を記事に反映しています。
葛城健吾は、学習塾で小学生・中学生を対象に、算数・数学・理科を指導してきました。基礎から応用まで「なぜそうなるのか」を大切にした指導を得意としています。
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