
※この記事には一部PRが含まれます。
都立高校入試対策は、いきなり問題集や過去問から始める必要はありません。
まず把握したいのは、現在の内申と基礎学力、そして志望校に対して必要になる当日点です。
この記事では、都内の個別指導塾で教室長として都立高校受験を指導してきた経験をもとに、5教科の勉強法、時期別の進め方、過去問へ移る目安、模試後の軌道修正まで順番に解説します。
記事のポイント
- 都立入試対策で最初にやることがわかる
- 5教科の勉強の進め方がわかる
- 過去問を始めるタイミングがわかる
- 模試の結果を次の勉強に活かせる
都立高校入試対策は何から始める?最初に確認する3項目

「何から勉強すればいい?」と迷ったら、教材を増やす前に現在地を整理します。
最初に見るのは、内申・基礎学力・必要当日点の3つです。
ここが分かれば、基礎に戻るのか、入試演習へ進むのかを決められます。
まず現在の内申と基礎学力を確認する
都内の大手個別指導塾で3年間教室長を務めていたとき、都立高校志望者との初回面談で重視していたのは、直近の通知表と中1・中2範囲の基礎定着度でした。
「受験生だから過去問を始めよう」と一律には考えません。
計算や英単語、英文法などに大きな抜けがあれば、先に戻るべき単元を特定していました。
通知表も5教科だけではなく、実技4教科を含めて見ます。
志望校が共通問題を使うのか、自校作成問題を実施する学校なのかによっても、必要な学習の深さは変わります。
必要な当日点から5教科の優先順位を決める
現在地が分かったら、志望校に対して学力検査でどの程度の得点が必要になるかを考えます。
教室長時代の面談でも、内申の見込みを踏まえて必要な当日点を考え、その差を教科・単元ごとに分けていました。
大切なのは、5教科を同じ時間だけ勉強することではありません。
例えば、数学なら「計算は取れるが図形で落としている」、英語なら「単語は分かるが文法に抜けがある」というところまで整理します。
必要当日点と現在の得点力との差が分かれば、どこに時間を使うべきかが具体的になります。
基礎・演習・過去問のどこから始めるか判断する
ここまで整理したら、自分が「基礎」「入試形式の演習」「過去問」のどこから始めるべきかを決めます。
| 現在の状態 | 最初にやる対策 | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| 計算・英単語・基本文法など、中1・中2の基礎に抜けがある | 総復習用の教材に戻り、苦手単元を埋める | 基礎問題を安定して解ける |
| 教科書レベルの基礎は定着しているが、入試形式の問題に慣れていない | 都立入試を意識した標準問題に取り組む | 標準問題で安定して得点できる |
| 中3の主要単元まで学習が進み、中1・中2の基礎も定着している | 過去問・模試などの実戦演習へ進む | 目標当日点との差を分析しながら学習を修正できる |
私が教室長として指導していたときも、開始時期だけで判断せず、中1・中2の基礎問題を安定して解ける状態になっているかを確認していました。
基礎に大きな抜けが残っている場合は、過去問を急ぐより、苦手単元の復習を優先します。
過去問などの実戦演習へ移れるかを考える際に、指導現場で使っていた目安です。
都立高校入試対策の進め方|6ステップ

スタート地点が分かったら、次は受験本番までの流れに当てはめます。
ポイントは、最初に立てた計画を固定しないことです。内申や模試、過去問の結果に応じて、途中で学習内容を変えていきます。
| 段階 | 確認すること | やること | 次へ進む判断 |
|---|---|---|---|
| STEP1〜2 | 内申・基礎学力・必要当日点 | 現在地と弱点を整理する | 優先する教科・単元が決まる |
| STEP3〜4 | 基礎の抜け・標準問題への対応力 | 基礎復習と入試レベルの演習 | 標準問題で得点が安定する |
| STEP5〜6 | 模試・過去問の失点 | 実戦演習と学習計画の修正 | 課題を修正しながら本番へ進む |
STEP1|内申と基礎から現在地を把握する
最初に、通知表や最近のテスト・模試を見ながら、現在の内申と学力を整理します。
確認するポイントは、次のとおりです。
- 直近の通知表から内申の見込みを把握する
- テストや模試から苦手な教科を確認する
- 苦手な教科を単元ごとに分ける
- 基礎が抜けている単元を見つける
「数学が苦手」と大きく捉えるのではなく、「一次関数で失点する」「英文法の時制があいまい」など、具体的な単元まで絞り込みましょう。
復習する範囲が具体的になれば、次に何を勉強すべきか決めやすくなります。
STEP2|必要当日点と弱点を洗い出す
次は、志望校に対して必要になる当日点と、現在の得点力との差を整理します。
確認するポイントは、次のとおりです。
- 志望校に必要な当日点の目安を把握する
- 現在の得点との差を教科ごとに確認する
- 得点を伸ばせそうな教科・単元を見つける
- 残り期間を考えて優先順位を決める
「数学は基本問題の取りこぼしを減らす」「英語は文法の抜けを復習する」など、具体的な課題まで絞り込みます。
「5教科全部を頑張る」で終わらせず、必要当日点と現在の得点力を比べて、優先して取り組む教科・単元を決めましょう。
STEP3|中1・中2の弱点から復習する
都立高校入試では、中1・中2で学んだ基礎が、中3の学習や入試問題を解く土台になります。
復習するときのポイントは、次のとおりです。
- STEP2で見つけた苦手単元から復習する
- 数学は計算・関数などの基礎を固める
- 英語は単語・基本文法の抜けを埋める
- 理科・社会も苦手分野を後回しにしない
基礎に抜けがある状態で難しい問題を増やしても、途中でつまずきやすくなります。
まずは苦手な単元まで戻り、基本問題を解ける状態にしてから、入試レベルの問題演習へ進みましょう。
STEP4|5教科を入試レベルへ引き上げる
基礎問題が解けるようになってきたら、少しずつ都立入試を意識した問題演習へ移ります。
この段階で意識したいのは、次の点です。
- 基礎問題から標準レベルの問題へ進む
- 苦手教科には多めに学習時間を使う
- 必要当日点を意識して教科ごとの目標を決める
- 志望校の出題形式に合った対策へ切り替える
5教科を毎日同じ時間だけ勉強する必要はありません。数学の基礎は固まっているのに英語の文法に抜けがあるなら、英語へ多めに時間を使うなど調整します。
共通問題を使う学校と自校作成問題を実施する学校では、求められる対策も異なります。
志望校に合わせて学習内容を変えながら、入試で得点できる力へつなげていきましょう。
STEP5|過去問・Vもぎで現在地を確認する
標準問題である程度得点できるようになったら、過去問や都立Vもぎなどを使って実戦形式の問題に取り組みます。
この段階では、合計点だけで一喜一憂しないことが大切です。
次のような点にも目を向けます。
- 制限時間内に最後まで取り組めたか
- どの教科・単元で失点したか
- 基本問題や取るべき問題を落としていないか
- 時間をかけすぎた問題はなかったか
例えば、目標点に届かなかった場合でも、原因が「知識不足」なのか「時間不足」なのかで、その後にやる勉強は変わります。
過去問やVもぎは点数を知るためだけではなく、今の自分に足りないものを見つけ、次の勉強につなげるために活用しましょう。
STEP6|結果を次の勉強計画へ反映する
模試や過去問を解いた後は、点数だけを見て終わりにせず、間違えた原因を次の勉強に反映させます。
結果を振り返るときは、次のように考えてみてください。
- 知識不足なら、該当する単元まで戻って復習する
- 時間が足りないなら、問題を解く順番や時間配分を変える
- 基本問題のミスが多いなら、基礎演習をやり直す
- 難問に時間を使いすぎたなら、取る問題の優先順位を見直す
数学で難しい問題に時間をかけすぎて、解けるはずの問題を落としているなら、勉強量を増やすだけでは解決しません。
取るべき問題を確実に得点する練習も必要です。
模試や過去問で見つかった課題を一つずつ修正し、次に何を勉強するかを決めていきましょう。
具体的な見直し方は、後半の「Vもぎ・過去問から勉強法を修正する」で詳しく説明します。
都立高校入試の配点を対策前に確認

都立高校入試対策では、内申と学力検査を切り離して考えないことが大切です。
ここでは制度を詳しく説明するのではなく、なぜ内申を見ながら必要当日点を考えるのか、その前提だけを整理します。
学力検査と調査書点の関係を理解する
都立高校の全日制の第一次募集では、学力検査の得点と調査書点などを使って選考します。
学力検査の得点と調査書点の比率は原則7:3です。
一般的な5教科の学力検査では、500点満点の学力検査を700点満点、65点満点の換算内申を300点満点に換算します。
換算内申は、学力検査を実施する国語・数学・英語・社会・理科の5教科の評定を1倍、学力検査を実施しない音楽・美術・保健体育・技術・家庭の実技4教科の評定を2倍して計算します。
都立高校入試では当日の学力検査だけでなく、中学校の成績も重要です。
受験勉強を始めたからといって入試5教科だけに集中せず、定期テストや提出物など、学校の学習にも継続して取り組みましょう。
全日制でも芸術・体育に関する学科は6:4です。
学校によっては7:3と10:0の両方で計算し、受検者ごとに高い方を選考に使う方式もあります。
学校や学科によって選抜方法が異なるため、実際の配点は受験年度の東京都教育委員会の案内と志望校の募集要項で確認してください。
ESAT-Jを含む総合得点の考え方
一般的な5教科・7:3の選抜では、学力検査と調査書点に、中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J YEAR 3)の結果を加えて総合得点を算出します。
| 評価項目 | 基本となる点数 | 総合得点への換算 |
|---|---|---|
| 学力検査(5教科) | 500点満点 | 700点満点 |
| 調査書点 | 換算内申65点満点 | 300点満点 |
| ESAT-J YEAR 3 | A〜Fの6段階 | 20〜0点 |
| 合計 | ― | 1020点満点 |
ESAT-J YEAR 3はA〜Fの6段階で、Aから順に20・16・12・8・4・0点として扱われます。
ESAT-J YEAR 3の結果は、第一次募集などで活用されますが、対象外となる学校・選抜もあります。
実際の選抜方法は、受験年度の東京都教育委員会の案内と志望校の募集要項を確認してください。
都立高校入試の5教科はどう勉強する?

5教科の勉強では、細かなテクニックより先に「その教科で今何を優先するか」を決めます。
ここでは都立入試対策として押さえたい基本方針に絞り、大問別の詳しい攻略は各教科の記事へ分けます。
数学は基礎問題の得点を優先する
数学は、難しい問題に挑戦する前に、今の学力で解ける問題を確実に得点することが大切です。
特に次のような点を確認してみましょう。
- 計算問題でミスをしていないか
- 基本的な関数や図形を理解できているか
- 解ける問題を時間内に得点できているか
- 難しい問題に時間を使いすぎていないか
教室長時代には、応用問題に時間をかける一方で、基本問題を取りこぼしている生徒もいました。
難問対策を増やさず、大問1の小問など、比較的取り組みやすい問題を確実に得点する方針へ切り替えていました。
基本問題の取りこぼしを減らし、目標点に応じて少しずつ応用問題へ進みましょう。
英語は単語・文法から長文へ進む
英語の長文が読めないときは、読解問題を増やす前に、どこでつまずいているのかを探してみましょう。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 知らない単語や連語が多くないか
- 基本文法を理解できているか
- 一文ずつ意味をつかめているか
- 時間内に文章を読み切れているか
単語や文法に抜けが多い状態では、長文を繰り返し解いても途中で意味が分からなくなりやすいです。
教科書レベルの重要単語・連語と基本文法を固め、その後に長文演習を増やします。
間違えた問題も「長文が苦手」で終わらせず、単語・文法・内容理解のどこに原因があったのかを振り返りましょう。
国語は語彙と読解の根拠を固める
国語は、漢字や語彙の知識を増やすことと、本文を根拠に答えを選ぶ練習を並行して進めます。
問題を解いた後は、次の点を振り返ってみてください。
- 漢字や語彙で失点していないか
- 設問の条件を正しく読めているか
- 本文から答えの根拠を探せているか
- 選択肢を感覚だけで選んでいないか
特に選択問題では、「なんとなく正しそう」で選ぶ癖をつけないことが大切です。
正解した問題でも、本文のどの部分が答えの根拠になったのかを確かめます。
得点が安定しない場合は、読解力だけでなく、語彙不足や設問の読み違いも疑ってみましょう。
理科は知識と計算・実験を並行する
理科は、用語を覚えるだけでなく、その知識を使って問題を解く練習も必要です。
勉強するときは、次の内容を組み合わせて進めます。
- 基本用語や公式を覚える
- 計算問題を実際に解く
- 実験や観察の目的・結果を理解する
- グラフや表から必要な情報を読み取る
用語を覚えたら問題を解き、「覚えた知識を使えるか」まで確かめてみましょう。
苦手な単元がはっきりしている場合は、4分野を最初からすべてやり直す必要はありません。
テストや模試で失点している単元へ戻り、抜けている知識や解き方を補っていきます。
社会は冬まで後回しにしない
社会は暗記する内容が多いため、「入試直前にまとめて覚えればいい」と考えてしまいがちです。
冬まで残してしまうと学習する内容が一気に増えます。
- 地理・歴史の忘れている内容を復習する
- 中3で学ぶ公民の内容を定着させる
- 地図・グラフ・統計などの資料問題を練習する
- 過去問を使って実戦問題に慣れる
教室長時代にも、社会を後回しにした結果、冬になって復習量が増え、英語や数学の実戦演習に使いたい時間まで社会に回すケースがありました。
社会も早い段階から少しずつ復習を進めておけば、直前期の負担を減らせます。
理科と同様に苦手な分野を把握し、計画的に学習を進めましょう。
5教科の弱点や勉強の優先順位を自分で決めるのが難しい場合は、個別指導を利用する方法もあります。
森塾は中学生5教科に対応し、学校に合わせた定期テスト対策と高校受験対策を行っています。
内申対策と受験勉強を並行して進めたい方は、近くの教室や指導内容を確認してみてください。
都立高校受験の勉強スケジュール

都立高校受験では、1年間ずっと同じ勉強を続けるわけではありません。
春は内申と基礎、夏は弱点補強、秋以降は入試形式へと、現在の学習状況を見ながら重点を移していきます。
中3春は内申対策と基礎固めを進める
中3の春は、入試5教科だけに集中する時期ではありません。
定期テストや提出物、授業への取り組みを含め、実技4教科も含めた評定を意識しながら学習します。
並行して、中1・中2の苦手単元を少しずつ洗い出してください。
「内申対策か受験勉強か」の二者択一ではなく、学校の学習と基礎復習を両立させる時期です。
夏休みは中1・中2の弱点を減らす
夏休みは、まとまった時間を弱点補強に使いやすい時期です。
5教科を同じ時間ずつ進めるより、1学期のテストや模試で見つかった苦手単元へ重点的に時間を使います。
数学の計算、英語の文法など、入試問題を解く土台に抜けがあるなら、先にそこを立て直します。
夏の段階では、問題集を何冊終わらせたかより、苦手だった範囲をどこまで減らせたかを重視してください。
中3秋は問題演習から実戦へ移る
秋は学校の成績を意識しながら、基礎中心の学習から入試形式の問題へ比重を移していく時期です。
ただし、秋になったから全員が過去問を始めるわけではありません。
中3の主要単元がどこまで進んでいるか、中1・中2の基礎が定着しているかを見ながら、標準問題から実戦演習へ進みます。
中3冬は過去問を中心に仕上げる
冬は、時間を計った過去問演習を中心に、本番を意識した学習へ移ります。
この段階では新しい問題を次々に解くことだけが目的ではありません。
過去問で見つかった弱点へ戻り、再び解いて修正できたかを確かめるところまでを一つの学習と考えます。
都立高校の過去問はいつ始める?

過去問は「何月から始めればよいか」だけで決めると、現在の学力と合わない場合があります。
私が実際の受験指導で見ていたのも、開始月だけではなく、中3の学習進度と中1・中2の基礎定着度でした。
過去問は基礎定着を確認して始める
教室長時代には、中3の主要単元が一通り進んでいることに加え、中1・中2の基礎問題を十分に解ける状態かを見ていました。
指導上は、基礎問題でおおむね8割以上正答できることを一つの目安にしていましたが、これは公的な基準ではありません。
重要なのは「受験生だから過去問」ではなく、過去問から課題を発見できるだけの基礎が整っているかです。
10月下旬~11月頃は開始時期の目安
私が教室長として都立高校受験を指導していたときは、基礎が整った生徒なら10月下旬から11月頃に過去問へ入るケースが多くありました。
ただし、全員に共通する開始月ではありません。
基礎に大きな抜けが残っていれば、先に復習へ時間を使う場合もあります。
自校作成問題を実施する学校を志望する場合も、必要な演習内容は変わります。
何年分解くか、1月からでもよいケース、具体的な進め方については、過去問の専用記事で詳しく扱います。
解けないときは基礎・弱点へ戻る
過去問を始めたものの、ほとんど解けずに自信を失ってしまった生徒も実際に見てきました。
原因が入試形式への不慣れなら演習を重ねる意味があります。
公式を覚えていない、英文法が分からないといった基礎不足なら、過去問を続けても同じところでつまずきます。
その場合は一度止めて、間違えた単元の基礎教材へ戻ります。
「過去問を始めたら基礎に戻ってはいけない」と考える必要はありません。
都立高校入試対策で多い3つの失敗

受験勉強では、勉強時間だけでなく「どの順番で進めるか」も大切です。
教室長時代に見てきた中でも、特に注意したいのが、過去問・実技4教科・理科社会に関する3つの失敗です。
基礎不足のまま過去問へ進む
「早く過去問を解いた方が受験勉強になる」と考え、基礎が整う前から実戦問題へ進んでしまうケースがあります。
実際に、早い時期から過去問を始めたものの、基本問題でも失点が続き、自信をなくしてしまった生徒がいました。
この場合、問題は過去問を始めた月ではなく、解くための土台が不足していたことです。
基礎知識が原因なら、過去問を何年分も進めず、該当単元へ戻ってから再挑戦します。
実技4教科の内申を軽視する
受験が近づくと、英語・数学など入試5教科へ学習時間が偏りやすくなります。
その一方で、音楽・美術・保健体育・技術・家庭の提出物や授業への取り組みが後回しになり、評定を落としてしまう生徒も見てきました。
5教科の学力検査を行う一般的な選抜では、学力検査を実施する5教科の評定は1倍、学力検査を実施しない実技4教科の評定は2倍して調査書点を算出します。
入試5教科の勉強を進めながらも、学校の提出物や実技教科を放置しないよう、週単位で時間を確保しておきたいところです。
理科・社会を冬まで後回しにする
「理科と社会は暗記だから冬からでも間に合う」という考えも注意が必要です。
実際には、冬になって未習範囲と既習範囲の復習が重なり、理科・社会に多くの時間を使わざるを得なくなる生徒がいました。
そうなると、英語や数学の過去問演習に使える時間まで圧迫されます。
理科・社会は直前期だけに集中させず、早い段階から継続して進めてください。
Vもぎ・過去問から勉強法を修正する

受験計画は、一度作って終わりではありません。
私が教室長をしていたときも、内申の見込み、Vもぎなどの模試、過去問という3つの情報を使いながら、学習内容を途中で変えていました。
仮内申後に必要当日点を再確認する
中3後半になり、学校の成績から換算内申の見込みが具体的になってきたら、必要当日点をもう一度考えます。
教室長時代も、この段階で最初に想定していた内申との差を見て、当日の学力検査で必要になる得点を再計算していました。
内申の見込みが変われば、残り期間で必要な学習も変わります。
最初に作った目標点へ固執せず、最新の状況に合わせて計画を組み直します。
Vもぎは単元別の正答状況も確認する
Vもぎなどの模試では、合格判定だけを見て終わらせないことが大切です。
教室長時代には、単元・設問ごとの正答状況も見ながら、次に復習する範囲を決めていました。
周囲の受験生が比較的正解している問題を自分が落としていれば、優先的に見直す候補になります。
Vもぎの帳票をどう読むかといった詳細は、専用記事で解説します。
過去問は大問別に失点原因を確認する
過去問を解いた後は、合計点だけでなく大問ごとに失点を分けます。
見るポイントは、主に次の4つです。
- 知識や解法が不足していた
- 時間が足りなかった
- ケアレスミスで落とした
- 現時点では優先度の低い難問だった
知識不足なら復習へ戻り、時間不足なら解く順番や配分を見直します。
すべての間違いを同じように復習するのではなく、失点した理由に合わせて次の勉強を変えることがポイントです。
数学は取れる問題を優先して修正する
数学では、難問に時間を使いすぎて、取れるはずの問題まで落としてしまう生徒がいました。
そのような場合、私は難問演習を増やすのではなく、大問1の小問や各大問の取りやすい設問を先に確保する方針へ切り替えていました。
過去問で難しい問題に長時間止まっているなら、「その問題を解けるようにするべきか」だけでなく、「その時間で確実に取れる問題はないか」も考えてみてください。
模試・過去問を使った見直しは、次のように整理できます。
| 見直すタイミング | 主に見るもの | 修正すること |
|---|---|---|
| 内申の見込みが具体化したとき | 換算内申 | 必要当日点・学習の優先順位 |
| Vもぎなどの模試後 | 単元・設問別の失点 | 優先して復習する単元 |
| 過去問演習後 | 大問別の失点原因 | 時間配分・得点戦略・復習範囲 |
資料請求はたったの30秒で完了
↓↓↓
森塾の公式ホームページ
【Q&A】都立高校入試対策のよくある疑問

都立高校入試対策を進める中で、中学生や保護者から特に多く寄せられる疑問をQ&A形式で整理しました。
中1・2からの準備や教材選び、独学での受験など、気になるポイントの解消にお役立てください。
中1・中2から都立入試対策は必要?
A. 中1・中2から過去問を解く必要はありませんが、学校で習う内容を定着させることは、そのまま受験の土台になります。
特に数学や英語は、前の学年で習った内容を使って次の単元を学ぶ場面が多い教科です。
定期テストの勉強を通じて苦手を残さず、中3になったときに戻る範囲を減らしておくことが、早い段階でできる都立入試対策です。
都立高校入試対策は問題集だけでできる?
A. 問題集だけで進められるかは、教材の数よりも「今の段階に合った使い方ができるか」で変わります。
基礎に抜けがあるなら教科書や基礎教材、基礎が整ったら標準問題、実戦段階では過去問というように役割を分けます。
一冊を終えること自体を目的にせず、間違えた原因まで振り返れる学習にしてください。
塾なしでも都立高校を受験できる?
A. 塾へ通わず都立高校を目指すことも可能です。
自分で計画を立て、定期テストや実技教科を含めて学校の学習を管理し、模試・過去問の結果から弱点を修正できるなら、自学でも進められます。
一方、何を復習すべきか自分で特定できない、計画を立てても修正できない場合は、個別指導など外部のサポートを利用する選択肢もあります。
5教科すべて勉強する時間がない場合は?
A. 5教科を同じ時間ずつ勉強する必要はありません。
現在の得点、必要当日点、残り期間を並べ、まず「改善すれば得点につながりやすい弱点」を探します。
ただし、「理科・社会は後でまとめてやればよい」と一律に決めるのは避けたいところです。
短期間で改善しやすい単元と、積み上げに時間がかかる単元を分け、優先順位を決めてください。
まとめ|都立高校入試対策は現在地の確認から

都立高校入試対策の重要ポイント
都立高校入試対策は、最初から過去問を解くことでも、5教科を均等に勉強することでもありません。
基本の流れは、次の通りです。
- 内申と基礎学力から現在地を把握する
- 志望校に対する必要当日点を考える
- 弱い教科・単元から優先して勉強する
- 基礎が整ったら標準問題、過去問へ進む
- 模試・過去問の失点から計画を修正する
特に大切なのは、最初に決めた勉強法を最後まで固定しないことです。
内申の見込みや模試、過去問の結果が変われば、優先する教科や単元も見直していきます。
今日から始める対策をチェックする
今日からできることは、大がかりな受験計画を作ることではありません。
まず、次の4点を整理してみてください。
- 直近の通知表から現在の内申を把握する
- 中1・中2の基礎で抜けている単元を探す
- 志望校に対して必要になる当日点を考える
- 入試までの残り期間と、今使える勉強時間を整理する
ここまで分かれば、「基礎へ戻る」「標準問題へ進む」「過去問を始める」のどこから取り組むべきかが見えてきます。
時期だけで勉強内容を決めず、現在地と目標との差を見ながら、一つずつ対策を進めていきましょう。
執筆者プロフィール

※この記事は、進路アドバイザー資格を持つ朝倉美緒が執筆しています。高校受験や学校選び、内申点対策に関する知識をもとに、進路選びに役立つ情報を記事に反映しています。
朝倉美緒は、高校受験や学校選び、内申点対策について、生徒や保護者の進路相談に役立つ情報をわかりやすく整理・解説しています。
塾オンラインドットコム:公式サイト、公式Instagram
姉妹サイト
高校受験のその先、大学受験を見据えた学習環境をお探しの方には、姉妹サイトの「予備校オンラインドットコム」が役立ちます。
高校生向けの勉強法や志望校選びのポイントなど、役立つ情報を幅広く発信しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
▶大学受験対策なら!予備校オンラインドットコム